ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

マハゴニー市民になった日(マハゴニー市の興亡 市民席感想)

嵐が丘以来約一年半振りの推し舞台に行って来ました。推しは山本耕史さんです。推しを推すようになった記事とか書きたい。

内容についてはまだ公演が残ってる(あと4回)ので詳しくはまた今度にして、マハゴニー市民席の体験談を残しておきます。

マハゴニー市民席とは?
http://www.mahagonny.jp/UserPage/Detail/5
ざっくり言うと舞台上に作られた席です。ちなみにパイプ椅子。尻が痛いけど一時間で休憩あるからギリギリセーフって感じだった。
セットや役者により近くなるのは個人的には勘弁願いたかった(※チケ購入時の話。最近は近いのも楽しい)んだけど、5000円という安さに負けて買ってみた。

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こういう紙が配られる。

客席12列分をつぶしてせりだしたセットになっていたため、最前列も舞台と同じ高さになっていてびっくり。舞台めっちゃ広い。奥行きがヤバイ。50mくらいあるらしい。

で。
単純な近さだけなら小劇場の最前列の方が常に近いんだけど、同じ舞台の上っていうのが凄かった。振動が直で伝わってくる。役者のドタバタした動きが 、特に主人公ジムが暴れてダァン!って足を踏み鳴らすとこが何回かあるんだけど毎回ビクッて反応しちゃってたし、銃を撃つシーンは観劇2回目だったのにびびってギャッって言っちゃってたと思う。
目の前を美人なお姉さんが通るといい香りがする。席によっては結構役者さんに絡まれる。お姉さんに色っぽいファンサをもらってわたしの心に居るオヤジが「ヒュゥ~」って言った。
バミリって暗くても結構見えるんだなぁ。

これはネタバレなので詳しくは言えないけど、市民が参加できるシーンがラストにあります。
市民席にドレスコードが一切なくて、じゃあ何でもいいやと普通の服でいったらそもそも役者の衣装がめっちゃカジュアルだったという。シャツとかセーターとか。
そのおかげで市民席の客と役者の境界が曖昧になってて、いきなり誰かが立ったとしてもそれがアンサンブルさんなのか客なのかわかんない。
参加できる(しなかったけど)ラストになるほどこれはすごい!!って思ったので是非見に行って共感してほしい。

あと、わざわざそれ見たくて狙って座った(整理番号制自由席)とはいえ、目の前というかほぼ足元に転がる推しの背中を見る日が来るなんて…って謎の感動をしていた。隣のお姉さんも同じようなことを言っててとてもお友達になりたかった。

休憩中はなんと舞台上を(ほぼ)自由に見学できるという特典付き。これ逆にお金取っていいやつなんだけど!?いいの!?5000円やで!?!?
メインとなるピンクキャデラックの中とか、その後ろのスーツケースや上着、大量の酒(割れないようになんか加工されてた)や散乱したトランプ。バンドの楽器も見れる。車こうなってんだーってめっちゃ下を覗いてた。
ちなみに演出の白井さんがいつの間にか現れるので(劇場の妖精さんだから…)普通にお話しできたりします。

基本横から(もしくは後ろから)登場人物たちを眺めることになるこの席、どういう意図で設定されたかというと、9/18のアフタートークで白井さんが「見切れを怖れない、人や物が邪魔でちょっと見辛いなっていう面白さが良い。今は無き青山の円形劇場でずっとやってきてあの形がとても好きだったから、今回それっぽいことをしたかった。役者の表情は客の8割が見えてるけど、その時の背中を見ることができる。逆も然り。すごいことですよね」とおっしゃっていて、山本さんも「(舞台の)奥の方の方とか、役者越しに客席を見ることになるじゃないですか、それってすごく貴重だと思うんです。僕も客として見たい。誰か代わりにジムやってくれないかな笑」だそうで。常に劇場で新しいものを模索しているお二人なのでこういうものが生まれたのだなぁと。ここのタッグすごく好き。

いやほんと貴重な体験させてもらった…
わたしは最前列上手寄り→市民席下手側前方→二階席後方ドセンという結構色んなとこで見たけど、市民席が一番楽しかったなぁ。勿論最初に最前で見たから見るポイントがわかってたっていうのもあるんだけど。
あと二回見れるなら三階(音響が良い感じだったらしい)と市民席の上手の奥の方で見たかった。けど仕事もあるので大阪に帰ります。
何回も見たくなる舞台はあるけど、こんなに色んな席で見たい、どこで見ても楽しめる舞台ってすごい。

マハゴニー市の興亡市民席、こんだけ言っといてあと4回だし残席ないかもだけど、おすすめです。
ちなみに二階席からは物理的な見切れ大量発生(舞台がせりだしてるせい)なので一回しか見ないなら絶対一階。
真田丸の三成も今日で退場することだし、山本耕史=時代劇の人ってイメージがあって、明日とか明後日予定空いてる方は見に来てくれよな!!!


休憩中、キャデラックの前(つまり舞台のセンター)に立ってそこから客席を見上げてみた。いつも推しの目に見えている風景があった。
芸歴=年齢で、そもそも歳も一回り近く違う。人生も生活も考えてることも何もかもが自分と違う推しさんだけど、同じものを見ることができたのはなんだか感慨深かった。