ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

運命を感じたので宙組オーシャンズ11を見に行った話。

どうやって感想を書こうか迷った。
キキさんに運命を感じたのは事実だし、チケットの巡り合わせも運命だった。そしてこの作品は、『運命を変える街』ラスベガスが舞台である。

だけど、わたしが今回見に行こうと思った最大の理由は「5年ぶりに、もう二度と聞けないと思っていたオーシャンズ10』が聞きたかった」から。

そんな2014年梅芸版オーシャンズ11の亡霊が、初めてムラに乗り込んだ話です。感想という感じではない。前置きの方が長いし自分語りばかり。ご了承ください。

いやほんと長すぎたので前置き興味ない人ここから飛んでください。 

 

過去エントリでも何度か言ってるけど、わたしが推しさんもとい山本耕史さんに陥落したのが梅芸版「オーシャンズ11」である。
新選組!から数えること十年。ずっと茶の間ファンで、数々のミュージカル・舞台情報は把握しながらも「ミュージカルも海外作品も興味ないしな~また時代劇ドラマが見たいな。慎吾ちゃんと共演してほしいな。」と思い続けた十年。その雑で都合のいい要望に答えるように、そのニュースは飛び込んできた。

香取慎吾観月ありさ山本耕史オーシャンズ11やります!!」

速攻でファンクラブに入って(入ってなかったんかい)、当時職場でド新人だったにも関わらず「6月に有給ください!!」って宣言した。
新選組!から十年の記念すべき年に、局長と副長が再共演!しかも立場も似たような役!と完全にミーハーな気持ちで気軽に見に行ったら、舞台で踊る彼の姿を見た瞬間一瞬で落ちた。燃える太陽の矢が胸に飛び込んだ。サクッて刺さる音がした。初めて「推し」という概念を理解した。
それ以来彼はわたしの「推し」になり、彼を追いかけ出演作を見ているうちにミュージカルそのものにハマって今に至る。

まさに、運命を変えた作品だった。

 

推しさん演じる梅芸版ラスティーには、新曲があった。ダニーとのデュエット曲「オーシャンズ10」と、ポーラとのデュエット曲「LET ME LOVE YOU!」の2曲。地下金庫の曲もラスティー担当になっていた。
特に「オーシャンズ10」は組!の近藤と土方、香取さんと推しさんの関係をそのまま詰め込んだような曲で、二人の掛け合いやハモリにクラクラしたのを鮮明に覚えている…というか、音源化も映像化もないのがわかっていたので、無理やり覚えた。歌詞は書き出したし振付はできる限り絵に起こした(「LET ME~」の方も)。
それでも、メロディーはどんどん忘れていく。今思うと、自分で歌ってそれを録音しておけばよかったのだが。

2014年11月に公演が終わり、その2曲は幻となる。できる限りのレポ絵を描き続けたが、わたしのオーシャンズ11は終わった。

 

時は少し流れ2017年。すっかり観劇が一番の趣味になっていて、観劇ファンの友人が増えていた。その中にはもちろん宝塚ファンもいて、花組オーシャンズのDVDを見せてもらったりした。あまりにそのまんまでびっくりした。さすがに振付は違うけど、曲も台詞もだいたいの演出も一緒!潤色じゃなくてイケコオリジナルだからって言われて納得したけど、その中にはあの2曲はない。梅芸版の記憶を薄れさせたくなくて、DVDを繰り返し見ることはなかった。

その年のFNS歌謡祭に、宙組が出ていた。何気なく「最後のポーズで右にいた金髪の人が好みかな」と呟くと、即座にフォロワーからリプがくる。

「芹香斗亜さんですね!」

だそうだ。漢字変換し辛いなって最初に思った。

ここですかさず宝塚ファンのフォロワーに囲い込まれ、あれよあれよと宝塚デビュー…と行きそうなもんだが、2017年のわたしははちゃめちゃに忙しかった。ドクロイヤーだったので。年末にメンフィスもあって、あまりに心と財布の余裕がない。

というわけで、この時はお名前と顔とキキさんという愛称を覚えただけだった。フォロワーからスッとお写真が差し入れられたりもしたけど、それまで。興味あるものは調べて自ら沼にダイブしがちなオタクなんだけど、まぁハマるのこわかったんですよね…!宝塚(に限らないけど)にハマって色んな意味で大変なことになってるフォロワーを見てるし、何よりムラには物理的に通えてしまう。家から近いわけではないけど近畿だし。東京よりは何十倍も近い。

フォロワーたちの影響で時々DVDやテレビで公演を見ることはあっても(ひかりふる路とか)、ムラへ行く機会はないまま更に2年。

 

2019年、ちょっと人生に疲れてあらゆるエンタメを好きなままに摂取しようと思ったら、飛び込んできた情報があった。
「今度宙組オーシャンズやるよ、キキさんがラスティーだよ。」
…えっ。

 マジ?????友人らのご贔屓以外で、唯一お名前とお顔を覚えているキキさんが、わたしが推しに落ちたあの役を???と動揺しながらググった。

逆やん!!推しさんよりキキさんのが先にラスティー演ってはるやん!!(※2011年)っていうか花組オーシャンズにライナスで出てる!!あと新人公演時代のダニーラスティーの再来だと知りエモくて死んだ。なにそれすごい。近藤土方コンビの再来だとはしゃいだあの時の気持ちが蘇る。

運命を感じて、脳内でFATE CITYがぐるぐる回りだす。キキさんのラスティーが見てみたい。宙組オーシャンズ、行きたい。でもチケットもう無い。そりゃそうだ。そうだよな~!!

 

4月に入り、公演の全容が見えてくる。
宙組オーシャンズ、新曲あるんだって。」

えっ!!???

それは、まさか。いやまさか。いやいや違うでしょだってあの曲はアテ書きで…いやでも、もしかしたら、そんなまさか。

って唸っていたら、数日後にフォロワーから連絡が来る。
オーシャンズ、同行者が行けなくなったんだけどよかったr「行きます!!!!」

秒で答えたのはいいものの、こんな理由で行っていいのか迷った。新曲は、あの2曲どちらとも違うかもしれない。もちろん他の曲も作品そのものも好きだし、ムラに行ってみたかったのも、キキさんを見たいのも事実だけども。

でも、こんなの運命じゃないか。

 

そして初日後のレポ。

「ダニーとラスティーのデュエット曲『オーシャンズ10』、すごくよかった!」

あっ。

 オーシャンズ10が、聞ける。パンフレットに歌詞が載る。円盤になって音源が残る。幻で、二度と聞けないと思っていたあの曲が。
嬉しくて嬉しくて、部屋で号泣してしまって親にビビられたりしたけどそれはともかく。

やったああああ!!!!!!!

同じように梅芸版に通ったフォロワーも同じ回に入るとわかり運命ポイントが完スト。
初めての大劇場にそわそわドキドキしながら行ってきました。

 

      ここから当日の話。

オーシャンズ11』4/28ソワレ

売店、多っ!!!が第一印象。なんだここはショッピングモールか。いや某夢の国か?お土産のバリエーションがやばいしモロゾフとかルクルーゼとかなんかすごいのばっかり。あっ噂の郵便局だ。えっこんだけ売店あってキャトルレーヴはまた別にあるの!?って広っ!!グッズの種類と潤沢な在庫やば!もうここだけで生活用品全部揃うのでは?
完全におのぼりさんである。

特にすごいなと思ったのは、どこのお店も「適度に」混んでいること。カフェやテラスを見回すと、どこかには必ず空席がある。長く見えるレジ列も、数が多くサクサクはけていく。計算された空間だ…。

あっ噂のすみれ色のピアノ…じ、JUMP!が流れてるーーー!!本当に…本当にオーシャンズ11を見に来たんだ…!と開演前から大はしゃぎ。A席なのだけどめっちゃ見易い。どこまでも計算されている…すごい…!
きっと始まってからも要所要所で泣くんだろうな…と覚悟を決めていたら、まさかの105期の口上で開幕即爆泣きでした。キラキラした若者が頑張っている姿に……弱い……。

 

FATE CITY』で人がババっと増えたけど一瞬でキキさんを見つけたのちょっと自分に笑ってしまう。(他の方のお顔をちゃんと把握してないというのはあるけど)

トップお二人のオーラに圧倒されたり、出てる人みんな足が長過ぎる顔が良すぎる歌がうめぇダンスがうめぇ、と途中からだいぶ頭がバグっていく自覚はあったんだけど、時折ふと梅芸版の振付を思い出す。NEVER GIVE UPのステップ好きだったなぁとか…覚えてるもんだな…。

オーシャンズ10』は、仲良しのダニーとラスティーでやるとあんな感じのバディ感が出るんだな!!?ってすごく微笑ましくなった。梅芸版と各宝塚版、男女だとか歌のキーだとかそういう根本的なところ以上に違うのが、香取ダニーは、山本ラスティー超・塩対応。 アテ書き極まってる。

なので全然違うものとして見れたのもありがたかったんだけど、キキさんのラスティー可愛い~~~!!!チャラくて、少しだけ垂らした前髪がセクシーだけど笑顔が可愛らしい!!ダニーの「隣」にいるラスティーだった。(推しさんのラスティーはダニーのちょっと後ろにいたので)タバコ吸いながら歌うの超良いやん…可愛いとかっこいいの同居具合がかんぺき…。歌割りは一緒だったよね?上ハモリやっぱりサイコー。

 

全体的に、当時を思い出したり眼の前のキラメキにやられたりと感情が行ったり来たりしていた。バシャーがかっこよくてビビったし(そもそもそういう役だったわ!)、自己紹介曲が増えた代わりイェンのソロなくなってる?イェンヨーヨーうまい!フランクの髪型(長髪ウェーブ)は梅芸版に寄ってるよな、ラスティーのベージュトレンチコートも金庫の歌割り(ジョンソン先生からそのまま着替えて歌う)も寄ってんのかな!?(星組は見れていないのでトンチンカンなこと言ってたら本当にすいません。)情緒が!忙しい!!

オーシャンズ10はもちろん、宙組オーシャンズは梅芸版を経たものになっているんだなぁって嬉しかった。別に黒歴史だとは思っちゃいないけど、映像化も音源化もなくて記憶から消えれば終わりだったあれこれが宝塚の中に残った。小池先生の中でちゃんと生きていた。ほんっとうに嬉しい…ありがとうございました…。
そうなると「LET ME LOVE YOU!」がないのが悔しいのだけど、そもそも梅芸版にはママのテレサが居ないからこそあの曲があるんだよなぁ…リカルドが捕まったあとのポーラ、ほんとに一人ぼっちで心細そうだったから…。いつかこっちも聞けたらいいな!可愛いんですよ、ラスティーとポーラの結婚するしない痴話喧嘩ナンバー!

フィナーレの最初にキキさんが「愛した日々に~」を歌うの、キャラ的に考えるとちょっと笑ってしまう(以前まではベネディクト役の方が担当だったと聞いた)んですけど、新人公演でダニーをやたキキさんが再びあのナンバーを歌うのってエモの塊なんじゃなかろうか…って、詳しくないのに勝手にしみじみした。

 

そういう色んな渦巻く感情を一気に押し流す、105期のラインダンスがほんっっっとやばかった。NEVER GIVE UPとJUMP!のアレンジで踊るのやばくないです!?この舞台に立つまでいーーーっぱい大変なことあっただろう若い子たちが、「NEVER GIVE UP!」「気持ちだけは折れたことがない」「何故っていつも言い聞かせてる」って歌いながら、希望に満ち溢れた顔で…踊るの…やば……。105期に知人でもおるんかってくらい客席で号泣してしまった。あとめっちゃ個人的な理由なんですけど、モーニング娘。が好きなので「105」のことを「ワンオーファイブ」って言うのが刺さった。

最終的にフィナーレは総勢100名超えだったんですかね?数の暴力、とは思わなくてただただ華やか。すごかった。

 

 

大きな劇団を見に行くと、箱のサイズと演出とキャストの技量がぴったり合っているところに毎度感心してしまう。若手舞台の成長を見守る感じや、小劇場のちょっと狭くて慌ただしそうなところもそれはそれで好きなんだけど、いつでも見たいものを見せてくれる安心感はさすがだなぁと。それらが当たり前のように見えているところもすごい。

梅芸版を見た時に「どゆこと?」って思っていた演出は宝塚のために作られたもので、宝塚で見るとぴったりハマる。(じゃあ梅芸版では演出変更してよと思わなくもないけど。)人数が多くて衣装がきらびやかでそれを最大限に活かしたJACK POTの迫力とかすごかったし、ラストシーンの照明がすっごく綺麗。全てが洗練された演出。 

そして、わたしがこれまでDVD等を見ていて感じた「全員が女性」だというほんの少しの引っかかりが、劇場で見ると何も気にならなかった。観劇慣れしてない一般人から敬遠されがちな派手なメイクと衣装、大げさに見える役作り。観劇に慣れてる自分もそこがずっと気になっていたのだけど、そんな気持ちはじんわり溶けてなくなった。

きっと、「ムラ」と呼ばれる空間そのものがそうしてくれたんだと思う。もちろん、DVDと実際の観劇では見え方が違う。でもそれ以上に、隅から隅まで宝塚しかないあの場所にいると何も気にならなくなった。全身でどっぷり浸かることができる。とんでもない空間だ…そりゃ、戻ってこれなくなるよな…(宝塚にハマって以来他の現場で会えなくなったフォロワーたちの方を見ながら)新しい世界を知れた。

 
運命が変わった作品に運命的な再会をした、平成最後の観劇でした。 
 

f:id:yhforestmk:20190430133306j:plain

 
 
 

 

『BLUE/ORANGE』に打ちのめされた。

関東の小劇場で、三人芝居で、再演。公演が発表された時は気にもかけてなくて、かけてたとしてもあらすじで「うわ絶対苦手なやつだ…」ってすぐ忘れたと思う演目。

なのに、年明けスリルミーからのゲキシネ花でガンガンに成河さんの演技に殴られ、気付いたらブルオレ行くフォロワーが周りにいっぱい居て。えっ公演いつだっけ、あっ一ヶ月もあるの!?小劇場なのに!?すごい、じゃあちょうどSPECTERを見に遠征するからその前に行こう~渋谷から下北沢は近いからはしごできるね~ってチケットを取りました。

ちなみに何故SPECTER前が空いていたかというと、他のいくつかの演目の当日券に目をつけていたからだった。埋めてしまった。まぁこれも…縁ですね…。

あと出演者3人の会話劇なのに、上演時間が休憩含む2時間50分なのにびっくりした。色んな意味でやべぇ。ヤバイっしょ。幸運にもチケ取ったあとにアフトーが追加されたんですけど、見れるはずもなく下北へダッシュしました。最近多いな、マチソワ間ダッシュ

 

一回しか見れてないし全然咀嚼しきってないので、明らかに間違ってるとこ以外はそっとしておいてください。台詞とか全部曖昧です。

 

『BLUE/ORANGE』4/21マチネ

STORY

ロンドンの精神病院。
境界性人格障害のために入院していたアフリカ系の青年クリス(章平)は、
研修医ブルース(成河)による治療を終えて退院を迎えようとしている。
しかしブルースには気がかりなことがあり、退院させるのは危険だと主張していた。
上司のロバート医師(千葉哲也)はそれに強く反対し、高圧的な態度で彼をなじる。
納得のいかないブルースはクリスへの査定を続け、器に盛られたオレンジの色を問う。
彼はそのオレンジを「青い」と答えた――。

 

公演詳細 | StageGate [ステージゲート]

 

戯曲・役者・箱の使い方がぴったりと合っていた。どれかがちょっとでもズレた瞬間崩壊する空間。場の空気のうねりが目に見えるかのようにぐわっと流れていく。セリフ量も異常だし緩急は凄まじいし、後半もはやプロレスかよってくらい狭い板の上を駆けずり回り暴れて物を壊し叫び続ける。それでいて三人ともめちゃめちゃうまい。ほんっとすごいもんを見た。

 

この演目、カルチベートチケットという制度がありまして。

一人カルチベートチケット | web dorama de songha

twitter.com

成河さん、以前からお名前は存じてたけど花髑髏から始まり、美女と野獣(ルミエールの吹替)、子午線の祀り(テレビ放送)、スリル・ミー…と色々拝見しました。ドラマや映画までは追いかけていないし、フリコミや人間風車は見れてない。エリザのチケもない(…)

その演技の幅や演劇への想いに魅了されつつも、「頭良すぎて逆に怖いな」っていう印象があり。これは今もそう。自分の考えをじゃんじゃん発信して行動できる人。わたしがここでぐだぐだ言うより、上のブログを読んでいってもらうとそれは十分にわかる。色んなことをこっち側に伝えてくれる。すごい人だなぁと、この人を追いかけてたらすごいものが見れるんだなって思う。

だから、そんな成河さんが「おもしろいよ」「わかりやすいよ」「友達連れて見に来てね」っていうこの作品がおもしろくないとは微塵にも思ってなかったんですけど、もうとんでもなかった。もしわたしが観劇ビギナーの頃にこれを見ていたら、その後の観劇人生を大きく左右されてると思う。そんじょそこらの会話劇じゃ満足できなくなるか、もしくは演劇の怖さに負けて小劇場から遠のく。そのどちらか。これを気軽に見せるの結構博打じゃない?演劇自体が博打だけども。やべーよ。でも、それでいいんだろうな…まず見てもらうことが大切。

 

初めて行ったDDD青山クロスシアターは小奇麗なインディペンデントシアター2ndって感じ。不思議な立地。天井は低め。舞台を真ん中においた対面舞台。椅子の下にスピーカーがあってHEP HALLっぽくもある。まさに小劇場。なのに、なのに…椅子が…良い…!!!いやほんとこれ感動したんですよ…おかげで約3時間余裕で座れた…。椅子は大事。この劇場まるごと関西にほしい。

セットは病院の一室らしく机と椅子がいくつか。机の上には資料といくつかのオレンジ。シンプル。あと奥にベンチとゴミ箱、ウォーターサーバー。舞台上に業務用のウォーターサーバーあるのシュールだし、キャストが度々飲みに来るのおもしろすぎんか?もちろん演技として、なんだけども普通に給水タイムだよな??三人舞台で三時間弱演ることを思うと必須アイテムよね…。時折「ゴポッ」って水音が鳴るのもおもしろかったんだけど、劇評を見てたら第四の出演者って言われてた。確かに。ラストシーンの音もわざとよね?どうやって操作してんのかわからんけどびっくりした。

客席に出入りする扉がそのままセットとして使われていて、その向こうのロビーは病院の廊下になっている。扉を開ける度に病院っぽい穏やかなBGMが聞こえてきて、照明の感じも違う。劇場の活かし方がおもしろい。廊下に飛び出したブルースとロバートがそのままロビーで口論を続けるんだけど、声の遠さや反響の具合で本当に廊下での言い争いを聞いてる気分になって「すげー…」って感心した。

 

対面舞台のE列側が表、W列側が裏と言われてたんですけど、わたしの席はZ1だったので裏の一番後ろ(といっても実質4列目…)の端。特にブルースの表情は見えないことが多かったので、あぁ確かに裏側だな~と思いつつも、それがまたおもしろかった。終盤でクリスに泣きつくブルースのシーンがまさかのウォーターサーバー死角。すごい絶妙に見えないの。何してるかギリギリわかるくらい。隠れているのがウォーターサーバーなだけに、その陰からのぞき見してしまっている感覚があってドキドキした…。ある意味計算された死角ですよね。他にも見えんとこいっぱいあったけど、あまり悔しさはなかった。

その代わりこの席、扉の向こうがめっちゃ見える。さっき言った口論してる姿とかは見えないんだけど、奥行きがあるのでそのまま廊下が続いてる感じした。扉が開けっぱになって白い照明と穏やかな音楽がまっすぐ入ってきたところは、神々しくて教会っぽさがあった。ラスト前の青い照明はすごく目を奪われた。

 

で、肝心の内容なんですけど言葉で感想を綴るのがむずかしーんだこれが。『境界性人格障害』から始まって色んな境界の話が出てくる。

そうですね、
テーマとしては、
一部。例えば、

僕たちにとって異常と正常の境目はどこなのか
僕たちは誰とでも分かり合えるのか
果たしてその必要があるのか
そもそも僕たち、とは何なのか

 

ブルオレ | web dorama de songha

このお芝居のキーワードは境界です。ジョーペンホールはなんだかんだ親切なので全部台詞に書いてあったりします。わたしとあなたの境界。僕と世界の境界。コチラとアチラ。曖昧な世界を明確にしようとする意思。笑い飛ばせたら幸せでしょうか。
 
 もうほんとに成河さんのブログ読むのが一番早いしわかりやすい…。
 
作中では人種差別がやはり根底にあり、ロバートがクリスの奇行や言動に対し「彼(アフリカ系)の文化圏ではそれが普通なのかもしれない」としきりに言う。言い訳にしか聞こえないシーンもあるし、確かにそうだよなと思う時もある。
人種差別が身近でない(と思っている。でもきっと気付いてないだけ)わたしはこの手の話を考えるといつもどん詰まりを起こすけど、『異常』と『正常』とまでは行かずとも『普通』と『変わってる』の境界線とかわかんないじゃないですか。余談中の余談だけど、大学の時に近畿圏外出身の同級生との会話中に「なんでやねん」っていつものノリでツッコんだら「えっ何か変なこと言った?そんなキツく言わなくても…」とビビられてしまったことがあって、文化の違いをひしひしと感じたんですよね(めっちゃ謝りました)。育ってきた環境が違うからセロリが好きだったりするんだし。何が普通なのかなんてその人にしかわからない。
 
3人の誰かが嘘をつく。でもそれが嘘なのか冗談なのか、本気でそう思っているかがどんどんわからなくなる。言葉と言葉がどんどん絡みついてしまってぐちゃぐちゃになる。一幕の途中までは、クリスが心配で病院に留めようとするブルースが『善』で、クリスを追い出そうとするロバートが『悪』に見えがちだったけども、序盤から散りばめられていた言葉に二幕でどんどん足元を掬われて、その立場は何度も逆転する。言葉のプロレス。いや実際言い争いが加速して胸ぐら掴み掛かりまくる大喧嘩だし、机に乗るしオレンジはぶちまけられるし、椅子は客席まで飛ぶし(これは飛び過ぎたらしい)座面ぶち壊すし(さすがに壊れすぎたらしい)ブルースは水ぶっかけられるし。会話劇とは?
ブログで度々言ってるのですが、わたしは男同士の言い争いがめっちゃ好きなので二幕はニヤニヤしながら見てた。ほんっとうに緩急の付け方がすごい…叫んでるし早口なのに聞き取れるし、ちょっとでもテンポずれたり台詞間違えたら戻せなさそうな言葉の殴り合いはいっそ爽快。訳詞も素晴らしかったんだと思う。言葉のチョイスにひっかかったりしなかった。
 
オレンジの色は、という問いかけ方に「でも『色は』オレンジじゃないよな?」という誘導が含まれていて話は二点三点する。それに対してクリスは双方から「ブルースの意識を植え付けられている」「ロバートの考えを喋らされている」と言われて混乱するんだけど、それーーまさに演劇を見ている我々のことーー!って唸った。この話、誰かに感情移入した時点で負けなんですよね。いや戦わんでいいんやけど。ブルースのその意志、その正義は間違っているわけではないけども綺麗事が多い。ロバートの軽口だって嫌味だけで言ってるわけではないし、病院のベッドが足りないのも事実だろうし。クリスはどこまでが本当か全くわからない。全部嘘かもしれない。誰かに少しでも思いを寄せたら、話の途中で全部ひっくり返される。翻弄という言葉がぴったりかもしれない。
 
精神病治療と同じく、この話に正解やゴールはない。最後、散らばったオレンジの『皮』だけを無心でかじっていたブルースと『中身』を食べるロバートの対比にこれまた唸った。若くて青いブルースは表面しか見えてないから、中身にはたどり着かないのかな…って思った途端に態度を一変させ、開き直った顔で中身を食べながらロバートに向き合うところでウォーターサーバーがゴポッと水音を立てて終わる。あれ次のラウンド開始のゴングかな。ブルースが一歩踏み込んだ感じ。
伏線はあったけどそれが回収されたところでスカッとするわけではない。ゴールもない。それでもめちゃめちゃおもしろかった。
 
それはそうとして、後頭部が丸くて目がぱっちりしてピンクシャツインのフラハーティ先生はすごく可愛かったです。あのトーンの声の成河さんを初めて見たので一瞬「えっ誰が喋ってんのこれ、めっちゃ堺雅人なんだけど??」って混乱した。先生の顔がしっかり見える席だったらもっと翻弄されてただろうし、もし手持ちのチケが2枚あったら最終的に5枚くらいまで増やしたくても遠征できない自分にやきもきしそう。一度で、あの席で結果オーライ。
成河さんあいかわらず化物だったし千葉さんの飄々とした立ち振舞いさすがだったし、そんなお二人に引けを取らない章平さんのオーラがすごかった。
 
小劇場の良さも思い出せたのでまた気軽に小劇場行きたいんだけど、物足りなさを感じそうなんだよな…こんなどえらいもんを見てしまったから…。
あと対面舞台が好きなのも改めて実感したんですけど、開演直前に対面側の客席にめっちゃ顔の良い『彼』を見つけてしまい動揺し、冒頭3分くらいの会話が頭に入って来なかったので良し悪しあるなって思いました。オチがそれかい。
 
 

f:id:yhforestmk:20190427232240j:plain

 

本当に良い劇場だったのでまた来たい。

 

 

 

 

エンタメを浴び続けた2-3月の記録。

2月頭までの分はこちら↓

yhforestmk.hateblo.jp

3月はめちゃくちゃ行きたくなかった親戚行事と気の重い職場の飲み会が決まっていたうえに、推し舞台と推し劇団舞台の日程が大阪でかぶり、トドメの『チケットはあるのに推し舞台初日に行けない』にめちゃくちゃ落ち込んで

「もーーーーーやだ!!こうなったら大阪で見たいもん全部見てやる!!!」

と開き直って色んなものを見に行きました。オタク、心の傷をエンタメで埋めがち。初日分のチケ代と往復交通費が浮いたも事実だし…。

一つずつちゃんと長めの感想書いてたんですが、終わりそうにないのでそれは10連休の自分に期待。ざっくりいきます。

4/27、10連休初日。とりあえずレキシアターとSPECTER以外のとこに感想を追記。

 

 

 

2/22 舞台版「地球戦士ゼロス」FINAL THE END OF JUSTICE(ABCホール

去年の上半期感想で「全てが最高だった!」と書いた矢先に活動休止が発表されたゼロス。
ゼロスのことは少し前から知っていた。なんばや日本橋を歩けばポスターを見かけるし、各地のイベント等に出ている写真を見たこともある。
舞台版は、友人に勧められて前回公演の「プリンセス・オブ・マリーナ」を見に行ったのが最初。そして今回が最後。寂しい気持ちはあるけども、今回が初めてじゃなくてよかったし、ゼロスに会わずに人生を終えずによかった…!!

前回散ったシグマ役の小林さんが今回もいて、何役なんだろう…と不思議に思っていたらブロマイドのビジュアルが隠されてて。うわ、これ絶対重要キャラだ!って構えていたんだけどオープニングでシグマが出てきて速攻泣いた。深層心理が実体化する、みたいな流れになったので「うわ…誰の記憶や…いやそんなん隊長やろ絶対……」って先に泣いてたんだけど、生きてたんかい!!!シュトロハイムか!!

わたしは「民衆がヒーローを応援する声」にめちゃくちゃ弱くて、特撮映画はだいたいそういうシーンで涙腺決壊するんだけども、この舞台でその「民衆」になれたのが嬉しかったなぁ。思いっきりゼロスを応援できた。

ザクスがやけにヒロインなのがちょっと気になってたんだけど、最後のあのシーンのためだったのか…!!と気付いてからはもうずっとボロボロに泣いてしまってしんどかった…。ヒーローが去る瞬間を見てしまった。最後まで目で追いたかったんだけど、追ってしまったら本当にいなくなってしまう気がして見れなかった。

萩野さんのダークヒーローかっこよすぎたし、私はあまり詳しくないのだけど某パークキャストの方々は本当にうまいなぁ…と惚れ惚れする。
最初から最後まで大満足。ゼロス、10年間本当にお疲れ様でした。

 

3/8(昼夜)・3/14・3/20・3/23 ゲキ×シネ「髑髏城の七人season花」

yhforestmk.hateblo.jpブルク城が何故か二度も延長して三週間やってたので、結局5回行きました。毎日でも行きたかった。鳥も始まったし、5月にはなんばパークス城に花が咲く!!
推し舞台になかなか行けずささくれだった心を確実に癒やしてくれました。ありがとうゲキシネ花。

 

3/17 劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』(フェスティバルホール

見た人の感想の熱があまりにすごくて気になってしまって。あと回るって聞いて。予定をねじこみました。

開演前(終演後もか)の曲がいつも一緒なので、あの曲を聞きながら待っていると身体が勝手に回る準備を始めてしまう。スクリーンに映されるあらすじにもそわそわする。あぁ~回ってる錯覚起こす~!!って苦笑してたんですけど、実際フェスティバルホール回りましたね。特に二幕。いやそんな長距離走らんでもええよ!スクリーン映像じわじわ移動させんな!!回ってる~!!!

というステアラの亡霊の話は置いといて。サクサク進む話は痛快で、個性的なキャラは知っている劇団員さんやキャストばかり。歴史に詳しくなくてもなんとなくの流れはわかるし、キャラ名を少し変えてあるおかげで史実との齟齬はそこまで気にならない…というか、気にしてる場合じゃない!おもしろい!
「力押しなとこはそりゃあるけどそれも新感線脚本の良いとこだもんな」って思いながら見てたらその辺ちゃんと伏線だったし、っていうか最初から最後まで伏線だった。はーー面白いホンだな~~~やっぱホンは大事だな~~!

生田斗真氏の圧倒的「光」属性にやられたし、クソガキ牛若ちゃんゆっくんとのシンメはエモかった。櫻子ちゃんの心に染み渡る歌に、板の上を端から端まで走り回る優馬くんの若さとキラキラしたオーラ…というかこの兄弟アホほど顔がいい……。
りょうさん演じる黄泉津が秀衡から「お前は最後まで、」って言われるの、あまりに刺さる。極楽太夫が蘭兵衛に言うやつ…それこないだ見た…。

めちゃくちゃ奇をてらった話ではなく(幽悲伝を思い出して「なんだこの光の幽悲伝…大正解の幽悲伝…」という感想を抱いたりした。)、ド王道のエンタメでこんなにおもしろくて、しかもこれが新作なんだと思うと本当にすごい。

大阪で新感線を見たのが蒼の乱ぶりで、その頃は新感線の成り立ちもよく知らなかったんですけど、関西小劇場でPatch見てても壱劇屋さんを見てても、関西出身の劇団として常に新感線がずーっと先を走っているなぁって思うことが多いので、今月大阪でこの三つを見られるのなんだか嬉しい。大阪で新感線に出るさとしさんを見れたのもエモかった。若干無理矢理でも行ってよかったです。

 

3/21 劇団壱劇屋『猩獣』(新作)(HEP HALL

行けないと思ってて前情報シャットダウンしてた(知れば知るほど悔しいから…)ので、再演と新作どっちに誰が出るかもわからず行きました。台本も買えてないのでキャラ名もわからない。それでもおもしろい楽しいのがこのワードレスシリーズのいいところ。

竹村さんの作る話のド王道の中に、狂ってもがいて散っていく壱劇屋ガールズたちの役どころが新鮮でめっっちゃよかった…。こばーんさんのビジュアルが最強すぎた(けど、彼の顛末には若干疑問が残る。幸せになれてよかったけども、彼のやったことを思うとどっかで死ぬと思ってた)のと、殺陣がうまくて苦悩が似合う(すいません)西分さんのショートカット従者あまりに完璧なのとか、安達さんの””美””の異常なまでの説得力とか、藤島さんの溢れるママみからの狂いっぷりに感じる恐怖とかで劇団員の良さを存分に発揮している。そんな中で、柏木さんのギャップがとんでもなくて!MVP!ビジュアルも戦い方も良すぎ……

次作は久々に台詞解禁ということで。楽しみ。

 

3/23 劇団壱劇屋『猩獣』(再演)(HEP HALL

新作見れたし再演も!って当日券で行ったら、びっくり人間博覧会だった。

赤星さんほんとに重力の元で生きてる?衣装のヒラみがワイヤーでもついてんのかってくらいキレイだったけどどこまで計算されているのか。一瞬でも見失ったらすでに違うところに居て、やっぱりあの人縮地が使えるんだ…って感動した。このとんでもない身体能力、主にHEP HALLでしか見れないの贅沢すぎるでしょ。

高安智ちゃんは関節どうなってんの??っていうか関節ほんとにくっついてる?終演後にお写真撮らせて頂いたけどメイクのこだわりがすごかったし衣装の工夫もすごい。そして周りの布たちがやばい。軍議(?)中に遊んでてかわいかった。

よっしーさんの梯子殺陣すげぇし山本さんはちゃめちゃに強そうで、よくこれに勝てたな…って思ったけど猩獣の強さは規格外で。オーラがすごい。

行きたくない親戚行事がこの日で14時には終わったので、親戚行事からの猩獣からのゲキシネ花でした。マチネジュルネソワレ(親戚行事を演目にすな)

 

3/24・3/31マチネ 愛のレキシアター「びぎにんぐ・おぶ・らぶ」(赤坂ACTシアター/オリックス劇場

1年3ヶ月ぶりの推し舞台!!!!に2回しか行けないとは思いもしなかったけど身体は一つしかないからね!!これ個別記事書きたいなーめちゃめちゃ楽しかった。予想以上に豪華な磯ミュ(※浮世戯言歌劇『磯部磯兵衛物語』)だと思ったらこっちの愛称が稲ミュでわろた。

東京楽は推しさんの声がえらいこっちゃになってたけどそれのカバーぢからに感服し、大阪はKMTRあたりから号泣してしまって、泣いたまんまカテコ終わってすぐ次の現場に走る不審者になってた。その前後でお会いできたフォロワーさんたちありがとうございました。推しさんおめでとうございました。

 

3/29・3/30マチソワ・3/31 Patch ×TRUMP series 10th ANNIVERSARY『SPECTER』(森ノ宮ピロティホール

大阪全通。といっても4公演。まだ東京公演あるので感想は追々。
ネタバレだらけですが一応ふせったーに色々投げてます。

fusetter.com

 

ボクカツ大楽で再演が発表されて席で泣き崩れ、日程が出たら推し舞台とドン被りで情緒不安定になり、配役発表でガッツポーズし、レキシアターが円盤化なさそうと聞いてまた不安になり(こっちは出る)。3月ずっと情緒がめちゃくちゃだった最大の原因。

結果的に、後悔しない選択ができて幸せだったなと思います。大好きなSPECTERの再演じゃなかったら、推しくんの配役が違ったら、推しさん舞台が重く拗らせるタイプのものだったら、また違ったと思うけど。今回は、これでよかった。

 

花髑髏の時にも一度天秤にかけてPatchを選んでいて(あれは公演期間長かったのでそんな辛くなかったけど)、もー正直こんな被り方してほしくないので推しと推しの共演を心待ちにしています。白井さん2年後くらいによろしくお願いします。

 

 

1-3月でチケットが24枚?かな…。すでに去年の上半期と同じくらい。うち5枚がゲキシネだけども。

4月に入ってすでに2公演(四季とキャラメル)とゲキシネ鳥を見ていて、あと今月はブルオレとSPECTER東京と、まさかの宙組オーシャンズで平成の観劇は締めくくられます。バラエティ豊かだし、最近大きな劇団が多い。

今年度もじゃんじゃんエンタメを浴びて生きたいです。

 

ゲキ×シネ『髑髏城の七人season花』を見たよ。

www.geki-cine.jp

ゲキシネやるよ!!というニュースが昨日だった気がする…おかしい…ニュースから一年くらいしないと初日って来ないのでは…??

そんな困惑した気持ちで初日行ってきました。もしかしたら昼回があるかもしれない、と悩んだ末に有給をとった先週の自分を褒めたい。
最速が京都だったのでだいぶ悩んだんですが、シンプルに家から遠いので梅田で。梅田も遠いけど。
自分が分身or瞬間移動できたなら、映画刀剣乱舞→花ゲキシネという推しさんの信長蘭丸コンボがキメられたのかと思うとちょっと悔しい。地域によってはできると思うので、誰かやってほしい。

 

ゲキシネは本編カットもCG追加(スローモーションとか)も場合によってはシーン順入れ換えもあったりするし、どの作品のやつも結構別物と聞いていて。違うのに気付けるかな~カットってやっぱ贋鉄斎あたりなのかな~と前日にWOWOW復習して挑んだら、ほんとに結構ちがーう!って感じでおもしろかったです。

というわけで今回の前提。今までの感想はこのブログの髑髏城カテゴリを参照ください。

・基本的には推しさん演じる蘭兵衛贔屓。
・見た花は4回・ライビュソワレ・WOWOW放送の録画。
・他髑髏はDVD・ライビュ・ゲキシネが混ざってるけどとりあえず初演以外見た。
・実際の舞台も見た上でのゲキシネ体験は蒼の乱のみ。
・ここ二ヶ月ほど、天魔王の株がダダ上がり中。(原因:スリル・ミー)

そんな感じでよろしくです。

 

ゲキ×シネ『髑髏城の七人season花』


ゲキシネの監督、兄者推しだな??ってあちこちで感じた。

当たり前のことだろうけど、音響がとてもいい。台詞がはっきり聞こえる、何ならアンサンブルさんたちのも聞こえる。BGMもよく聞こえるので、「こんな曲流れてたっけ?」って帰って録画を確認したら小さく流れてたわ!というシーンが何箇所も。

顔のアップがここぞ!というシーンで抜かれていて、わかってるな~という満足感がすごくある。その分移動シーンやスクリーンの開閉や映像演出が悉くカットされていたので、テンポがいい代わりにほとんど余韻がなかったのは惜しい。ステアラの構造ネタバレ防止か?ってくらいスクリーンそのものが映らなかったし、正直客席回転感はゼロだと思う。そこがほんとにもったいないけど、ゲキシネは「映画」としての編集だから舞台機構ばかり映すのは違うんだろうか…。

今回、上からの映像がなかったなぁって思ったけど回転するんだから天井付近にカメラつけられないわな。表情抜きは良かったけど、どうやって撮ったんだって思うようなカメラワークは特になかった…気がする。客席が丸い分お客さんの頭が映りやすいので、下をぶった切ったりアップを増やしたりするのも大変だろうし、カメラも編集もお疲れ様です…!


以下、自分用の細々したメモ。もう一度見に行けたら追記するかも。
他のもそうだけど、わたしの感想はあとから自分で読み直して「そうだった!」って思い出すためのメモのなので、自分にしかわからん表現とかあるけどすいません。
無駄に長いけど、明らかに蘭兵衛と天魔王の話が多いよ。

 

一幕

開幕いきなりの月アップ!扇を持つ手のアップ!引きずる足のアップ!スローモーション!やたら低音の響く音響!!!と、初っ端からゲキシネの洗礼を浴びまくる。ありがたすぎる。天魔の御霊、めっちゃ強そうでちょっと笑ってしまった。

寝返ったあとゴロゴロ寛いでる三五ちゃんにびっくりしたんだけど、放送では映ってないしそういえば現地でも特に気にしてなかった~ゲキシネありがとう~!と早くも二度目の感謝。三五VS兵庫、迫力あってよかった。捨に対して「誰??」って言ってるのかわいい。

メインキャストをずっと追いかけてるカメラのおかげで、殺陣の途中で人がフレームアウトしないからストレスフリーで見れる。ありがとう。何回でも感謝してしまう。
ばっさりカットというわけではないのだけど、荒武者隊のワチャワチャがすっきりしている気がする。間を詰めたりしてんのかな?気のせいかもしれん。

大画面で音響の良い「髑髏城の七人」のタイトルバックで早くも泣く。そのあとのオープニング映像に出る推しさんの名前に、「あぁそうだった…新感線に推しが出るってこういうことだった…すごい…ありがとう…」と拝んでいた、のでしばらくマジで気付かなかったんですけど、

移動時のわちゃわちゃしたシーン、ないんかーい!!

しゃあないか!!このあとも移動シーンほぼ全カットだもんな!でもあのシーン好きなのでちょっとショック。今後の編集が同じスタンスかはわからないけど、ダンスになってる月はさすがにカットされないのかな…でも渡京さんの一輪車とかぶった切られるのでは…?と勝手に心配するなど。

無界屋、客のざわざわSEやアンサンブルさんたちの会話がよく聞こえるので、繁盛してる賑やかな里っぽさが出てて好き。
太夫が帯を落とす手のスロモに笑った。隅田川を流れるせせらぎSEが大きくなってたり、「ボケカス~!」のあとの「言い返せねぇ~…」のシンクロ嘆きが良かったりして、音響バランスの良さに気付き始める。

そして「たいした街だよ、実際」にスクリーン閉じがなくて、移動シーンどうこうというよりそもそもスクリーンそのものが映らないと気付く。まじかよ。
そうやってちまちまカットしていくのかーなるほどな…と納得したところでの「一たす一は五!」のカットにわろた。なんかあかんかったんかそこ。


蘭兵衛初登場殺陣、やたらと重いSEとスローモーションによるトドメで、めちゃめちゃ仰々しいものになってて声あげて笑いそうになった。エフェクトのかけかたがゲームの必殺技のそれ。
「だからお前は…!」「小言はあとだ急がねぇと!」あたりが移動シーンと被るから削られてしまっているのは切ないなー!

移動が最低限なのでいきなり天魔王がドーンと出てくる。鎧が金属音でめっちゃガチャガチャいってて良い…。
この辺から兄者の意味深な顔アップが増え始める。「森、蘭丸!」あたりがめちゃめちゃアップで、そのあと数秒呆然とする兄者のアップが入るのとか。ここすごい好きな顔だったんだけど、捨之介が助けに入ったのがちょっとわかりづらいかな。

このあとの移動シーンはさすがにあった。おなごの熟成について~もそのまま。なぜここに、って二郎衛門を睨む兄者いい顔してる~!
荒野シーンはあんま印象変わらないかな?カメラワークは結構違うし、音量調整のおかげで太夫たちの銃声にすごく迫力があったし、水神坊との姫跳の会話がよく聞こえて可愛い。
「もう少し厄介になるぞ、無界屋蘭兵衛どの」でまた兄者の意味深なアップ。ここの顔もとても好き。
ポッポちゃんの尺短くされるかと思ってたらそんなことなかった。むしろ「何だ?」って顔してる沙霧の顔すら抜かれてた。愛されしポッポちゃん。
くんろ!とかペ!!に下向いて笑っちゃってる捨之介と沙霧映ってるのがめっちゃ微笑ましかった。

渡された蘭の花を三回くらいアップにするのはわざとらしすぎでは!?と思った。こだわりが強い…!
走馬灯演出カットの心配してたらちゃんとあったけど、スロモだったので思ったより流れていかなかった。きれいに背中が映されていたので、一周回ってCG合成みたいになってたり。でも、ここでふと何かに気付いたっぽい動きの太夫を抜いたのめちゃめちゃGJ!!!!そうだよゲキシネちゃんそれだよ!!ありがとう!!

という余韻もないままいきなり贋鉄斎。しかもほぼフル尺、いやまぁ、他の髑髏もだけどここ一応今後の武器の伏線だもんな…?
捨之介が現れるところや呆れる顔が抜かれてて面白さが増してた。映画館でも笑ってる人多かった。カット割がコメディ。

そしてすぐ彼岸花に移動。テンションの落差がやばい。スクリーン映像ではなく彼岸花そのもののアップ、すごく美しかった…そのまま壁紙にしたい。
黄泉笛の殺陣めっちゃ良い。カット割はWOWOWとそこまで変わらん気がするけど、フレームアウトはしないし剣戟SEがかっこいい。美しい。最後の笛くるくる、そんな回してたっけ!?って録画見たらそこまででもなかったのであれもSE効果か。
殺陣にスロモ演出なかったけど去ってくとこには入れるんかい!兄者の背中にかかる重圧がマシマシになってる。


二幕

いや、もうちょい天魔王も映してくれんか!?
というくらい兄者固定カメラになっていた冒頭~口説き。まとわりついてくる天魔王を軽く振りほどく兄者…じゃなくて、普通にドスッて痛そうなSEついててだいぶ笑った。あれわざと大げさにこけるんじゃなくてマジ倒れだわ。二年経って進行する兄者のゴリラ化。

いやほんと…色んなところで天魔王の顔が切れている…もはやわざとだろってくらい。ゲキシネが初見の人の意識を兄者だけに向けて、天魔王の恐ろしさをわざと隠すっていう意図があるのでは?とか考えたり。ただ天魔王のポニテはここだけだし、全身のバランスが可愛くて好きなのでそれ見えないのは惜しすぎる。あとカットごとに違う場所にいるみたいになってる。ちょこまか動きまくるのも…可愛いのに…!!
でも時々画面外からすっと手だけが伸びてくるのは妖怪みがあって良かった。

当時も散々「よく見えねぇ!」「っていうか一瞬過ぎる!」って言ってた口移し、殿の仮面で完全に隠れる。そうそうわたし初日にそれ見た、下からアングルで見るとそうなるよね~ってなんでやねん。すみれコードにでもひっかかるのか???
いやそこまでして見たいかというと…まぁ見たいよな…。WOWOW放送でも角度的に隠れてたので、現地でしか見れなかった幻の口移しになってるの笑う。

着物に溢れた夢見酒がやたらと赤くてびっくりした…記憶では生地に染み込んでピンクになってたので…。映像加工なのか放送と違う回なのかは謎。でもコントラストはっきりしてて良い。

夢見酒後も後ろの項垂れた兄者もしっかりフレームインしてるので、逆に沙霧をいたぶる天魔王のとこがちょっと引きになって見易くなるという。他のとこもこのくらい引きでええんやで…ゲキシネちゃん…。

沙霧の「バーカバーカこっちだよ~」の煽り、まるっと全カット。スクリーン演出ですもんね!?いやでもなんか入れてほしかった…自由自在に城を駆け回る沙霧のすごさが…わからない…!なのでVS水神坊戦も捨之介との対峙も早い。和解も早い。髑髏城内、さくさく進む。
三五に沙霧を託すところ、何回か三五のマジな表情が抜かれてて良いなー!「明日が見えるか?」のところとか。

捨VS蘭、アップが多いので迫力があってかっこよかったんだけど、上から兄者だけを目で追う天魔王は見えない…ので、いきなり階段に来ててビビる。
ここはカメラワーク含めて結構放送通りだった印象。最後のスクリーン閉じもあった(多分)。よく考えたらスクリーン閉じ多いんだな?そりゃカットされるか…ステアラならではの演出だしなぁ。


無界屋襲撃もだいぶ見易い。人数多いからごちゃっとはしてるけど、キャラを見失わない。
放送時はピンボケで端に写り込んでた感じだった兄者のポニテ直し、しっかりピントがあってフレームインしてたわろた。
髪をぶんって振るOLみたいな天魔王とか、おにぎりのとこはなかったけど手(の血)ペロペロは二回もあった。舌が長い。侍だ!にハンって笑う天魔王のアップめちゃくちゃ良くないです!?

兄者の撮れ高もやばいし襲撃最高やん!!っていう気持ちの隙間に、太夫の悲痛な表情がちょこちょこ挟まれるので「あぁ…!」って引き戻される。兄さや荒武者隊もだけど、全体的にカメラワークやアップのバランスがよかった。気がする。

家康の後ろからバババって忍者出てくるカメラワークよかった。あと子分に駆け寄る兵庫、それを見ている家康の表情が結構しっかり抜かれていて。ここは太夫と兵庫に目が行くけど、家康そんな顔して二人を見てたんだな…って気付けた。ゲキシネちゃんありがとう。


刀が赤錆だらけ!で振り向いたら贋鉄斎が真後ろにいたの漫画みたいだった。カットの切り替えがうますぎる。
他のシーンって放送版のカメラワーク違いなのか別回の映像混ぜてるのかわからないところがほとんどなんだけど、ここだけあまりにわかりやすい。草間彌生ではなく内海桂子バージョンだった。ドットの女王はあかんかったんか。
兄さの鎌を持つ手のアップ、良い…。

移動がないのでいきなり着いた。髑髏城、近い。上下移動も左右移動もじゃんじゃん端折られるってことは、重い鎧をつけてグルグル走り回ってる馬鹿ばっかな敵機兵さんたちがほとんどカットになっちゃってるな…もったいねぇ…。
あの雑魚か、って言われた三五ちゃんのグヌヌ顔かわいい。

輪胴轟雷筒のスローモーション、ちょーっとくどいぞー!重厚感は出るけども!
三五ちゃんと沙霧が城内を逃げるとこは、移動パートのわりに殺陣があるからか残っていた。

檻に仮面をカンカンぶつけるの映さんのかい!何の音かわからんのでは…でも倒れてる捨之介めちゃめちゃセクシー…。
仮面の布を吸うとこも顔見えてない(カメラが仮面にフォーカスされてたのでのけ反って切れた)し、惜しい。
仮面を叩き割る一撃がスローモーション!!ゲームだったらこのあとムービー始まるやつだ。いっぱい沙霧の表情が映るの最高だな…。

天VS蘭戦。だから!迫力はあるけど!もうちょい引きでください!(贅沢な話だ…)足を引きずるのをやめてから、わざとぴょんぴょん跳ねながら追い詰めていくのが好きなんだ…。

所詮外道だ、を捨之介に言ってるのがわかるカメラワーク最高~~!!!それだよゲキシネちゃん!!めちゃめちゃ良かった…「来い太夫」のアップもありがとう…からの、トドメスローモーションは笑うから!もうゲキシネちゃんそういうとこだよ!!!
倒れる蘭兵衛の、表情はまったくわからんけど顔(というか肌)が見えたのは嬉しい。今まで角度的に何も見えんかったので。

斬鎧剣を渡し損ねた沙霧の顔アップがあり、おっいいねと思った途端に始まる百人斬り。ここの城内移動は殺陣も台詞もばっちりあるから入れてほしかったな…!
百人斬り自体は贋鉄斎のアングルがやたらと良かった。ラストの二本同時研ぎのカメラワークかっこよくてわろた。

捨VS天戦、全体的に見てない映像だった気がする…?仕込み刃いい感じにバラッと外れててかっこよかったし、刺された瞬間の声がいい~!「天魔王として死ぬがいい」で顔に髪の毛かかってもうしっちゃかめっちゃかな天魔王が人外感ましましで最高。当時も言ってたけどこのへんのボッロボロの天魔王がひたすらに好き……。

城内から荒野への移動で、やっとセットが地続きなのがわかる感じ。
脱出の殺陣、めっちゃごちゃごちゃしてるから誰がどこにいるかも見失ってたので、カメラでそれぞれを抜いてくれてすごく嬉しかった。
荒野、結構早いうちからスローモーションかかってて何で?って思ったら、そもそも赤い照明のセルフスロモと最後の雷ゴロゴロがまるっとなかった!!ぐぬ…。

崩れ行く髑髏城の映像が結構長めにしっかり使われていたな~。最後ら辺、だんだん編集がステアラ要素に負けてきてる気がする。
沙霧が仮面を差し出すのとかアップなの良いな。時々後ろの捨之介の表情が見えるのも良い。このあたり、スクリーンが最大限に開くから目が足りなかったし放送版だと引きが遠すぎだったので、ゲキシネのカメラワーク全部好き。

 

みんなの退場は色んなとこで太夫の顔アップに泣かされた~!この金を使いきるまで死ぬな!のあとで兵庫が離れてからグッと耐えてる横顔とか、荒武者隊やるぞー!って騒いでるのを見てる笑顔とか(ここは沙霧と捨もめっちゃ良かった)

絵巻カテコ、もしかして全部カットされるんじゃ…と一抹の不安を抱えていたらほんとに暗転からの黒背景エンドロールが始まっちゃって、「あぁぁあ…!?!?!」からの仕切り直し!は普通に嬉しかった。心の中で振り上げた拳をすっとおさめた。読ませる気のないフォントサイズだったから、キャストだけは読ませるようにしたのかな…・
でも画面は横に流れるのにクレジットが縦て!しかもど真ん中って!!当時からずっと言われてたゲームやアニメのエンディングぽいあの演出にクレジットが流れるのはテンション上がったけど、酔うかと思った。びっくりした。
一人ずつちょっとアップになるの、ぐっと手を繋いでいる近藤さんとよし子さんも抜かれてギャーってなった。メインキャストだしな。

 

 


この二ヶ月やたら放送版の録画を見直していて、しかも今までより天魔王を中心に見ていたので、「ここの天魔王が映ってない…!」って感想が多くなって自分でもびっくりしている。兄者フィーバー起こしてた頃に見てたらほぼ文句なしの大満足だったと思う。タイミング…。
現地に何度も行って、ライビュも見て、思ったより早くWOWOWがあってそれを繰り返し見てからのゲキシネだったので、WOWOWより先にゲキシネでもまた違う感想が出てきたと思う。

文句っぽくなってるところも多いけど、帰ってから録画見直してたら記憶以上に引きの絵ばかりで、いやそこはアップくれよ!違うわそういう編集はさっき見たわ!ゲキシネ見たい!って思ってしまったので人間というものはわがままだ…。全景映像が特典でついてる系の舞台DVDって買ったことないんですけど、こういう感じなのかな。

 

今回の花鳥風月極ゲキシネ、それぞれ監督が違うということで今後の編集の方向性がどうなるかわからないけど、比較的行きやすい大阪で、たった2000円で見られるし、おうちに帰ったら録画が…ある…本当に…贅沢…ありがとうございます…。

とりあえず見るの怖いのは修羅天魔なんですけど(同じくスリルミー的な意味で)、次に怖いのはBOXのお値段です。貯金する時間があまりに足りない。でもゲキシネパンフなかったし、BOXにごついブックレットとか付きません?
あとゲキシネ初日と偽義経初日と新作解禁が同日って、情報過多にもほどがある。新感線さん…さすがやで…。


まだディスク化があるとはいえ、推しが新感線に出る!という現象を体感し切った気がする。おつかれ自分。推しさんが次に新感線出ることがあるかというとなさそうな気もするんだけど(一ファンの戯言です)、歌系新感線で見たいなぁ。

 

今月は色んな所で推したちが見れる最高の月なんですけど、その幕開けがゲキシネでめっちゃ楽しかった。終わるまでにせめてもう一回行きたい…!


f:id:yhforestmk:20190309222520j:image

ドクロスタンプ久々に使った。

2019年1月と2月の感想色々。

ブログ的にはあけましておめでとうございます。2月も半分過ぎたけど。


前回のまとめ記事で「観劇モチベ下がりがち」みたいなことを言った舌の根も乾かぬうちに、1月-2月頭に舞台4本と映画3本(うち1本はライダー平ジェネなので2018年公開だけど)と私にしてはドバドバとエンタメを浴びてしまい、しかもどれもめっちゃ良かったので今のうちに感想を。

さくっと書きたい。(希望)

映画のネタバレをガンガンにしているので未見のものがある人は注意。
上から、TABOO・る戦・刀剣映画・スリルミー・どうぶつ会議・メリポピR です。


1/12 劇団壱劇屋10周年記念公演「TABOO」(森ノ宮ピロティホール

あまり詳しくないけど関西の劇団はみなピロティを目指すのだろうか(例:Patch)

ピロティはもちろん広いのだけど、開演前のキャスト練り歩き(写真OK)やいつもの幟等、始まる前の空気がいつもの壱劇屋さんだった。それがきっちり最後まで続いていた。でも、舞台上から感じる圧は広さによって数倍に膨れ上がっていた。
最近一気に劇団員さんが増えたので、勝手にみんな出てるんだと思ったらそんなことなかった。14人しかいなかったの嘘でしょ…!?

山本さん、多分初めてきちんと拝見したのだけど、ものすごく主人公感あるなー。セリフもアホほど多いしめっちゃ動くしすごかった。
個人的推しメン高安さん、衣装めちゃくちゃかわいいけどサークラ女子感ある!!って思っていたら当たらずといえども遠からず。ピアノも超可愛かった…!!

予習しなかったし一度で噛み砕ける戯曲ではないので細かい感想がうまく言えないのだけど、演劇のエネルギーをびしばし感じてとても良い観劇初めだったなーと思います。
改めて、劇団壱劇屋さん10周年おめでとうございます!!

 


1/19 歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭(梅田芸術劇場

去年↓

yhforestmk.hateblo.jpだいぶキレ散らかしたので今年どうしようか結構迷ったんですが、劇団Patchの近藤頌利くんの出演がめでたかったのと、去年すごくよかった佐奈くん・内藤くんW座長に惹かれて。

武田晴信山本勘助やその周りの人物イメージはやはり大河「風林火山」が私の中では強くて、信虎追放のカタルシスはやっぱりそこそこの尺がいるなぁ、とか四天王が若いの違和感あるけどおもろいな…とか、ところどころ大河を思い出しながら見てた。
でも途中から気にならなくなったので、身構えずにすんなり見れました。

去年に続き兼続の扱い(時代が一人ズレてること)がずっと疑問だったのだけど、大阪公演は冒頭茶番の解説?がカットされたと聞いて。全編人形劇だから史実と違うとこもある的な…なるほどな?勘助に対する軍師に宇佐美や雪斎をしっかり持ってくるあたりはさすが。宇佐美超かっこよかった。

二年連続で戦国だし、真田からの武田って時代も場所も近すぎる!と思っていたけど、る戦の信繁の名前がる年の幸村に引き継がれると思うとめっちゃアツいし切ない。お兄ちゃん大好きという意味で…。腕の中で死ぬのが佐奈くんから内藤くんに変わって「実質リバースやん!!」とか思ってしまったし(繭期)、今回切ない片思いだった内藤かっちは来世(?)で夫婦になれる!と、ちょっとる年と和解したくなりました。DVDで見直したい。

たっきー&兼ちゃんVSみねくんめっちゃアツかった。キメ様の初出演のはずなのにいつメン感も良かった。龍くんの抜群の安定感といい、四天王すごくよかった。
大阪は高坂弾正が大藪くんになってしまったけど、代役あまりに違和感なくてびっくりした。すごい。というか高坂出してて男色ネタ特にないのもすごい。頭いいとこピックアップされてて良い。

原田さん(マリウス)がいなくなったと思ったら泉見さん(マリウス)が出て内藤くん(マリウス)と大都会熱唱するのどうなってんだるひま。どういうパイプなの。Wマリウス大都会、あまりに贅沢なカラオケ大会で「これだけ別でお金払わせて……」って思った。

外部のこんちゃんをあまり見れていないので、がっちりした太腿見せながら全力でるひまに立ち向かってるとこ見れてよかったです。ニンニン。

レビュー楽しかったし、やっぱりるひま好きだな…って思えたので、蘇我物部とか応仁の乱とか見たい。

 


1/19 スリル・ミー ソワレ(柿松)20マチネ(成福)(サンケイホールブリーゼ

何を…書けば…?お話します…できる限り…(?)
2014年に「スリミを見ると人生が豊かになるよ」という宗教勧誘じみた勧めを信頼の置ける友人から受け、一度見て以降はふわふわと「○○君にスリルミーの私やってほしいな、じゃあ彼は…」と想像するだけの日々。

それが4年のうちにそれが積もり積もって、ミュージカル俳優さんにも詳しくなり、一人叶っちゃったんですよね…成河私…しかも最速で…(見たいと言い出したのが2017年春/スリミ公演発表が2017年冬)

100分間、二人(とピアノ一台)だけの舞台。セットも照明も最小限。演者の手先、目線、口元、何もかもから目を離せない。元々小劇場始まりらしいし今回の東京公演もキャパ小さめだった(おかげでチケ戦争だったらしいけど)ので、大阪もブリゼミーでなくもうちょい小さいところでやれないもんかな…。いい大きさのハコがないのも、公演数増やせないからあれが最善なのもわかるのですが。ブリーゼ2階はかなり遠く感じるので、ずっとオペラグラス覗くことになってしまう。「私」もびっくり。

そういったミュージカルとしての素晴らしさ、キャストによる演出違いや熱演について語りたい舞台好きの自分と、20年来のf…女子(察して)である自分が戦い続けてるのですが、今の所まだ後者優勢なのでまともな感想が書けない。
とりあえずいれまりCDを買ったので作業中にリピっています。捗る。

細々と末永く再演していってほしい作品です。言えば叶うの法則であちこちで言ってるんですけど、内藤大希さんの「私」が見たい。

 


1/20 映画「刀剣乱舞

戦国武将が好きで、山本耕史さんを推していて、髑髏城ファンで、普段2.5舞台も見ていて、特撮オタクなので靖子さんの脚本も好きで。なんて私向けの映画なんだ…!って勝手に感動していたのですが、当の刀剣乱舞は未プレイ。
他メディアミックスはステ初演ライビュと外伝配信とミュをいくつかDVDで。なので、刀剣男士たちに対する解釈違いとか違和感やこだわりは全くなし。

むしろ信長・秀吉の解釈違いにビクビクしてたので、何回か心の中で「そっちかー!!」と頭抱えたりしました。ご武運を自分で開いちゃう秀吉とか。歴史好きの友人と「ああやって人質をとる信長は正直ちょっと見たくなかった」「わかる、三日月がかっこ悪いって言ってくれたのでよかった」とか話したりした。人間味のある信長が嫌なわけではないんだよなー身内に甘すぎ故に脇が甘いとこ良かったし…特段推し武将というわけでなくとも、三英傑に対して「こうあってほしい」と思ってるんだなと気付けました。

それはそれとして!西洋甲冑にマントで異形の軍団引き連れた悪役な推しさん信長公、超~~~かっこよかったです!!あんなに出てくると思ったなかったのでびっくりした!本能寺から始まったので、これで死んであとはなんかふんわりと織田の刀たちが回想してくれるくらいかと思っていた。クレジットがトメだったのに感動してそこで泣いた。
髑髏城の七人season花で当初見れると思い込んでいた「推しが演じる天魔王」の片鱗を見られた気がしたのも超楽しかったです。キャスト的にも蘭丸がいっぱいコレクションだったし。
推しさんの信長公もずっっと見てみたかったし、あれだけ歴史人物を演じているのにきっちり切腹できたことがほとんどないので、貴重な切腹ありがとうございました。更に年を重ねてまた信長公を演じることがあったら、ベタだけど敦盛が見たいなぁ。

日本号が「殿下のお命を狙った明智の残党が~」って思いっきり秀吉に言っちゃってるのコラ!って思った。まだまだ殿下ではない。ドタバタしたシーンだったのでスルーされてたっぽく見えたけど、あの秀吉のことだから引っかかってそうだな…。
あとこの日の朝に仮面ライダー平成ジェネフォーエバーを見たので、要所要所で「今日二本目の冬映画かな??」って思った。東宝制作だけど。終盤にかけての結界破られるやつとか、ラスボスフルボッコはライダーキックや必殺技連発を彷彿とさせてめちゃくちゃテンションが上った。

ところでシークレット…というか映画オリジナル男士ですが、演じている神葉くん(と蘭丸役の西井くん)がTRUMPシリーズ出演者なので見た人が「刀剣映画で繭期こじらせた」「TRUMP好きは行った方がいい」と、なんとかネタバレせず彼のファンを映画館に導こうとしていて笑ってしまった。わたしもてっきりそういう雰囲気のセリフやシーンがあるのかと思っていたので、見終わった時に「そういう意味かよ!」って唸った。
カテコの友情出演のみんなはファンサービスとしていいなーって思いました。

あらゆるジャンルのオタクな自分が脳内で大騒ぎしながら見てたので、初回は脚本をあまり飲み込めずに帰っちゃったんですが、先日二回目を見たら純粋にめちゃくちゃおもしろかったです。もっかいくらい見たい。

 

余談オブ余談。
そういう意図はなかったのだけどスリルミー(成福ペア)からの刀剣映画というハシゴをしたせいでものの見事に花髑髏を再燃させ、WOWOW録画見直したりしてたらこの度ゲキシネ&円盤が決まりました。やったね!!!!

 

 

1/26 どうぶつ会議(新国立劇場 小劇場THE PIT)

よしくんの外部舞台!諸事情で行けないかとヒヤヒヤしてたのですが行けてよかった。持ってるチケットの時間勘違いしてたのもヒヤッとした(ちゃんと確認しようね)

音楽劇なので多少マイルドにはなっていたけど、内容が完全に苦手なやつだなとわかっていたので一回目は色んなシーンが怖かった。50年ぶりの上演というだけあって時代背景や単語のチョイスがちょっと古めかしくて、どれもすごく重たい。レーシングカーに勝負しかける野良猫決死隊(死ななかったけど)とか、絵面は可愛いのに真顔になってしまった…。動物たちが人間様に虐げられてたけど、それほんとに動物なのかなとか。勝手に深読みして勝手に怖がる駄目なやつ。

でも衣装のコミカルさ(全身ニット衣装、暑そうだったけどめっちゃ可愛かった!)や歌とダンスや、それらを純粋に受け止めて楽しむ子どもたちの声に救われるなーと思った。2回目は頭空っぽにして見たので音楽の良さや動物たちの可愛さに気付けました。2回見てよかった。

バンドとキャストの境目が曖昧で、いつの間にかみんな動物の格好で混ざってたのとても好きだった。子どもをさらうネコの歌がバックバンドと照明の演出で他と雰囲気が違ってとても好き。

大空ゆうひさんのアロイス兄さんと上山竜治さんのオスカールがシンプルに良い。好き。なんでここ二匹だけ名前あるんだろう…アロイス兄さんは弟との区別かもしれんけど…。オスカール、鼻の使い方がうまい。手紙渡したり帽子とったり客席の子どもと鼻で握手してたり、めっちゃ紳士だった。好き。

そして、トラ(とアフリカに来るペンギン)役のよしくん!最初の歌でソロパート聞いた瞬間「来てよかった!!!」って思ったし、最後の曲も歌い出しがよしくんのソロだったので見てる途中にこわばってた心がじんわり溶けていった。トラくん、ちょっとかっこつけ空回りキャラで可愛い。やっぱりネコ科なのでピエロのおじさんに対する動きがネコっぽくて可愛い。
衣装、ゆるいオーバーオールみたいで可愛いな~と思ってた青いニットがペンギンのためだったとは。ペンギンの時は手先までピンと伸ばしてペンギンを表そうとしててかわいかった。友人が「ペンペンって鳴いてなかった??」って言ってたけど真相はいかに。
ネコさんにアプローチしてたの可愛かったしそのあとのちょっとだけデュエットとてもよかった…あのへんだけディズニーアニメみたいだった…!
可愛いばっか言ってるけど、声は低めだったし歌も低音パート担当でかっこよかったです。かっこかわいかった。

朝ドラで顔が知れてるよしくんが、客席の年齢層高めのミュージカル(にんじんとかどうぶつとか)に出てるの"大正解"って感じがする。適材適所。
こういう普段避けてしまいがちなジャンルの作品を見るきっかけをくれるのが嬉しいです。


2/3 映画メリー・ポピンズ リターンズ

年に2本見ればいい方(除くニチアサ系)ってくらい普段映画見ないんですけど、吹替版の人選に惹かれて。平原あーやメリーを始め、岸さんや島田歌穂さん等の名だたるミュージカル俳優さんたちの映画が1800円で見れるの!?実質タダでは!?と。これ美女と野獣の時も同じこと言ってましたね。実写アラジンの吹替どうなるか気になりますね。

ミュージカル版(めぐメリー柿バート)を見たあとに、友人に勧められて前作映画を見てだいぶ違うな?と驚き、映画の世界観も好きだな~と思っていたのだけど、今作が初見の人の邪魔にならない程度に自然に前作の要素がめっちゃ詰まっていて胸アツだった。
同じ曲は一曲もない(一部BGMになってた)けど新しい曲がどれも素晴らしかった!ロイヤルドルトンミュージックホール行きたい。今回の点灯夫さんたちめっちゃよかったな…あれいつかミュージカル版でも見たい…。

めっちゃ物理的な「時間を戻す」に笑ってしまったけど提督の大砲が伏線になってるなんて思わなかったし、借金返済凧揚げからのディック・ヴァン・ダイクからの義足の男トドメの2ペンス!!!と最後らへん畳み掛ける前作リスペクトにダダ泣きだった。

ジャック、ほとんどバートの立ち位置なんだけどもジェーンと恋仲に(多分)なることでキャラの差別化も図れていてよかった。というかみんな気になってたであろう、バート今何してんだろって疑問が開始早々「世界中を旅してる」でサクッと答えられてたのも好き。前作の要素を取り入れるバランスがほんとに丁度いい…。

世界恐慌の時代でずっと雨が降ってたり風が強かったり空までどんよりしてたので、器の世界はとても鮮やかで輝かしかったし、ラストシーンの青空に飛ぶバルーンのなんと映えることよ…!
キャラよし、曲よし、色彩よし、ストーリーよし。最強かよメリー・ポピンズ…いや、完璧か。何もかもパーフェクト。

字幕版も見に行きたいし吹替もまた見たいしサントラ欲しい。

 

 


さくっと書けなかった!
わたしの感想ブログはその時の自分の状況(仕事がどうとか他の予定がどうとか)も書いているのでほとんど日記状態なんだけど、おかげで当時の気持ちを思い出しやすいので今後もこのスタイルは変わりません。

さて!!久々の推しさん舞台レキシアターを一ヶ月後に、念願のSPECTER再演を一ヶ月半後に控え、配役やビジュアルが出るたびに大騒ぎしてるのですが、思ったよりレミゼのチケットが取れなかったり(大阪までこんなにとは…!)突然ゲキシネ発表されたりと相変わらずてんやわんや。

 

そして何よりテンション上がるのがこれ!

natalie.mu

白井さんの作品に!!よしくん…中山義紘さんが!!出ます!!!!

推しさんもとい耕史さん作品にお馴染み過ぎるしプライベートでも仲良し白井晃さん、別名:劇場の妖精さん
去年よしくんが「5DAYS」(KAAT中スタジオ)に出た時に白井さんが観劇に来られていて、KAATの芸術監督をされているので公演作品全部とりあえず見るのかなと思いつつもちょっと期待していて。

 去年のわたしおめでとう!!!!

さすがに推しと推しの共演までは叶わなかったけど、「ロックオペラモーツァルト」で役替りW主演をしていたアッキー、「オーシャンズ11」で相手役だった莉奈ちゃん、同じくオーシャンズ出て今でも飲みに行ったりする水田くん…etc、推しさんとの共演経験のある方がめっちゃ多い!会場もKAAT大ホールだし、もうこれは共演と見て良…くはないけど、今後共演する可能性、やっぱりあるって信じてていいですよね?

久々に関西公演もあるんですよ!よしくん、外部舞台が決まる度に「関西での公演がなくて、見てほしいのに叶わない人がいっぱいいる」と話していたのでとても嬉しい。わたしも色んな人に見てほしい。最近Patchにハマって、まだ生でよしくんを見たことがない、Patchでは見てるけどミュージカルでの姿を知らないって方に知ってほしい。

めっちゃくちゃ楽しみです。9月か~。それまでにもう一本推しさんの舞台があるとかないとか、解禁まだかな!!!(切実)

 

今月の現場は多分あとゼロスだけ。めっちゃ舞台見る月と家から出ない月が極端になってきた。

今年もぼちぼちよろしくおねがいします。

 

観劇まとめ2018年下半期

観劇数、めっちゃ減りましたね!!!(そうか?)

いやー今年は仕方がない。何かとブライベートでバタバタしたし。

でも正直プライベート云々の話より、チケ数が減った一番の要因は『推しさん舞台がなかったから』…というか、『推しさん舞台、今年はないけど来年3月にやるよ!!』という宣言があったために、夏くらいから「解禁いつ?チケ代振込いつ??今度こそ地方公演ある!?」と数ヶ月間ソワソワし続け、貯金しなきゃ…とその間に発売されていく気になるチケットのほとんど(除くPatch関連)を取れなかったことですね。貯金できたかというと、まぁまぁです。

ちなみに推しさん舞台は約5年ぶりの大阪公演が決まったんですけど、まさかのSPECTER再演(大阪)とドン被り。2日間だけでいいから分身させて。

 

2018年上半期まとめはこちら。yhforestmk.hateblo.jp

この時点では「今のところ去年と観劇数変わらない」って言ってたな…。

というわけで下半期まとめです。概ねツイからのコピペを再編。一部大幅追加。

 

◆7/6 ミュージカル『モーツァルト!』(梅田芸術劇場

西日本豪雨の影響で観劇そのものを断念。(返金手続きしてもらいました)

思えば、下半期初っ端からこれでちょっと観劇モチベが下がってしまったのはあるな…。記念すべきゆんヴォルフの初大阪公演、見たかったーー!!!
家や身内に直接的な被害はなかったのですが、今年は地震・事故等で地元沿線不通による帰宅困難に複数回ブチあたり、このブログを読んでる方にはお馴染みの新幹線泊もまだ記憶に新しく。いくら被害が少なくとも、あの大雨の中劇場まで行く勇気が出なかった…。夏は特に、出かけること自体に消極的になってましたね。まさか9月にアレが待っていようとは。

 

◆7/13 ミュージカル「忍たま乱太郎」第9弾再演~忍術学園陥落!夢のまた夢!?~(シアター・ドラマシティ)

忍ミュのおたくと仲良くなったのでDVD見せてもらったりして、元々忍たまも好きだし一回生見てみよう~と参戦。アクションがJAEさんなのでヒーローショーっぽさがとても好き。ひらんしゅのインディアカみ。

原作やアニメでそんなに気にかけてなかった凄腕さんとドす部下がすごく好きになったので、やっぱ舞台はそういうとこが良いな…!ドクタケもね!あんなにみんなキャラが濃いとは。殿は顔と歌が濃かった。

名前がない歌が好き。言うてることアホなのにいい歌っぽい感じ。普通にドクササコ見てたら前列のドクタケもえらいこっちゃになっててびっくりした。

かなーーり端の席だったので、DVDで過去作見た時の照明やフォーメーションのきれいさは感じられなくてそれはちょっと残念。あと勇100の振付予習すべきだった。そんなんあるの知らなくて(DVDにないから)へぇ~勇100歌うんだ~!ってウキウキしてたらサビで周りが一斉に踊り出してマジでびびった。初忍ミュの洗礼を受けた。

個人的なエピとしてはちょうど金カムにダダハマった頃だったので、網問がレプンカムイって言った瞬間脳内でシャチが飛び上がったし曲が終わる頃には竜田揚げになってた。いつかGロで見たいなぁ。

 

◆7/14 Vシネマ炎神戦隊ゴーオンジャー10YEARS GRANDPRIX」舞台挨拶付上映会(梅田ブルク7

観劇とは違うけども今年ヒーロー関連全然行けてないのでカウント。内容も良かったし、舞台挨拶のみんなが10年前とあまりに変わらなさすぎて「今何年…!?!?」ってびっくりしてた。2008年だった。

 

◆8/18 七つの大罪 the STAGE(シアター・ドラマシティ)

納谷さん初主演おめでとう~!ということで原作ファンの友人と。現場といえば嵐コンって感じの友人なのでドラマシティの一桁列の近さに「????」って顔をしてた。

七ステって略されてたけどめっちゃ歌うし踊るし七ミュでは!?ってびっくり。(個人的に2.5はミュの方が見やすいのでありがたい)ジャー忍の時から感じてた「真ん中に立つ時の納谷さんの華」がバンバン出ててすごいよかったです。

2.5色々見てきたけど、今回は試しに(?)原作未読で挑んでみました。アニメちょっと見たことあるから完全に知らないわけじゃないけど。身長体型、アニメとの声の違い、必殺技の演出等の『原作の再現度』がわからないので、何の不満もなく「すげー!!」って見れました。もちろん、感動もきっと予習した時より薄れてるんだろうけど。時々「あー今めっちゃ話飛ばしたんだろうな」と感じたりはした(観劇慣れのせいかも)けど、そこまで予習なしで困ったことはなかった気がする。

続編ありきっぽい終わり方はしょうがないのかなーでも劇場版公開記念的な舞台だったから次作あるのか?榊原てっちゃんめっちゃ良かったからまた見たい。

 

◆8/25・28・9/7 ミュージカル『マリーゴールド』(サンシャイン劇場/TOHOシネマズなんば/シアター・ドラマシティ)3公演

まさか単独感想を書かずに終わるとは…!って感じですが、マリゴは拗らせるよりも先に作品の完成度に満足してしまった節がある。あと今回ハンター出なかったし(ヴァンパイアハンター厨)

事前にいっぱい深読みや考察があったし私も色々考えて臨んだけど、どれも深読みし過ぎでほぼ全部そのままの名前やキャラだったのが、末満さんの手のひらの上でコロコロされた感すごくてめっちゃ楽しかった。コロコロ。横から飛び出してくるソフィあまりにわざとらしく怪しくて爆笑した。

ギニョルからの続投とんちゃん、春林にわざと被らせたような仕草やセリフが最初多くて笑ってたんだけど、ステップ踏み出したり苦悩でゴロゴロ転がるあたりはすごく5DAYSを思い出した。末満さんと石丸さん、死生観とか真反対だろうけどとんちゃんの活かし方が似ている。

ソフィが後方席から見ると髪型がだいぶウェービーなのでクラウスっぽく見える時があったけどわざとなのかな。後のリリウムファルスだと思うと黒髪短髪、D2Rソフィだと思うと茶髪なのにどっちにも寄せずにあれだもんな…

アナベルの美しい顔をライビュでしみじみ見てたら、血の繋がりがあるわけないのにギニョルダリちゃんを思い出す表情がいくつかあって。壮さんのお顔や表情の作り方が男性寄りなのもあるだろうけど、子を愛する姿が似てた。魂が似てる。

音楽が和田さんなのでリリウム以外にもステーシーズやジャンヌや5DAYS、嵐が丘等を思い出すメロディがあって楽しいんですけど、S13「汚名返上」の入りが磯ミュの賽の河原スリラーを思い出して笑っちゃうの悔しい。

ベンジャミンがイニシアチブ取られて「ここにいる人間を全員殺せ」って言われて真っ先に殺すのがシャガなので、もしかして人間?まさか潜入したヴァンパイアハンター??とか勝手に妄想してたらその更に上を行く裏設定がリリイベで発表されたそうで。なんでやねん!

ダンピールの短命についても色々持論を掲げていたのですがマリゴでいくつか潰れたので、本当にすえみつさんはオタクの妄想の上を行く。

初日に戯曲買うために数時間並んだのが懐かしい…一週間遅れのコミケのようだった…。シリーズ初のライビュもあったし、東京大阪間にぱちこいと台風を挟んだので色々と感想がすっ飛んでしまったけどいい感じに楽しみましたマリゴ。DVD買いそびれてるから買わないと。

 

◆9/3 劇団Patchのファン感謝祭!『パッチこーい!!Vol.3』~時は来た。全員集合2days祭り!!~(ABCホール)マチソワ2公演

今年も超超超楽しかった!!!!!!!毎度のことですがぱっちのイベントはその場のテンポや表情が合わさって呼吸ができないほど笑うので、字でレポっても「なんのこっちゃ」としか思えないのが悔しい…みんな来てくれ…!!

尾形大悟が着実に真吾ちゃんのリーサルウェポンっぷりを継いでいってくれてて嬉しい。
たかしくんが「うちの家の幽霊…はDVDとか見てもらったらわかるけど」っていう謎発言してたけどあれは2016年末のパチ合戦で、当時ほぼ同居人と化していた山田くん(元二期生)によって「たかしの家には赤い服を着た幽霊がいる」っていうトークが元なんだけど、その時はその幽霊だけやったはずやのに昨日9体とか言うてなかった??何事??(パチ合戦どころか過去イベのDVDは勿論出てません)(そろそろ出てもええんちゃう…!?)

イヤフォンガンガンゲームのお題とかメモってたはずだけどどっか行った…。とにかく楽しかったんです…(それしか言えない)

 

◆9/4 劇団Patchのファン感謝祭!『パッチこーい!!Vol.3』~時は来た。全員集合2days祭り!!~(ABCホール)マチソワ2公演

台風によりまるっと中止。前日に中止が決まった時は「嘘でしょ……」ってしょんぼりしてたけど、いざ4日の昼になってみたらめちゃめちゃ台風直撃でそれどころではなくなった。アホほど雨漏りしました。
急遽決まったラインライブのぐだぐだなワードウルフやUSAゲームめっちゃ笑った。

しかし、Patchと台風の因縁がまた増えてしまったのであった。

 

◆9/22 ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』(ギア専用劇場)

諸用で京都ロフトに行きたくて、近いからギア見るか!くらいのノリで行ったけどすっっごい好みの作品でした。キャストが変わると雰囲気変わると聞いたのでまた行きたい。いいむろさん赤が大熊さんに変わるとどうなるのか。何度でも行きたい。劇場のセットの作り込み具合、開演前の挨拶、演出に雰囲気専用劇場の可能性の広さをめちゃめちゃ感じた。あれはわざわざ京都まで見に行く価値あるなぁ。

 

◆10/13 フォレスタコンサートin大阪狭山(SAYAKAホール

ばーちゃんの推しアーティストさんのコンサート。ばーちゃんと行くのが恒例になってますが自分も楽しいので好き。全員ハチャメチャに歌がうまい(当たり前やけど)ので浄化される~!!セトリに「イヨマンテの夜」があって、忍ミュに続きアイヌに狙い撃ちされている…と感じるなど。ばーちゃんはウキウキとクリアファイルと写真集を買っていました。

 

◆10/27 ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」(大阪新歌舞伎座

初演の頃は気になりつつ東京だけだったので行けなくて、今回もチケ取れてなかったのですが幸運にも譲っていただけたので行ってきました!スケジュールの都合上WHITEのみ。

何度かブログ書いてるのだけどわたしはミュージカル「メンフィス」がめちゃくちゃ好きで、ジャージーボーイズはメンフィスの少しあとの物語で、メンフィス作中でヒューイが行けなかったニューヨーク、の隣のニュージャージー州。ラジオに売り込むところとか、ネオンがいっぱいのセットとか、「黒人になってからまた来て」的なセリフとかにワオ!って思ったりして。曲のタイプは違うんだけど、同じ国のほぼ同じ時代の音楽の話だ~!って実感するところが多すぎて、いちいち感極まってしまったのでちょっと落ち着いてもう一回見たかった…。メンフィスみを感じてる間に話が進んでしまった感じはある。Can't Take My Eyes Off Youの演出とか特にやばかった…。

めっっっちゃ縦に長いセット、上り下り大変そうだけど見やすくてとても良かった。三階だと見切れるんじゃ?って勝手に心配してたらしっかり見えるらしい。時々盆も回るし、演出がとても好み。

メインどころで初見は中河内さんだけかな?がうちさんもファンの知人が何人もいてあまり初見ってイメージではなかったけどすごく好きな役だった。もっくん出てるのしばらく忘れてて「顔がめっちゃいい…」って思ってた。あっきーの喉は一体どうなっているんだ。

あまり人の舞台を見に行かない推しさんが見に行ってたのも印象的。仲良しの伊礼さんにアドバイスをしていたらしいし、伊礼さんもメンフィスでの推しさんの演技を取り入れたとかなんとか言ってたのでほんとBLUE見たかったー!!

 

◆10/31・11/1・2・4・17 Patch stage vol.12『ボクのシューカツ。』(HEP HALL/博品館劇場)平日マチソワで計8公演

※感想じゃないです。単独で記事書きたい。

推しメンがまたいなーい!と東京どころか初日と楽くらいしか取ってなかったんですけど、Wキャストで出るよ!ってわかった瞬間めっちゃ増えた。わかりやすい。それでもやっぱり東京は迷ってたのに、大阪楽で松井さんが「去年(ジャー忍)は8人だけやったから、今回初めて12人全員で殴り込みに行きます!」って言った瞬間に「あっそうか、そうだな、行こう!!」ってチケット探しました。

推しメンを推しだと自覚したのが2017年に入ってからだったので、そこから考えると初めて推しがいるぱちすてでした。ハブレンは二回だけだったし。サイン入り自引きしたいな~それはそうとして推しブロマがある世界線最高だな~って延々ブロマイド買ったのも楽しかった。推しのいるぱちすて、やばい。東京の前楽以外は推しのいる回全部見たんだけど、もういっそその日も行けばよかったな…。

そして大千秋楽後にSPECTER再演が発表され、息は止まるし手は震えるし涙も出るし、ここ数年で最高に取り乱した。そんな状態で会ってしまったフォロワーさんたち、その節はお世話になりました。

リアルに就活(※転職)しながら通ったという思い出深い作品になったし、初日終わってスマホつけたらいろんな通知やリプが来てて「何事!?」って見たら、推しさんの映画刀剣乱舞出演が決まっていて大混乱したりとたいそう忙しかったな~。思い出がつまりすぎ。

 

◆11/18 劇団Patchのパッチこーい!!~ボクカツ。終活祭り!!~(博品館劇場)2公演

大阪2日目が中止になったのがやっぱり心のどこかでずっとひっかかっていたので、行けてよかった。初東京だからって何の遠慮もなく全力で遊ぶぱっちたちはすごく可愛かった。可愛かった……(かみしめる)

昼回の延々いじられるらんくんとアホのバレるたくちゃんが好き。

 

◆11/30 「光より前に~夜明けの走者たち~」(ABCホール

圧巻。内容にあまりにピンと来なくて谷さんの演出もまだ未経験で、完全にアフトーに釣られてきたけど、今年の観劇で(Patch関連を除くと)一二を争うレベルで好き。

ラジオで山村キャプテンがおっしゃってた通りそこまで走るシーンは多くなくて、人と人の魂がぶつかり合うシーンがいっぱい。キャスト五人だけだし、会話シーンはほぼ二人。熱くなってるシーンは二人とも喋りっぱなしなのにテンポ崩れずとても聞きやすかった。その分心に直接刺さる。走るシーンが最初と最後で、その対比が見事だった…。

テンポというと高橋光臣さん演じる高橋コーチ(ややこしいのかわかりやすいのか)の会話の間がうまかった。コメディリリーフだけど中弛みせずコメディとシリアスの境目がすっぱり。二組の選手とコーチ、どっちもそのコーチあってこそって空気が良かったのでふつうに後半悲しかった。

本当にあった話なのでネタバレも何もないかも知れないけど、世代でなく調べずに行ったわたしは彼の結末にびっくりしたし、そのちょっと前から泣きっぱなしで見てた。嗚咽をこらえながら舞台見たの久々だ…。

あまり重い近代・現代劇が得意でないのだけど、これはすっと入ってきたし良かったと思えた。円谷の話し方が時代がかっていた(自衛官なので)のとその行き過ぎた心意気が武士に近いもので、個人的には時代劇と同じノリで見れたのかもしれない。史実を知らずに見に行く歴史作品って感じ(わたしが歴史おたくなので、そういう作品はほとんどない。)

客層も、谷さん演出のファンなのか円谷さんを知る世代だったのか年齢層高くて驚いた。帰ってから親や祖母に当時のことを聞いたりした。

東京五輪を控えて、来年の大河は東京五輪の話。そんなタイミング(だからこその公演なんだろうけど)でこの作品を見られて本当に良かった。

 

◆12/15 THE ROB CARLTON 16F「SINGER-SONGWRITER」(HEP HALL

安心と安定のクオリティー。ROBさんはキャスト全員の世界観への溶け込み具合が本当にすごいなーと毎回思う。違和感がない。あと毎度毎度キャラが立ちすぎで好き。大原どののめんどくさいけどいい人な感じがめっちゃ絶妙だった

なんちゃって平安、なんちゃって衣装、的なことは言っていたけどそのなんちゃって具合のバランスがとても好きだった。言葉遣いもそんなに難しいゴリゴリの古風でもなく、かといって現代でもなく。げにげに。

毎回「他聞(?)の儀」を執り行うのがおもしろくて真似したくなるんだけど、漢字調べても出てこない、というかそもそも平安時代の日本人が多数決で物事決めるのか?とか考え出すと、それ自体が創作かもしれなくて作り込みのすごさに震える。あんなに当然のようにやってたのに。

そんな中さっそうと出てくる陰陽師的な人最高だった。良い感じに空気を変えてくれる。

今回からパンフ作ったとのことで買ったんですが、新聞サイズなので情報量がすごく多いし読みやすい!広告のクオリティ高い!稽古場の雰囲気面白すぎる!

隅から隅まで満足させてくれるROBさんが好き。

 

 

以上12演目(?)23ステ。かな?天災で3公演分払い戻しをしたので本当なら13演目26ステだったはずだった。ボクカツ8でぱちこい大阪東京計4なので、半分がぱっちですね。光より~も本来アフトー目当てだったのでそこに入れたいくらい。

上半期が18演目26ステだったらしいので、合計30演目59ステ。2017年は38演目69ステだったので、…あんまり減ってなくない?

でも、推しさん舞台(単価が高く東京公演しかない)に去年いっぱい通ったことを思うと、今年はお財布的にも時間的にもかなり助かった。おかげで友人と遊びに行ったり他の趣味を復活させたり、久々に二次元ジャンルにハマってみたりと余裕はかなりできました。 

今年の目標、推し舞台以外の遠征・複ステをしない(これは毎年だけど)、一度見たことのある2.5次元作品は控える、当日券での飛び込みは体調を考慮する、休日を舞台の予定だけで埋めない、しばらく日本の歴史作品封印。

観劇まとめ2018年上半期 - ぼちぼち観察記録

 これも普通に達成ですね。当日券飛び込みはほぼなかった…いやまぁ、ボクカツ東京はだいぶ突発の飛び込みぽい感じだったけど。ROBさんのはなんちゃって平安なのでセーフです。

日本の歴史物封印した結果ミュージカルをたくさん見た年になったのだけど、生バンドで見れたのメリポピとジャージーだけ?地方は録音なことが多いのはちょっと切ない。

WOWOWで髑髏城放送が始まったり、はじめての繭期があったり、DVD見たりと映像観劇もぼちぼちと。

 

感想ツイをコピペするために7月頃からのツイログをずっとたどってたんですが、7月頭にボクカツ詳細が発表されて推しメン(らんくんも)が出ないってわかってめちゃめちゃテンションが下がっていた。やっぱり下半期はM!の項で書いた天候のこともあり、舞台そのもののモチベが下がりまくってたなーと思います。転職もな!とりあえずどうにかなったので今は働いています。

 

来年の予定は、壱劇屋「TABOO」・スリルミー大阪・る戦大阪・どうぶつ会議・ゼロス。そんでSPECTER大阪と東京、COCOONはまだ取れてないけどなんとか大阪で行きたい。なんかいきなりめっちゃ予定詰まってる。去年散々わーわー言うといて結局る戦見るんかい!って感じだけどるひまの空気はすごく好きなんだ…!

あとは、最初にも書いたけど推しさん舞台「びぎにんぐ・おぶ・らぶ」の大阪公演がまさかのSPECTER大阪とダダかぶったために、とりあえず東京で見てきます。本末転倒かよ。

未定な分は、レミゼ何回か行きたい。キンキーも初演よかったから行きたいけど時期がやばい。なんだか3月・5月あたりに見たいものがあまりに固まっていて混乱中です。猩獣も行きたいんだけどな…。

 

来年も推し(推しさんとぱっちとレミゼ )以外の遠征/複ステを控える方向性で行きたいです。

自分のペースで、のんびり楽しい観劇ライフを。

TRUMPシリーズを見終えた人への静脈注射①~Equalと巌窟少年~

末満健一氏のライフワークであるTRUMPシリーズの最新作、『マリーゴールド』の上演まで一ヶ月を切った今日この頃。日テレプラスさんでの放送や、YouTubeでの上映会『#はじめての繭期』等、公式が本気で繭期を増やしにかかっていると感じます。

TRUMPシリーズ全体の作品紹介やマーケティングのブログは素晴らしいものがすでにたくさんあるので、このエントリは

「今現在見られる(手に入る)TRUMPシリーズを全て見切ってしまって、末満さんの描かれる世界観に魅了されてしまい、もっとこういった作品を見たいと思っている繭期」

の方に向けたものです。ニッチかよ。
というわけで、各TRUMPシリーズのネタバレ、キャスト等を知っている前提で進みます!なにか未見のものがある方はご注意を!

 ※現在でも公式(及び通販サイト)で新品を購入できる、ニコニコチャンネル等の課金で見られるものに限っています。なので過去のピースピット作品を含めることができなくてすいません。

※DVDを買えるページのリンクを貼るので、公式サイトや詳細な上演情報はググってね!

 (Equal・巌窟少年・ステーシーズ・我らジャンヌあたりのおすすめをしたいのですが、いつ書き終わるかわからないので一個ずつで投稿してみます。全部書けたら良いなぁ。)

 

◆Equal

赤×坂版

https://kan-geki.com/store/products/detail.php?product_id=1915

ワタナベ版

オムニ7 - セブンネットショッピング|二人芝居「Equal-イコール-」DVD 通販

 

- story -

18世紀初頭、ヨーロッパの田舎町。
青年ニコラは肺の病を患っており、もう長い間病床に伏していた。
幼馴染の青年テオは、町の小さな診療所で新米医師として働いていた。
テオが医学を志すようになったのは、幼い頃から病弱だった親友の身を案じてのことだった。
ニコラは、そんな自分がテオの人生にとって重荷になっているのではないかと心情を吐露する。テオは苦悩するニコラのために、かつて実在しながらも失われた学問「錬金術」を蘇らせようと試みる。それは「錬金術」における主要研究とも言える「不老不死」の実現を目指すものであった。
だが、死期の迫るニコラが次第に不可解な行動を見せるようになる。
そして、テオとニコラの運命の七日間がはじまるのだった。

 

イコール|ワタナベエンターテインメント 

 

TRUMPのソフィとウルの関係性にビビッときた貴方におすすめ。君僕僕君を2時間ずっとやってる感じ。二人芝居。病により死期の迫るニコラ、そんなニコラを救おうとするテオ、そして錬金術による「不老不死」…静脈注射というには劇薬すぎるかもしれない…。

作中でキャストが何度も「テオ」と「ニコラ」を交代します。TRUMPのリバースシステムが一本で楽しめる!あまりに入れ替わり過ぎて、一体どちらがどちらだったか混乱しだしてからが本番。

赤坂のサイトも通販も仮チラシのあらすじのままなのでキャラ名が違いますが、本番はニコラとテオ。大筋はどちらもほぼ一緒です。

 

赤×坂版は、おじさんたちによる茶番(いい意味で)で冒頭はギャグが多めですが、一度空気が変わるとそこからは一気に引き込まれる。身に覚えがあるでしょう。TRUMPと同じタイプです。見た目の全く似ていない二人によるリバースの空気もいい。
ちなみに赤星マサノリさんが初演・再演のアレンクラウスです。山浦さんのアレンクラウスの対になるお方。

繭期的余談としては、演出が山浦さんなんです…が、この公演は各地を回っていたので、最終的に2015年の3月まで行われていました。SPECTERと同時期です。各地の劇場へ行っては飛んで帰って来てSPECTERの稽古に参加されていた山浦さん…お疲れ様です…。

 

ワタナベ版はキャストが2パターン。最初からなんだか不穏な空気の漂う耽美なステラ、仲良しで明るい雰囲気がどんどん崩れていくルナ。赤坂版と違って二人の背格好が似ているので、キャストに詳しくないまま見ると混乱必須です。それがまたおすすめでもある。両バージョンセットで5000円。めちゃくちゃお買い得です!
小劇場規模だけどセットがしっかりしているタイプなので、二人の部屋をそっと覗いている錯覚に陥る。

繭期関係あるようでない余談なんですけど、ステラverに出演している三上真史氏、何度か舞台で拝見してるけどどれでも全部生き残っちゃうし、一回不老不死になってる(※るフェア)ので、いつかクラウスやってくれないかな…って勝手に思っています。園芸王子なのでクラナッハでも見たい。何の話や。

 

あと「しずかとユキ」版がありました。

shizukato-yuki | 公演詳細情報

絵面のインパクからしてすごいのだけど、行けなかったんだよな…!行った人の感想をいくつか読んだけどゾッとした。そう来るか、と。DVDは出てないっぽい…?

 

見終わったあとで。好きな俳優さん2人を脳内キャスティングして遊ぶのがとても楽しいので是非やってみてください。

 

◆巌窟少年

 7net.omni7.jp

STORY

魔女狩りの時代、迫害された魔女たちの棲み家だったとウワサされる"巌窟(がんくつ)”と呼ばれる洞窟内の住居区。

そこで共同生活をすることになった"ワケあり”少年たち。彼らは衝突し、融和し、誓い、裏切り合いながら時を共にする。

そして、閉ざされた青春のひと時は、穏やかに崩壊していく・・・。

 

 
よく誤字られるのですが、「巌窟」少年です。「岩窟」ではない。
TRUMPのラファエロとアンジェリコの関係性にビビッときた貴方におすすめ。特に「その目が嫌いなんだ」あたり。
ラファエロとアンジェリコみたいな二人を中心にした、洞窟に住む少年たちによるライチ光クラブみたいな話です。

繭期の皆さんには必修単位みたいなものでして、

2年前、NU版TRUMP公演後の末満さんのこのツイートにより、巌窟のDVDがしばらく在庫切れになるという事件が起こる。(※今後Cocoonを演る時は別のプロットを使うそうです。)わたしも一回買い損ねました。何度も在庫切れを起こしているけど、定期的に補充されるようなのでもし在庫切れ表記があれば入荷希望のメールを出そう!

末満さん、ひとつのコミュニティを作り上げてぶっ壊すのうまいよねー!!って感じ。ちなみに燃えませんが人は死ぬ。閉塞的な空間でに子どもばかりで集まっていて、どうしようもならない息苦しさが繭期の雰囲気に近い。見ているこちらもちょっと息苦しくなる。でも彼らはヴァンプではないし、それらは繭期の症状ではないところがしんどい…。

SPECTERを上演した劇団Patchの第2回公演なんですが、登場人物は10人。うち8人が共通の出演者なので、SPECTERとの違いを楽しむのもおすすめ。みんなちょっと若い。

繭期的余談は上の末満さんのツイートが全てのような気もしますが、ノームとルルの立ち位置が似ていて既視感がすごい。というか、井上くんがこういうワケありの少年役がめちゃめちゃ似合う…って思った。

トーリとガフという少年二人がラファエロとアンジェリコにあたるのですが、どちらがどちらなのかは個人で自由に感じ取っていいんじゃないかな…と思っている。NU版を経た上で見たのと、トーリの眼鏡のイメージでわたしは途中で印象が逆転した。途中からTからRになる感じ。

ニコニコチャンネルに戯曲が掲載されているので、そちらもどうぞ。一部、本編では無くなったシーンもあります。

末満さんの言う「残っているはずの匂い」、めちゃくちゃ感じられると思うので、是非。