ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

モノモース『エンドルフィン』

すごい三人が組んだな、と思った覚えがある。

すごいとか言いながらその時点ではsun!!さん改め藤本さんは拝見したことなかったし、大塚さんも2015年TRUMPで知った(あと白浪DVDでも見た)くらいで、玲央さんも柿二作(世迷言・虚仮威)と真田十勇士…だけかな?なのでお三方の演技を知っているというには程遠かったはずなんだけど。
でも、うわすげぇ、絶対見に行くって思ったしチケットも発売日にとった。ここの記事読んでくださってる方は、わたしがぱっちか推しさん関連以外のチケを即決で取ることが如何に珍しいかわかると思う。

チケットを取れない理由の一つとして、わたし結構苦手な話、地雷が多いんですね。
『地雷』は二次創作系のオタク界隈の単語だけど「口にしたくないし、単語を目にすら入れたくないし、その要素が入っている話は読みたくない、でも排除できないのはわかってるしそれを好きな人を否定できない」という点であまりにわかりやすい。それやねん。

小劇場はフライヤーや公式サイトに書かれているあらすじをそこそこ頼りにするし、大きなネタバレは踏まない程度に初日感想を探してから行くかを決める。地雷がないか吟味する。テレビは消せばいいし映画は予告編が作られているから避けられるけど、観劇、特に小劇場は思わぬところで地雷にぶち当たる。何回か踏み抜かれてる。そして逃げづらいし、小さな空間で集中して見ることで嫌な気持ちが倍増していく。
ちなみにアワベビがあらすじからしてド地雷だったんだけど、行ったら行ったで憤りのあまりにはてブロを作ることになったから、悪いだけじゃないんだよなぁ。

そんなわたしが、このすごい三人+作演が悪い芝居の山崎さんという、どう考えてもしんどいものエグいもの作るやろ!って舞台を見に行ってきました。

 

『エンドルフィン』

エンドルフィン(endorphin)は、内で機能する神経伝達物質のひとつである。内在性オピオイドであり、モルヒネ同様の作用を示す。特に、脳内の「報酬系」に多く分布する。内在性鎮痛系にかかわり、また多幸感をもたらすと考えられている。そのため脳内麻薬と呼ばれることもある。

エンドルフィン - Wikipedia

二度寝でも出るんですっけこれ。

 山崎さん作演は「観音クレイジーショー」しか知らなくて悪い芝居には行ったことがない。観音はわけがわからないなりに色々考えることができて大好きなので(メイン二人がそもそも好きだという補正もある)、まぁ今回もわからないし生々しくてエグいとこあるんだろうなと思ってた。実際あらすじ見てもよくわかんなかったので、若干覚悟はしていた。そしたら東京で見た方に「お腹すかせて行くのもありかも」と言われて、「ん???どゆこと??」って思いつつ軽くご飯食べて行った。ら、

いやあらすじと全然ちゃうやん!!

希望島(通称・絶望島)というゴミの島に捨てられた少年が猫とか鳥とかゴミとか自分の身体の一部とかを食べながら死ぬまでの…否、生きていた話。話がわからんどころかあまりに直球だった。

全く想像と違って方向性も違いすぎて、見ながら何回も「マジかよ」って心で呟いた。あらすじとだいぶ変わったみたいな話はちょっと聞いてたけど、ここまで変わるのかよ!
これは地雷ありうる、ヤバい、と話の展開と自分の心配をしていたのだけど、幸いわたしは大丈夫だった。でもあかん人はめっちゃあかんでしょこれ。なんてこった。そんな雑念がかなり脳内を占めていたので二回行くべきだったな…とじわじわ後悔している。細かいとこ見れなかった。

舞台美術が植田昇明さんだったので、舞台上にあるセット小道具そのほとんどが服。猫もぬいぐるみ?(ただタオル丸めただけのようだった気もする)で、血は赤い布や毛糸。中身もピンクの布。冷蔵庫はトランク。アフタートークでポールハンガーが人に見立てられていて、どんどん物が減っていくことでやせ細っていくと聞いて(自分で行った回ではないんですけど)へぇ~って思った。そういうとこ全然見れてない…。

とにかく演技が上手いから、最初に猫を殺した時はこっちも息ができなくなった。バラバラになっていくさまは、布の使い方がうまくてうわすごいほんとに血に見える臓器に見える、すごいって感心してた。今思うとすごいなーうまいなーって思いながら見てた部分が多いから、自分の中でセーブかけてたのかもしれない。入り込みすぎるとしんどいから。

基本的に玲央さんが少年だったのだけど、最初の年端もいかない少年声から最後に死にそうになりながら絞り出すハスキーボイスの幅が広くて、えっ玲央さんこれマジで声潰してない大丈夫?って思ってしまった。アフトーで普通の声だった。すげぇ。本当に死んでしまいそうだったのに。仰向けに倒れている少年の図は照明も相まってとても美しかったです。宗教画っぽい。

大塚さん、TRUMPで見た時にめっちゃ発声の仕方が好きだなぁと漠然と思っていたので、今回は語り部で沢山聞けて嬉しかった。そして怖かった。蛆山の真意は全くわからないままだ。いちいち客席(社員ってことだけど)に語りかけてくるのが嫌な感じ。ものすごく他人事のように語るのが怖いんですよね、めっちゃ当事者のくせに。本当にあの島をどうにかしたくて少年を利用したとも思えないような…?

藤本さんは声が特徴的だなぁと筋肉少女で思っていたのだけど、今回は本当に少女で少年だった。ちょっとジブリ感あるよね可愛い。ダンスはないけどもあの狭いセットを縦横無尽にスルスルと駆け回る。気付いたら違うところにいる。ニイナは逆に動けない分、細かな表情の違いとか声の震えとか素敵だったな…ニイナが猫を手に掛けるところで一緒に泣いてしまった。

こうやって書き出すと、お三方とも声が好き。朗読劇とかやってほしい。

 

ネエは、死んだニイナのことを食べてしまうのかなと思っていた。最初に見つけた死体は餌にしたりして食べなかったかもしれないけど、自分の腕すら食べるあの極限状態だとそれもあるかなと。なんとしても生きるためならそうするかなと。
でもそうはならなかった。二人で居ることを知ってしまったから、一人は嫌だって思ってしまうのかな。何度も繰り返される「俺はここに居たんだ」という言葉は、誰に届けばよかったのか。

おもしろかったかというと、「すごかった」が先に立ちすぎてよくわからない。いやおもしろいものではないか。
でもあらすじと違った件も含めて、すごい体験をしてしまった…って感じです。
すごいって言い過ぎだなこの感想。

 

終わった後すごくお腹がすいて、肉食べたい!って思ってたのだけど帰ってテレビ見てたら寝てしまったので、次の日に作中に出てきた食材と似たようなご飯を食べた。
初日アフトーのあんちゅが「物を大切にしなきゃ」という感想を抱いたと言っていたけど、わたしは「ご飯はよく噛んでしっかり食べよう」って思った。

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あと、明日も生きなきゃとも思ったので仕事頑張ろう。

世にも奇妙なエンターテイメント 劇団壱劇屋『新しい生活の提案』

壱劇屋をいつどこで知ったのかが全く思い出せない。
2015年には名前すら知らなかったはずなんだけど、2016年頭にSQUARE AREAの残席状況ツイートを見て「行きたかったなぁ」と思った覚えはあるし、そのつぶやきをRTされたのも覚えている。その時点で、めっちゃエゴサする団体だということも知っていた。初演磯ミュの時に竹村さんを「壱劇屋の方だ」と認識していたし、その年の中之島文化祭で簡易版スクエリを見れて喜んでいた。
なのできっかけが本当にわからない。いつの間にか心に潜んでいた奇妙な存在、壱劇屋。

まぁそれはさておき、壱劇屋さんの公演は昨年の『独鬼』に続き二回目。
小劇場の感想で毎回書いてる気がするけども、これもチケットを取ったのは結構あとになってからだった。
元々殺陣が好きなので、マイムがメインだとそこまで食指が動かず。タイトルで「新人社会人が大変な思いをする系なのかな」と勝手に想像していたらメインビジュアルが史群アル仙さんの絵で、twitter等でその作風を知っていた(※好きです)ために「やっぱりしんどいやつなのでは??」と更に敬遠することになった。

その後中之島文化祭で導入部分を見て「やっぱ面白そうだなこれ。行こう」と思い直す。劇団SOLAの高安智美さんが客演で出ていることに気付いたのも大きかった。
まだ日取りが決められないなと終演後の手売りはスルーしたのだが、twitterをチェックし『日替わりゲスト:中山義紘』の文字を見て日付も何も確認せずに予約したら平日の昼間で、仕事を早退する羽目になる。

 

 新しい生活の提案

ライフカードのCMっていつぐらいにやってたっけって調べたら2007年くらいまではやっていたらしい。主役の名前(小田切乗助)や選択肢のカードや決め台詞に「うわなつかしっ!」って思ったのだけど、この作品は2012年の再演なんだったっけ。当時としても懐かしかったのかな。

日常が少しずつズレていく様が見事で、どんどんその世界に引きずり込まれていく。なんでここまで醤油推しなんだろうなぁっていう疑問は浮かんですぐに消えてしまっていて、終盤の「お醤油貸して下さい」の台詞まで全く気付けなかった。お醤油とお金がひっくり返っているから、お隣さんが借りていくのはお金。醤油メーカーのATMには笑っていたのに、ここで気付いた瞬間ぞわっとした。

重厚なBGM(バリサクの音がめっちゃ刺さる)と繰り広げられるパフォーマンスと軽快な台詞回しでテンポよく進むから、ツッコむ暇を与えない。家を自作(しかもマジで物理的に舞台上で自作)とか妙な仕事とか通貨が唐突に醤油になるとか電話と煙草がひっくりかえるとか、他にもどう考えてもおかしいことだらけなのにそれらを考える余裕がない。客席を置いてけぼりにしそうなスピードで物語が進行していく。そういうのが苦手な人はダメかもなって思った。

あ、個人的に舞台上で御飯食べるのを見るの結構好きなので、食卓のシーンで本当に野菜炒め食べてておもしろかった。
あと生前前前葬のシーンあんまり意味なくてわらった…初演だとなんの曲でやったのかな…というかそもそも生前葬のシーンなのか?曲前提では?

あくまで新しい生活の提案・実施をするのは市役所だから、市の外から来てその後出ていった弟はこの不思議な世界から放り出されたからあんな変なことになったのかな。家の近く(市内)に来たから全身タイツで姪に煙草して醤油受け取って帰った弟。あ、でも闇金の事務所で煙草してたから境目にあるのかなあの場所。兄もいないことになってたし。不思議。

市役所と家とレストランとの境目が曖昧で、見てるこっちが混乱するだけかと思ったら小田切もわからなくなってたのが気味悪くてよかった。どんどん進化(?)していく服飾がだいぶ気持ち悪くてもはやホラー。twitterで大熊さんが遊んでいた長い手の担当が智ちゃんだと思っていなくて、単純にすげぇ!って思ってずっと見てた。すごい。

仕事はちゃんとするし、西野へのセクハラはちゃんと止めるし、言い寄られてるのに気付いても嫁を選ぶし(夜積極的な嫁が来たからだけども)、信仰の勧誘はできるだけやんわり断るしと小田切が「普通にいい人」なのが興味深かった。こういう話って調子に乗った主人公がどんどん力を悪用していって自滅するパターンが多いから。気軽に嫁チェンするのにはおいおいって思ったけども、嫁が変わろうが、通貨が醤油になろうが、家を自作しようが、結局弟が金の無心に来て嫁と言い争うことは変わらないだろうし。
最大の選択はラストの「新」「旧」であることは間違いないだろうけど、「嫁」「弟」もきついなぁ。あれでもし「嫁」を取っていても、結局小田切は弟の助けを断れない気がする。

何を選んでも結末はあまり変わらない。でもそれが絶望的だというわけではなく、小さな選択次第で先延ばしにしたり、少しずつズラしていくうちにまた違う選択肢が見えたりするのかもねって思いました。これストレートで見たらしんどいやつだったので、マイムで緩和されてたのありがたかった。

 

 

みんな衣装が赤シャツ+黒のボトムスで統一されててとてもよかった!動きやすさとかキャラとか後半の服飾の進化のためとか色々あるんだろうけど、ボトムスがみんな違ってた。そんな中で一人スーツの竹村さんがなんだか可愛い。前後ひっくり返したスーツが妙に似合っていて段々違和感なくなってた。

終盤は特にどうやったらそんな動きできるの!?のオンパレードで、ダンスやマイムに詳しくないわたしはただ口を開けてポカーンと見ていただけだった。
照明も綺麗で舞台写真もとても素敵。基本的に動き続けている(だから食卓とか借金のシーンで止まった時に空気が変わる)から、ここ良かった!と思っても言葉で表現しづらいし絵にもしづらい…。

とりあえず可愛かった智ちゃんの動き。

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新しい提案をする度にこうやって下からしゅばっと出て来るの可愛かった。
そういえば筋肉少女感想とアワベビ感想に載せてある絵も智ちゃんなので、地味にこのブログには3人分の智ちゃん絵があることになる。めっちゃ好きです。

 

そんで、日替わりのよしくん。

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日替わりゲストの役どころが「夜積極的な嫁」なので、この昭和ノリのセクハラ魔(※対劇団員)はどんな爆弾投げてくるのかと思ったら思ったよりはおとなしかった。手作りのクリームチーズプリン、絶対自分が食べたいだけやろ。
アフトーで大熊さんに容赦のないマジレスしまくってたのおもしろかったです。

 

次の壱劇屋さんは五ヶ月連続公演「五彩の神楽」!すでに五ヶ月全部行く心づもりで居ます。楽しみ。

『髑髏城の七人season花』ライビュと5/26ソワレとその他諸々

前回の感想に「大楽後に追記するかも~」って書いてたんですけど、別に同じ演目で何回感想書いてもいいんだった。
というわけで、5/15ライビュソワレと5/26ソワレの感想をざっくりと。

 

マイ初日は4/8で、その時の感想がこちら。

yhforestmk.hateblo.jp

記事タイトルがすでに頭悪い。検索とかでたどり着いてくださってる方がいっぱい居るようなんだけどこんなまとまりのない内容ですいません。

記事中に「次行けるの前楽だけど」って書いてるけどやっぱり我慢できるわけがなくて、「わたしの代わりに見てきてくれ!」って譲るはずだった友人に「ごめんやっぱ自分で行く!!!ごめん!!!」って頼んだりした。快く了承してくれたからいい友人を持った…。
原作小説をぽちった(戯曲は会場で買った)しライビュも行ったし、日々流れてくるレポを見てるせいで全然そんな気はしてなかったんだけど、ライビュが2回目、26日が3回目。
あ、原作小説めっちゃ面白かったです。胡蝶丸と龍舌丸を舞台で見たい。(過去には出てるんですっけ?)

◆5/15ライビュソワレ

演劇のライビュは2.5作品で何度か体験したけども、まさか耕史さんをライビュで見れる日が来るなんて…とその事実に震えてた。と同時に、オーシャンズ11大千秋楽はやっぱりライビュやるべきだったのでは!?と3年前の記憶も蘇った(大楽チケ取れなかった)(某過去出演舞台はライビュやるはずだったみたいな話は聞いたことあります)

マチネ見た友人らが口々に「蘭兵衛のカメラワークがすごい」と言っていたので、そわそわしながら映画館へ。そういえばわたし最近シンゴジ以外の映画を見てないので、映画館自体がめっちゃ久しぶりだった。

前回見た席があまりに見づらかったので、ライビュでようやく舞台セットや細かい演出が見えた。川流れてるのやっと把握した。アップで見る蘭兵衛は照明と映像による白飛びもあって最高に美しかった…未定とは言われてるけどゲキシネ楽しみにしてるからね…。

ライビュでしか見れない作品(過去に見たやつがそうだった)なら気にならないけど、やっぱりカメラもうちょい引いて!そっちじゃない!って思うところがみんなそれぞれ出てしまうので難しいところだよなぁ舞台作品のライビュ。あと今回に関しては、客席が回るっていうのはやっぱ映像だと伝わりづらい…!惜しい…!鉄騎兵が駆け抜けていく感じとか百人斬りラストとかの勢いが伝わらない。
わたしは途中から集中して見るのを諦めて衣装を見てました。

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これも3回目見た今では衣装間違ってるとこ多いんだけども、プレスコールとかだと途中までしか画像が載ってないからどうにかして覚えて帰りたくて…。
斜めの胸当ては弾着が仕込まれているからラストだけなのでは?って教えていただいたので、そうかもなぁって思っています。

 

ところで、四月頭辺り限定だったらしい『蘭兵衛の足を斬ってこれで俺と一緒だ的なことを言う天魔王』の演出は、耕史さんの肉離れ(出典:おじゃマップ)による応急処置だったのでは??と気付いて笑っちゃうやら何だか悔しいやら。めっちゃ萌えだったのに!足引きずるのが大変だからあの演出やめたんじゃなくて、引きずってても大丈夫なように演出追加して治ったから終わったのか??って。あくまで予想の範疇ですが、舞台ってほんとなまものだなぁって…鬘外れた回とかもね…。

◆5/26ソワレ

一ヶ月半振りに乗り込んで来ました髑髏城。18:30開演だと思い込んで夜行バスのチケを取ったため、終演後にダッシュする羽目になったのだけ惜しかった(無事間に合いました)

2列目のセンターブロックやや上手寄り。物理的に舞台が近いから、アンサンブルの方々の生の声がとても聞こえる。無界屋の使用人のお兄さん達のやりとりとか野次とか。あぁみんな舞台で生きてるんだなぁ…って思ってしまったために襲撃シーンが悲しかった。

毎日流れてくるレポ、カテコと玉座の蘭兵衛のことが多い(これはフォロワーさんが耕史さんファンばかりだからだけど)中で天魔王の奇行の話も流れてきてて、次行った時はできれば天魔王に注目しようと決めてた。

蘭兵衛の腕や胸元を撫でたり髪をくるくる弄ったりする直接的なボディタッチも多いけど、近くにいない時でも天魔王は蘭兵衛のことを見ている。それが観察(監視?)なのか蘭丸を引き入れることができて嬉しいだけなのか本当に心から慕っているのかは受け取る側の見方で変わるけど、ずっと見ている。
捨VS蘭のところとか顕著だった。さすがに説得しようと声を荒らげる捨之介には視線を向けるけども、興味なさそう…。
無界屋襲撃も女たちを斬る蘭兵衛をちらちら見てるし、太夫と蘭兵衛が対峙している時なんかどっかり座ってニヤニヤしながら見てた。蘭兵衛もよく笑うし楽しそうだけど、天魔王はもっと楽しそうなんだよなこの襲撃。

蘭兵衛に庇われた時の笑いが泣き笑いっぽくなってると聞いていたけど、この日はほとんど泣いてた。呆然とした顔で蘭兵衛に手を伸ばすけど届かなくて、笑うんだけどそれが崩れていってほぼ泣き顔。天魔王が蘭兵衛を慕っていたのは過去の話で今ではもう駒としか見てない、と思ってたんだけど、もうわかんなくなってきたな…

襲撃の時の天魔王が、刀についた血を入念に拭う→舐める→更に舐める→おにぎり食べてみたら不味かったらしく吐き出すって感じで色んなことやってるのをやっと見れました。よくわかってない子どもみたいで可愛かったし怖かった。

何故かこの日は仮面が絶不調で、投げたら従者に当たるし襲撃ラストで装着したのに落ちるし、全体的に天魔王可愛いポイントが高かった(?)
そういえば仮面が数種類あるのにやっと気付いた。最初だけの能面、火傷隠しのようなちょっとシュッとした仮面(伝わって)、信長の仮面。信長の仮面1/3で割れる仕様だし檻にカンカンあてるし全然大事にされてへんの笑う。あれマグネットか何かでくっつくのかな。

 

あとは蘭兵衛の細かい表情をいっっっぱい見てきました。口移し前後や最期のシーンは奥の方だからオペラ覗いてたけど、それ以外は肉眼で感じられた。 サンキュー2列目。

最初の登場時、数珠触りながら出てくるけどそれ以降に数珠を気にすることはない(と思う)から、あれはどういう意味なのかなって考えたり。その後着替えても外すことはないから、遺骨でなくても殿の形見くらいだったりするかもしれない。

「良い街だ」って言われて「そうかな」って答えるところの優しい顔も声も改めて見れたんだけど、カテコでスコンと役の抜けた耕史さんの顔見ると全然違うからあの優しい顔も表現の一つなんだなって感心する…カテコはメイクも含めてとてもたぬき顔…かわいい…。

襲撃時のわっっるい顔もやっとしっかり見えました。席の位置的に目の前で見れて死ぬかと思った。最高……ここのあの顔に関してはそれしか言えない……。
しょっちゅう刀を拭うしポニテを直したりして(これは鬘飛び防止もあるかなーと思う)、荒武者隊の話は全然聞いてない。悪役最高すぎて山本天魔王が見たかった欲がじわじわと…。

好きだった仕草とか衣装に関してはTwitterでもうちょいイラストレポを描きたい。
この袖まくる仕草とか

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天魔王の笑い方四段活用とか。

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っていうか蘭兵衛以外のまともな絵を描けてないのでその辺も描きたいな…。

 

あまりに天魔王が捨之介のこと嫌いすぎて、一周回って面白くなってきたから次は捨と天に注目して見たいなーと思ったんですけど、あと見れるの前楽と大楽だけだった。つらい…。
最後まで怪我なく(みんな満身創痍らしいけど)終われますように。

 
 
 
 

 

匿名劇壇『レモンキャンディ』

匿名劇壇さんの本公演は今回が初めてでした。

匿名さん自体は中之島春の文化祭で見て、福谷さんの脚本で見たことがあるのはPatch8番勝負其の参『森ノ宮演出家連続殺害事件』と年明けにやってた環状線ドラマ2の鶴橋駅回だけかな?あと東さんは筋肉少女で見た。森ノ宮~には石畑さんも出ていた。

森ノ宮~』の感想をまだ書けてないけどすごく好きな作品で、でもそれはPatchが演じているからなのか福谷さんの脚本が自分に合うからなのかがわからなくて、本公演に行ってみないとなぁとは常々思っていた。(これは前者だった気がする)
あと、時折RTで流れてくる福谷さんのつぶやきやブログを読む度に「色んな意味でおもしろい人だなぁ」とも思っていた。最近の、アマサヒカエメのタカイさんとのTwitter上での喧嘩からのブログでの叫びからの『水の泡』出演発表という茶番に「やられた!!」って頭を抱えてしまったので。

いつ行こうか決め兼ねていたら初日の感想がTLに流れてきて、いつの間にか土曜のチケットが売り止めになっていて。えーい仕事帰りに行ってやる!と5/19(金)マチネを当日券で観劇。ホットドッグおいしかった。

『レモンキャンディ』

 

ここは落下する飛行船。

上空1000000000kmで、ついに故障した飛行船。

地面に到着するまでが、あと七日間の飛行船。

四人の女と四人の男。

何をして過ごそうか。

 NEXT - 匿名劇壇 ON THE WEB

 重力はどうなってんだとか10億キロとかありえないだろ(これは作中で答えが出る)とかそういう話は置いといて、7日後に死ぬけどどうするよ?という話。
宇宙という概念が通じないところ以外はそこまで日常から逸脱したものはなく、謎のアイドルソングもカルト宗教もドラッグも、わたしが知らないだけで存在しそうだった。
だからこそ、めっっっっちゃしんどかった。

ブログを読む度にすごいなと思う流れるような福谷さんの文章を、これまた流れるように台詞として話す劇団員のみなさんがうまくて、本当に皆7日後に死んでしまうような気がしてしんどい。綿雪が本当に快晴を殺しそうでしんどい。雨水の静かな怒りが伝わってきてしんどい。総じてしんどい。

ああいう極限状態でなくても、普段いる環境やお金の価値観の合わない人とは一生仲良くなれないんだろうなって思ったけどそういう話ではない?育ってきた環境が違うからセロリが好きだったりするんだし(例えが古い)

8人もいるのに声や見た目が全員見事に違うのって良いなー。誰も舞台上で埋もれないくらい個性豊か。
パッと見だけで快晴のホストとしての、砂嵐のオタクとしての説得力がすごい。でもやっぱり快晴は許さん。
砂嵐普段何描いてるんだろう…実際同人誌で儲けが出るレベルって男性向け18禁だけども(マジレス)
ああいう時にモテるのって雷鳴なんだなぁ。それは女としての本能ってことなのかな何だか癪。
最後まで特に曇天がいいとこなくて笑ってしまった。普通の人代表って感じなのかな。
綿雪の東さん、不思議な声をしている。口汚い言葉を吐くけど、ギャグシーンではあの巻き舌のおかげか嫌な感じがしない。
朝凪はただひたすら怖かったからずっとそうしてたんじゃないかなって思う。
夜霧も話は空振りばっかりだし殺されかけるしいいとこないけど、自殺未遂のシュールさが最高だった。
雨水はほんと怖い。あまりに自然に首に手をかけるから、何度か同じことしたことあるんじゃないかって。過去の話は聞きたくなかった。

話の内容としてはめちゃくちゃ苦手な部類に入るので、見ながらサクサクと小さいナイフで刺された気分になっていた。それでも「見ない方がよかった」とは微塵も思わない。おもしろかった。でも快晴は殺されてほしかった。
話のテンポも好きだし、あまりにも斜め過ぎる八百屋舞台(って言っていいのか?)で演じる身体能力はすごい。テーブルの上のものが全然落ちないのどういう工夫なんだろう気になる。オチのやるせない感じもよかった。

照明もカラフルでセットや衣装が基本白だからきれいだった…んだけど、帰り道に駅までの間に何軒かラブホがあって、道を照らしていたネオンの色が劇中のものとほぼ同じでとても微妙な気分になった。

次回公演も気にしておこうとは思うけど、きっとまた予約する決心はつかずに当日券飛び込みな気がする。

 

余談。

冒頭の唐揚げレモン論争であのドラマ思い出して笑っちゃったけど、あれも死にはしないけど4人があーだこーだ意味のない討論繰り広げる内容だったしめっちゃ好きだった。
それと、始まった瞬間に『ぼくの地球を守って』の月基地を思い出した。あれも男女数名が閉鎖空間で過ごしてて全員が白い服で今後死ぬことが確定していているからあらゆる事件が起こってしまうやつで、見てる間だけぼく地球の記憶を引っこ抜きたかった…○○に似てるって考えながら見るの好きじゃないんだけどしょうがなかった…くやしい…。

そんでこれは個人的な好みの話なんだけど、男同士の言い争いは好きだけどそれに女が混ざると苦手で、標準語だと倍率ドンで嫌になるので今回結構しんどかったのはそのへんが大きい。でも関西弁だったら身近でリアル過ぎてもっとしんどい気がして、じゃあなんだったらいいんだよって考えた結果が「武士言葉」だったので、わたしは現代劇を見るの本当に向いてないと気付いた。
あらすじだけで苦手だから避けるものはあるし、内容あまり知らずにいったら苦手でダメージ受けて帰ってきたものもいっぱいあるけど、「苦手だけど見たいもの」もあるから観劇って楽しいししんどいよなぁって思いました。

 

余談2。

会場に向かう時に豪快にスマホを落として画面が壊れて電源が切れなくなって、まずい…このままでは『観劇中にスマホ電源切る切らない論争』の当事者になってしまう…!って勝手に焦った。(開演前に受付に預けましたお手数かけましたすいません)客入れBGMを聞きながらチラシ見たりアンケ途中まで書いたりする開演前の時間も楽しいから、みんな電源は切ろう。
なので感想を書けたのが2時間後で(電車でちょっとメモ取ったりはしたんだけど)だいぶ頭も冷えた頃だったので、もしスマホが壊れてなければもっと荒々しいツイートをしていたかもしれない。その場の勢いって大事だしその時の気持ちは戻ってこないからちょっともったいなかった。

中之島春の文化祭2017感想

その日のうちに感想書ききれなかったせいで、下書きに保存されてる記事が5つくらいある。
そもそもここはtwitterで呟いた感想をまとめるために作ったブログなんだから、直脳でも雑でもいいからとりあえず先につぶやいとかないとなぁ。

という教訓をもとに、その日のうちにざざっとつぶやけた中之島春の文化祭2017の各団体の感想まとめをコピペしておきます。

 

中之島春の文化祭は、関西小劇場の縮図のような(関西外から参加される団体さんもいるのだけど)イベントです。1団体20分の一発勝負。その内容は、歌ダンス演劇コントなんでもあり。次回公演の導入部分だったり、逆に過去公演のダイジェストを演ったり、文化祭用に一本作って来たり、そもそも文化祭にしか出ない団体があったりととても多彩。普段は別の劇団に所属しているが今回は○○さんのところで、というゲスト出演は当たり前で、一人で何度も出る人も。

去年初めて行った時はPatch以外の出演団体は全部初見(DVDで見た団体や名前だけ知ってた方は結構いたけども)だったのに、今年はいくつか本公演に行った団体もあり、役者さんの顔もかなりわかるようになっていた。めっっちゃ楽しかった。

 

そんなわけで、以下感想。基本的にコピペですが、敬称略にしたのと一部誤字等訂正してます。

1日目

Aブロック

◆ダイナマイトしゃかりきサ~カス
相変わらず歌がめちゃくちゃうまい…大阪弁のあの歌、聞くの2回目のはずだけどすっかり覚えてしまった。ジャズからのボサノバなラジオ体操、本当に何の曲か5秒くらいわからなかった!かっこいい…

◆ABCアナウンス部です。
去年より良い意味での茶番感が増していて、おもしろかったし安心して笑えた。どんどん減っていく柴田アナの台詞w関西地方の例えすごくわかりやすかったから他の作品もああいう朗読してほしい

ヨーロッパ企画
抜群の安定感とゆるさ。開始数分でわかるサカイ先輩のサイコっぷりがすごい。放送部の先輩とのラブロマンスが始まるかと思ったら全然そんなことはなかった!

◆劇団空組
初見。以前からお名前は拝見してたけど、女性のみの劇団なのは今回初めて知った。王子めっちゃイケメン。かぐや姫見たことある気がしてたら筋肉少女のヒロミだ!全然違う!!

◆石原正一ショー
with澤田誠さん。そもそもアオイホノヲの時点でズルいわそりゃおもしろいわ!と思いつつも、ドラマとはまた違う熱さ&ゆるさがよかった。あのトン子さんすごく好きだわ…

 

Bブロック

◆いいむろなおきマイムカンパニー
去年よりも人数が増えてシリアスというかシュールに。後ろ4人の人ならざるもの感が、良い意味で不気味で全く目が離せない。人形操るの文楽みたいだったなぁ。早送りのとこすごかった…!

◆笑の内閣
初見。ハッシュタグの諸注意で、今年はPMC某さんおらんのにどういうことやろうと思ってたらここかー!めっちゃうまいしまとまってるし面白かった、のに感想が言えないの辛いし困る。喋り方うまくてどんどん本物に見えてきてた…ABCホールであの曲を聞くとは。

◆ムーンビームマシン
去年の人数多目のファンタジーイメージ強かったから会話劇にびっくり。ダンサーさんの衣装めちゃくちゃ可愛かったけどピアノの鍵盤モチーフなのに最後まで気付けなかった。思わず一緒に4分33秒について考えてしまった。

◆満員劇場御礼座
初見。伏線もあったけど全体的に微笑ましく最後はじんわりと。自分がペット飼ったことないので、なるほどこういうこと考えてるのか~って素で納得してしまった。ハッピーと一緒に真剣に聞いてたけど、何言ってるかはほぼわからず!

◆STAR☆JACKS
実は初見。タイジさんの土佐弁があまりにうまくて、それでも聞き取りやすくてすごい。難しいだろうに。たった20分で以蔵の心情が見事に描かれていて素晴らしかった。武市先生最期までクズかと思ったら救済あってちょっと安心(笑)

 

Cブロック

◆ビーフケーキ
一本目が普通に面白かったから油断してたら、そのあとがブラックユーモアというかほんとブラック!何回かヒェッって言っちゃった。でもなんかクセになるんだよな~好き~。「あっだから腕がなかったのか、」って呟きがよかった。

◆劇団ZTON
「そこ普通被る!?」という以蔵と武市先生被りにちょっと笑っちゃったけど内容はシリアス&殺陣殺陣そして殺陣。アレめっちゃびっくりしたけど何事もなかったならよかった。ああいうタイプの龍馬はきっと厄介。あと吉村寅太郎のその後を思ってちょっと悲しくなった。

◆十三クラブ
OPを思わず口ずさみそうになる(好きな曲)。しっかしよくミツバチネタだけで20分持つなすごいな?小ネタの数が多い。しつこいまでのアブ推しめっちゃ笑った。不祥事起こしてもちゃんと謝罪終わらせてて、あそこブラックなのかホワイトなのか…イエローか?

◆劇団壱劇屋
そこの空間を掌握する力がすごい。舞台が一気に壱劇屋のものになる。役所の職員さんの制服がとっても素敵。本公演の日取りを決めかねてたけどさっき決まりました、ゲスト含めめっちゃ楽しみです。智ちゃんが可愛かった。

◆ステージタイガー
去年もそうだったけど最高に後味が良い…熱さもベタもありつつも、最後はすっきり爽やか!大人の青春だなぁ。親父さんのシーンでじんわり。蔵元ゲーム、いいと思います。

 

 

2日目

Dブロック

スイス銀行
初見。奈良の良さの伝わるコント(?)。自分が半分奈良民みたいなもんだから石舞台で噴いた。後半のチアのああいう勢いだけで押していく感じ好きだった~どうにもならないOやRやE!

◆カヨコの大発明
初見。めっっっっちゃおもしろかった…曲選偏ってるなと思ったらまさかの本人。邦楽ラブソングの変遷の使い方がすごくうまいし、ああいう仰々しい演技が全員見事にハマってた。ユーミン好きやで!

オイスター
出オチ感がやばい。握力と床の心配をしてしまったお疲れ様です。どうやったらああいう発想が出てくるのか普通に感心する…からの、ダンスのクオリティの高さよ…

◆匿名劇壇
演目的には去年と一緒だったけど、某映画のヒットにより今年やる意味もあったなぁと。好きな演目を、改めてキャストの顔を把握した状態で見れて嬉しかった!あと去年も言ったけどハルヒから10年以上経つのやばい。

◆劇団赤鬼
事件の話が出た時点で察してしまって、ずっと堪えながら見てたけどお父さんパンチで完全に涙腺決壊した。帰ったら家族に感謝の言葉を言いたくなった。あと普通に通り魔さんが怖すぎ。方向は違うけど演出家役の田川さんもめっちゃ怖かった。

 

Eブロック

春野恵子
今年はロック浪曲!ただ曲に乗せてるだけでなく、元の歌詞の韻を踏んでいて面白かった!それでいて聞きやすいわかりやすい。衣装もロックで素敵。おさんと茂兵衛のその後をググってあぁ…って頭を抱えたけど近松が気に入るんだからそりゃそうなるか~

◆劇団レトルト内閣
今年もリーマン講座!というか文化祭でしか見れてないので本来の作風が未だに謎。共感できるようなできないようなラインが絶妙。スーツでのダンス見るのが好きなのでクライマックス(?)が眼福です

◆かっぱのドリームブラザーズ
初見。舞台を!!!使ってください!!もったいねぇ!ああいう客席巻き込み系の作品って久々に見た気がする…面白かった。今後すまたん見る度に謎の笑いが込み上げそうです

劇団Patch
キャラ配置も話のアホさも台詞のテンポも衣装も色々ツボだった…そして去年よりも確実に安心して見れたし面白かった。誰が書いたんだろうこれ…。
警備員の話かと思ったらセキュリティ破る側の話なの意外だったし、みんな良い意味で気持ち悪くて好き。最終的にツッコミ不在。交際期間が高1から・中3の冬期講習から・夏期講習から・小6からときて、高2の5月に15分だけという言葉の威力と悲しさよ…。
上でも言ってるけどスーツが大好きなので、推しメンのスーツありがとうございました。

◆N-Trance Fish
出番が控えてるはずの丈二さんがしっかり出ててびっくり。やっと踊ってる和田さんが見れた~!カップル4組それぞれタイプが違ってて、紺と赤の身長差カップルが素敵だった。全体的にスキルがめちゃくちゃ高いからどこを見ても楽しい。

 

Fブロック

◆Micro To Macro
初見。クレイジーフォーユーパロかと思ったら違ったし曲もオリジナルと聞いてびっくり。良い曲だった。こわもての編集さんめっちゃいい人。月子がヒステリー起こすとこ、胃の辺りにグリっと来た。

◆オパンポン創造社
基本が野村さん一人だから誰がどうくるか構えていたらハートフルな親子の物語が始ま…らなかった!!布面積の少なさが文化祭イチどころか今のとこ今年一番だわ!普通って、何だろうね…

◆THE ROB CARLTON
本当に安定しておもしろい…ただのじゃんけんをあれだけ広げるのすごいし、あの国籍も違うだろう3人がどう知り合ってどういう関係性で何でじゃんけんすることになったのかめちゃくちゃ気になった。ゴミ捨て当番だったりしないかな。

変ホ長調
今回もゆるおもしろかったけども、ワイドショーの時事小ネタが盛り沢山なので、好きな俳優さんになんかあった年は小さいカッターで心をサクサク刺された気分になるね…。突然のGENJI推しと出演者いじり笑った。M1また頑張ってほしいです。

◆MousePiece-ree
おもしろくないわけがない!3人なのに端から端まで駆けずり回って熱量がすごいけどやってることはアホらしいし話は何も進まない。それでいい。また変なゲーム(今回体操だったけど)始まってめちゃくちゃ笑った。どうやって考えてんだあれ…

 


◆田川さんのギャグ100連発
去年は、誰や!?あっジョルジュの人?ってびっくりしてたけど、今年は出てきただけでヤッター田川さんだーー!ってテンション上がった。照明効果がついたの笑った。
ソロライブ決定おめでとうございますなんとか予定合わせたいです!

◆エビシー
衣装チェンジ可愛かった。2日目のグッズ抽選、知人二人に当たって中身見せてもらったんだけどめっちゃ素敵だった~来年は当たるといいな。

 

総括

Cブロックにめっちゃ動けるとこ、Fブロックにめちゃくちゃ笑えるとこが固まってて、プログラム発表された時びっくりしたなと。
ブロックで好きだったのはDだな~満足感が半端なかった。
個人的お気に入りは1日目がSTAR☆JACKSさん、2日目がカヨコの大発明さん。

新たに本公演行ってみたいなと思ったのはスタジャさんと赤鬼さん。あと田川さんのソロライブ。


今年もぼちぼち小劇場ライフを楽しみたいです。

Patchを推し始めるまでに2年かかった話。

ハブレンお疲れ様でした、そして劇団Patch結成5周年おめでとうございます。

ハブレンの初日以降のちゃんとした感想(結局6公演行った)も書きたいんだけど、結成日ということで色々思い出してみたくなりまして。ただの自分語り。

 

ちょくちょくTwitterで言ってる話の繰り返しですが、わたしが劇団Patchを知ったのは2014年に開催されていた大坂の陣400年イベントでのPR武将『大坂RONIN5』の誕生のニュース。夏前くらいだったかな。
長宗我部盛親(岩崎くんがやっていた緑の子です)が元々推し武将で、大坂五人衆も大好きなのでこのニュースに大はしゃぎしていたら友人に「これ、Patchじゃない?」と言われた。大阪に住んでるしそこそこ若手舞台見てたはずなのに、この時までPatchの存在すら知らなかったんですよね。ごちそうさんもあんまりちゃんと見てなかった。

へー関西版Dボなんやと思いつつも、「若手にハマると怖いしなーそれに武将は好きだけど中の人は興味ないしなー」ってスルーしていました。これらは特撮から戦国鍋に駄々ハマってライブに何回も行ってたヤツの発言です。全く説得力がない。

RONIN5についてはいつか別口で語りたいです。

 

で、初お披露目イベントへ行ったり、大阪城行く度についでに演舞見て名刺もらったり、友人(戦国好き)を連れて行ったりと戦国オタクなりに楽しんでいたのだけど、イベント自体が一度終わり(冬の陣・夏の陣にわかれていたので)RONIN5に会えなくなった。そこでようやく、「そういえば役者さんなんだよな、普通の演技も見てみたいな」と思ったのが2014年冬。

8番勝負には間に合わず(画像ファイルを漁ったら8番のチラシを持った盛親の画像が普通に保存されていて、当時のわたし本当に中の人には興味なかったんだなと逆に感心する)、観音も見れず(でもいきなり観音から見てハマってたかどうかは謎)、その次に発表されていたのが『SPECTER』だった。

 

末満さんの作品は友人に『ステーシーズ』『我らジャンヌ』を見せてもらっていてどちらも好きだったので、末満さんなんだじゃあ見ようかな~と気軽に構えていたら全力で繭期の友人らに「待った!!!」をされて、D2版TRUMPとリリウムのDVDの角で殴られたのが2015年1月。何も知らずに飛び込むところだった危ない。

シリーズの予習もして、劇団員の顔と名前はRONIN5やってた4人(井上中山吉本岩崎)だけ覚えた状態で臨んだSPECTER。あの内容じゃないですか。次々と衝撃が襲ってくるじゃないですか。メイクも衣装もすごいじゃないですか。

ぜんっっぜん顔と名前覚えないまま帰ってきたよね!

さすがにメインだった中山三好と、正直盛親の時とほとんど変わらなかった岩崎を認識することはできたのだけどそれ以外はほぼわからない。単純に繭期を拗らせた。友人達がRTしてくる写真や末満さんの裏話もそこまで頭に入らず、ただただ衝撃のままわたしの初Patch stageは終わった。後夜祭とかやってたのあとから知った。

 

2015年春。再びRONIN5が動き出して、昨年ほどではないがまたちょこちょこ見に行く。このイベントが終わればわたしとPatchの繋がりはまた絶たれるはずだったのだけど、この頃友人から「夕陽伝のチケット余ってるんだけど行かない?」と声がかかる。名前はよく聞くDステ。出演者にも知ってる名前が多いが、その後ろの方にこないだ見た二人がいた。Patchからのスパイ、中山・三好。これも縁かな~とチケットを譲ってもらい見たのだけど、正直この二人(アンサンブルでした)のことはほとんど覚えていない。こうやって思い返すと色々と覚えてなさすぎるやろわたし…。

同時期に、出勤前に見ているZIPすまたんから聞き覚えのある甲高い叫び声が聞こえることにも気付く。だいたい過酷な祭りロケやってる吉本くんの叫び声でした。

 

こうやってちらほら縁があるのに決定的な機会がないまま、2015年冬にNU版TRUMPを見て再び繭期に陥る。以前は借りて見たリリウムを見直したくなって自分でポチりに行き、ついでにとSPECTERも買う。更に繭期を拗らせるつもりでの購入だったのだけど、SPECTER特典映像で、若い男子が関西弁でわいわいしゃべりながらご飯食べて酒飲んでる図の可愛さに撃ち抜かれた。今までの小さな縁は何だったんだよというくらい、これが決定打だった。

本編そっちのけで特典映像を見る日々が始まり、そういえばこれ見たっけ…?とパンフ特典DVDも見て、やっと顔と名前を覚えだした頃にちょうど『幽悲伝』の公演があった。これタイミング完璧すぎたんですよ…。
夕陽の方も見たしせっかくだからこっちも見るか、くらいのこれまた軽い気持ちで見に行ったらとても良かったし、因幡のキャラがずるすぎて座席で震えてた。そして偶然アフターイベント付きの回で、やっぱり関西弁のにーちゃん達に撃ち抜かれる。なんなん、可愛いやん君ら。

 

変なハマリ方したなという自覚はあるんですが、こんな感じで2016年明けくらいからぱっち箱推しをはじめました。とはいえまだまだ若手役者との接触イベや小劇場の距離の近さが怖くて2016年頭のファンイベは行かず、オンタマは一回行った(行けて本当によかった)けどフォアコンは行かず、アキパチvol.1も行ってないので、本格的に現場に顔を出し始めたのは3月末くらいかなぁ…。どっちもPatchの観覧も最後何回かは行った。

 

そんなわけで、知って3年ハマって1年。
末満さんが総合演出から離れられて、これからのPatchがどうなっていくか。正直、とても楽しみです。
6年目のPatchも楽しみにしています。

少年の透明感と「To be, or not to be」(4/20ハブレン初日感想)

※めちゃくちゃネタバレをしています。


以前アワベビの初日の率直な感想を残しておいたら、あとで見返した時に自分のじゃないみたいで面白かったのでハブレンでもやろうかと思いまして。
ちゃんとリンク貼ったりあれこれ注釈入れたりは千秋楽終わってからにしますね。

 

4/20初日(ソワレ)を観劇。
実は初めてのインディペンデントシアター2nd。仕事終わらせてそわそわしながら来たら、整理番号の前も横も知り合いみたいな状況に(パチ合戦後に最速で買ったから当たり前ではあるんだけど)笑った。いつの間にかPatchや小劇場関連の知り合いが増えました…ありがたい話です…。
客いじりがあったらどうしようとか思いながらも最前で。どっちが正面かわかんないっていうか舞台が円形だったので、とりあえず入って手前側(キャストが通路から来る方)に。明日は逆に座りたい。

原案のハムレット、ちょっと予習したら登場キャラほとんど死ぬよ!!って感じなので、作品内での殺し殺されが好きな私は「さー何人死ぬのかなー」って少しウキウキしながら行ったら客が田中亨に殺されるというまさかの事態に。マジかよ。

 

もちろんみんなすごく良かったんです。松井さんの闇を抱えた主人公力の高さ、藤戸くんのホストちゃん前後で培われた(松井さんの)舎弟感、らんくんは振り切っててキャラが濃すぎるし(ずっと千鳥足だしすごい声してるけど大丈夫かなあれ)、有馬くん尾形くんの普段から仲良し故のコンビネーション…からの演劇シーンでの空気の変わり方、実年齢差を見事に演技(と見た目)で埋めていたたかしくん、個人的におおっと思ったホルモン屋で客やってる時の山ちゃんの煙草のしぐさのかっこよさ、頑張ってるのに追い詰められていく星璃くんの苦悩に満ちた顔とアグレッシブな動き、真吾ママ…もといがんこちゃんは普通におかんに見えたしラストの展開めっちゃ良かった、トレンチを肩にかけびっこ引いて眼鏡かけてる竹下蛍原は正直ビジュアルから何からずるい!!!

と、ひとりひとりについていくらでも語れるほどしっかりキャラが立っていたし(これに関しては末満さんの脚本がさすがだよなぁ)、あのシーンが良かった!目が足りなかった!とも沢山思ったんだけど、でもやっぱり最初に思い出すのは、月に手を伸ばす少年、歩野親春(演:田中亨)の姿。

 

親春はちょっとメイクの方向性が違うのかな?ぱっつんが可愛いのはもちろん、目もぱっちりしていて唇もピンク。「なよなよしてて女みたいだな」と言われることに説得力がある。素直に可愛い。
青い照明の中で月に手を伸ばし、そのまま一歩、また一歩踏み出す。あまりの美しさに「絵画みたいだな…」って思ったのだけど、そういえば元キャラはオフィーリアなんだった。絵を描きたくなるのも当然か。青い照明に溶け込んでしまいそうで、亨くんこんなに雰囲気ある子だったっけと考えて、亨くんの演技はほとんど見ていないことに気付く。フォアコン行ってないので。

親春が亨くんだって発表された時に「もしたくちゃんがハブレン参加してたら親春ってたくちゃんがやってそう」という話をしたことがあって、でも実際見てそれは違うなと。少年キャラの得意な納谷くんももちろん違う。2年後の田中亨でもきっと違う。高校を卒業したばかりの若さと、まだあまり役のイメージがついていなくて何色にも染まっていない亨くんだからこそあの親春になったんだなぁ。

彼が最期に言った「月に手が届いた」というのは、空想の中の話だったのか。それとも、橋から落ちる時に目に入った「水面に映った月」だったのか。かくれんぼは、いつまでも続くのか。残りの公演も見守りたいです。

 

もうちょい全体の話をすると、ハブレンは「演劇を見た」っていう実感がとても強かったです。ぱちすては基本的に衣装が豪華・人数が多くて舞台上が満員・殺陣が多い等で「派手やなー」って思うことが多いんだけどその辺がそぎ落とされてて、誤魔化しの聞かない分とても演劇だった。アドリブっぽいネタや地のツッコミ等笑いはあったけどそのバランスも絶妙で。あれ以上無茶振りパートが長いとダレる。ギリギリ。

 

「To be, or not to be」の訳「どないせえっちゅうねん!」だけど、公演中に軽く膝を打った。心の中で「それな!!」って心のいいねボタンを連打した。予習で読んだハムレットの巻末にここの訳一覧が載っていて、どれもしっくり来ないなと思っていたのですっきりした…もちろんハブレン以外では使えないのだけど。
思ったより原作の流れを汲んでいたし、決闘シーンそう来たかー!って感心しながら泣いた。作中劇にそのままハムレットを持ってきて演じさせるくだりがすごく好き。

確実にぱっちの代表作になると思った…ら、思った以上に実際の商品名地名固有名詞既存曲のオンパレードで、これDVD化できるのか?許可取ってんのかもしれないけど。
キャパ150の小さな劇場であの距離で見る意味は確実にあるから、チケ無い方も譲渡とか当日券とかで見に来て欲しいなぁ…。

 

ところで日替わり蛍原さん、よしくんだと強すぎない?誰も勝てなくない??って思うので日曜日が楽しみです。