ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

2021MA雑感(ほぼエベールの話)

2021年最大の事故(的なハマり方した)演目になると思うので単体記事にしました。沼落ち…したところで続きがないけども…(再演して)の記録を残しておくと、数年後の自分がおもしろがるので…。

2021上半期まとめの中に書いてた感想を再編集。感想じゃないところ(見るまでの経緯とか)も加筆修正したので日記っぽさが増しました。いつものことか。キャストや時代繋がりのあれこれ、あと前回公演のDVDがあるとはいえ一回しか見れてない演目でここまで沼るのは久々だな…

 

マリー・アントワネット 大阪公演 3/3マチネ

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この一回しか見てないのでWキャストもう片方の話はほぼ出ません。見たかった。
DVDは花昆お借りしてて、最近玲奈ソニを買いました。揃えたい。サカケンさんのエベールの話はちょこちょこしています。あと続投キャストの感想はDVDの印象が混ざっているかも知れない。

 

前回DVDに残ってない組み合わせにしたくて玲奈マリー・昆マルグリット・万里生フェルセンで見たいと思ったら大阪はこの回だけだったので、有給とって行きました。当初の一番の目的は多分「CDやコンサートでまりおさんがしょっちゅう歌ってるMA曲がどういう場面で歌われるのか知りたい。あと貴族役のまりおさん見たいし歌聴きたい」だったと思う。演目自体にはそこまで興味がなく、マリーとフェルセンメインのキラキラしたロマンス作品だと思っていたため

「ま~そんなに刺さらんやろけど、fffに続いてフランス革命だしレミの準備体操しよっ♪(ハチャメチャに失礼)

と気軽に行ったら、前日までどちらで見るのか忘れていた上山エベールと上原オルレアン+昆マルグリットのトリオに狂うことになった。これが複数キャスト制の恐ろしいところなんだよな…この日のキャストが一人でも違ったらここまで刺さってないような気もするので、ミュージカルってめんどくさい。好き。


マリー・アントワネットが出てくるフランス革命もの…ということ以外は知らなかったんですが、まぁ見事に知った顔しか居ないし曲も思った以上に知ってたし、馴染みのありすぎる時代背景なので逆に混乱した。ミュヲタ、勝手にフランス革命の知識が増える。この回、マリーテレーズの山本さんを含めて2021MAキャストで一番レミ濃度が高い組み合わせだったのでは?元々レミキャス率は異常なまでに高いですが。

 

感想見返すとほとんどエベールの話で自分ながら笑う。前回公演も見てなくて今回も一回のみ(おまけに二階後方席で没入感はそんなにない)で、こんなエベールの話しかしなくなることある?あるんだよ…。

弁解(誰に)すると、東京公演を先に見たフォロワーさんが上山エベールに沼っているのをなんとな~く見ていて、「そもそもエベールって誰だっけ…」ってレベルの認識だったんですけど自分が見る回も上山さんだと気付き。「100万のキャンドルの上山エベ見て!」って言われたのでその段階からしっかり見た結果このザマです。まんまとハマってしまったけどええねん…映像に残ってない今期新キャストに注目しようとは元々思ってたから…。

 

アンジョ役者にエベールやらすな!!!って上山エベールが民衆と拳振り上げる度に脳内で頭抱えてたんだけど、2018演はサカケンさんだから結局アンジョなんですね…そんな時からアンジョがいっぱいコレクション…。レミとの混乱がやっと落ち着いた頃に「Vive la France!」って高らかに言うのやめてほしい。ウェってなった。ただわたしは上山アンジョを一度しかまともに見ていないので、アンジョルラスとエベールの最悪なミュージカル転生へのダメージはまだマシだと思う。このへんを拗らせてるの、2017年頃に砦に住んでた人が多いので。

問題の「100万のキャンドルの上山エベール」は昆マルグリットのことをずっと見ていた。妙に切なげな表情だったので「恋人かお兄さんか…?」って思ってたらどちらでもなかったけど、上山さんがツイートで「彼はマルグリットが好きなんです」って仰ってたので(冗談かもしれんが)そのつもりで見てました。好きの程度はわからないけど、少なくとも悪意のない目だったし。2018演のサカケンさん、今回Wの川口さんの中だと上山さんが一番マルグリットキャストと歳が近いので、一幕は普通にカップルのように見えた。ヤンキーカップル。「そのまま二幕行かずサイラモナムってほしかった」って感想を見かけてめっちゃわかる。1789のダントンとソレーヌちゃんのことを思い出したのは終演後だったんですが、今回上原オルレアン+ソニグリで見てたらどういうハマり方してたんだろうな。

グラン・モゴルでドアに挟まれて「えっ……」って固まって宇宙猫になってるエベール可愛かったんだけど、梅芸公式動画にばっちり映ってて笑った。ここのエベールの彼氏ムーブもウザ可愛かったな…着飾って出てきたマルグリットを見た反応を覚えてないの惜しい。首飾りを見て何かを思いつきオルレアンに耳打ちするエベールを見て、(貴族との距離感、そんな感じでいいんだ…)って思ったのは覚えてるけどこれ今期からなんですね。オルレアンがちょっと屈んでたのも可愛かった…この辺可愛いしか言っとらんな?
運命の歯車でロアン大司教の後ろでシンメ状態で階段降りてくるオルレアンとエベールにわろた。Mステか?その前にベンチの上に立ってサッシュや帽子をぽいぽい投げてるところは昆マリウスの幻覚を見ました。強そう。

 

そうやってカップルのようだったので、二幕冒頭あたりまでは

『マルグリットとエベール』+『オルレアン』

のバランスのトリオとしてこの3人可愛い~!って思っていました。このバランスがキャストの組み合わせによって全然違ったんだと思う今回のMA。いや一回しか見とらんが。

川口エベールを見れていないので比較対象が2018演のサカケンさんになってしまうんですが、サカケンさんのエベールはどこからか突然湧いて出た「キャラクター」のようで(わざとだろうな…)。民衆を煽るために登場した駒、異分子。マルグリットとオルレアンの橋渡しのために送り込まれたスパイっぽくて、他の民衆たちと仲良い気がしない。声が高めで(これもわざとかもしれん)浮いているから喧騒の中でもめっちゃ聞こえる。的確に煽っていく。総じてこわい…。

自分の立ち位置、役割を完全に把握して的確に動くサカケンエベールと違い、上山エベールには矜持があり、仲間が居て正義がある…ように見えるからこそ、ベルサイユへの行進あたりからエベールの立ち位置が明確に変わり

『マルグリット』+『オルレアンとエベール』

のバランスになってしまったのが怖かった。昆マルグリットは女達に金を投げる二人を怪訝な目で見るので(ソニグリだと最終的に笑うと聞いて驚いた)、そこで亀裂が見える。ってかこの辺からエベールの存在が良くも悪くも浮き出てくるんですよね。一幕終盤(もう許さないあたり)から前に出始めてはいたけど、そこでは役割を与えられてセリフを言ってるような印象だったのに、どんどん自分の意志で民衆を煽り出す。文字ではなく自分の声で王妃たちに汚い言葉を直接ぶつける。印刷所でマルグリットに契約書取られてわちゃわちゃしているところまではまだ可愛かったので、オルレアンとの契約と新聞の内容の過激化による承認欲求の増幅、あとバスティーユあたりで何かあったんだろうなぁという流れが見える…芝居がうまい…。

後半のストーリー展開は完全に知らなかったので、えっ…こういう話なの…って動揺したし民衆にもエベールにもドン引きしてしまった。ただでさえ一ヶ月前にパレードを見たところなので民衆も裁判も怖いのに、「革命万歳 我らは兄弟」の歌詞に本気で血の気が引く。それは…1789で…散々聞いた…。博多在住のミュオタ友人が「博多座は1789のあとにそのままMAが始まったためにMAがトラウマ」って前に言ってた意味をようやく把握した。そりゃ1789に通えば通うほどダメージがでかいわ…。なんかもう終盤ずっとドン引きしていたけど、マリーの凛とした美しさに魅了された。裁判中ずっとマリー見てた。あと巨大な三色旗の落ち方が美しくて感動した…一番印象に残った画です。


完全に余談ですが、MAのDVD見た時サカケンエベール登場してすぐの「違う違う違~う !(俺は詩人だ!)」でパレードダメージを負って一時停止するはめになった。パレードの民衆もMAの民衆も、その行動のエグさに素直に好きだと言えるものではないが、レミだと民衆が立ち上がるのが大好きなので結局私は基本的に民衆が好きなんだと思う…レミは負ける側ですが…。集団によるいきすぎた正義怖い、に+αで「承認欲求怖い」が上山エベールのせいで加味されてんの現代的で嫌だなぁ。


そうやってエベールがどんどんダークサイドに落ちていく原因はオルレアン公なんだけど、案外理生さんのオルレアン公の印象はそこまで強くない。ビジュアルと歌がとにかく強い代わりに、何考えてんのかわからんし裏が見えない…と思っていたら、理生さんオルレアン考察動画で全部答え出てた。嫉妬とか無くて軽やかなサイコパスじゃそりゃわからん。あと度を越した金持ち(貴族)の気持ちは普通にわからん。

悪いこと考えたり人を操るのは楽しそうだけど、裁判の途中で飽きてるように見えたしその時の気まぐれで行動してそうな感じ。そんなやべぇ人に持ち込みした結果気に入られて取り込まれた二人、普通に可哀想…オルレアンに出会っていなければ二人でサイラモナムって、バスティーユあたりで死んでたかもしれないのに(それはそれで…)

理生さんの役ってキャラクターっぽいのでハマりやすいなと思う。ビジュアルめっちゃ好きで何枚かイラスト描いたけど、どんだけ描きこんでもご本人の方が濃いという謎の体験をしました。関係あるようでないけど、黑世界の時に「もっと豪奢な衣装着た血盟議会のお偉いさん役でも見たかったな…」と思ってたのがビジュアルだけ叶いました。そうそうまさにこういう感じ。

 

梅芸上手の木材セットで佇む昆ちゃん、見覚えがありすぎてちょっと笑った。さすがに二幕では慣れたけども…今年のレミは昆エポがいないのよ…寂しくなっちゃうじゃないの…(※今年はフェスティバルホール)(しかも大阪無くなった)

昆マルグリット、学校に通っていたことがあり文字が読めて今は貧民街にいる、の説得力がすごくある聡明な女の子。裁判で頭を抱える姿が印象的。グラン・モゴルで着飾っても目つき悪くて可愛い。

今回玲奈昆を選んだの、たしかエポキム同役コンビで見たかったんだと思う。笹本さんが初演ではマルグリットだったのもある。TRUMPシリーズのオタク、因縁あるキャストスライドや鏡合わせに弱いので…君僕僕君…。双子というほど姿が似ているわけではないけども、魂が似ている。

笹本さんのマリー、言い方アレだけどギャルママ系で可愛い王妃様だったのが、話が進むにつれてどんどん凄みを増していって圧巻だった。裁判でずっと目を奪われた。生で拝見したの初めてでした。めちゃめちゃ歌がうまい…。

 

 

そんなわけでほぼ民衆サイドばかり見てはいたけど、まりおさんのTHE貴族役をやっと見れてよかったです。所作全てがかっこよかったし、歌の説得力もさすがだった。まりおフェルセンはじめ、花昆DVDにいる人達は「家帰ったらDVDで確認できる」とゆるく見てしまったところがあって、前回と一緒なわけがないのでちゃんと見れてないのだいぶ後悔してる。

原田ルイのが常に苦笑いしているのになんだか感心した。見ててやるせない気持ちになる…あんな微妙な表情を保てるのすごい…メイクかもしれないけどそれはそれですごい…。

噂の青山ロベピはめちゃめちゃロベピでなんか笑ってしまった。あと理生さんがダントンとロベピの隣に立った時はさすがに笑いを堪えてしまった。みんな理生さんやん。

 

知ってる曲が多かったけどどれも歌われる場面が意外で、特に遠い稲妻の絵面があまりにファンシーで「ギャグなのか…??」って困惑した。マリー危機感無さすぎヤバソングなので、歌とのギャップあるのは正しいとは思うんだけども目を疑った。まりおさんがコンサート等で歌う時の「マリー!」って台詞の前後がわかってすっきりしたけども、あんな目の前で歌う歌だったの…!?

全体的な演出は、暗転多いのもありイケコみ感じた(違います)訳詞や演出について「ちょっと気になるけど海外での元演出はどんな感じなんだろう……いや東宝産だったわこの作品…」って思いながら見たけど東宝初演とはもう別物とあとで聞いてもうどないせえと。

 

そんな感じで、トリオとは書きつつもほぼ上山エベールただ一人にやられてしまった2021MAでした。再々々演、あるのかなぁ…コンスタントに上演され続ける作品でも無いと思うんですが(マルグリットができるキャストも限られそうだし)、こんなハマり方してしまった以上次あったら通いたいし見れてないもう片方のWキャストや花ソニが見たくてしょうがないんですが、そうなってもMA二人はキャス変かな…うーんとりあえずオルレアンとエベール全員ステイしてくれ……。

 

 

2021年9月現在、韓国でMAやっててインスタに動画流れてきたりするし、一応レミも終わっていないのでまだまだMA拗らせてる。現時点でも色々あった2021年だけど、MAにハマれててよかったなぁとしみじみする一年になると思います。