ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と、推しさん。

匿名劇壇『レモンキャンディ』

匿名劇壇さんの本公演は今回が初めてでした。

匿名さん自体は中之島春の文化祭で見て、福谷さんの脚本で見たことがあるのはPatch8番勝負其の参『森ノ宮演出家連続殺害事件』と年明けにやってた環状線ドラマ2の鶴橋駅回だけかな?あと東さんは筋肉少女で見た。森ノ宮~には石畑さんも出ていた。

森ノ宮~』の感想をまだ書けてないけどすごく好きな作品で、でもそれはPatchが演じているからなのか福谷さんの脚本が自分に合うからなのかがわからなくて、本公演に行ってみないとなぁとは常々思っていた。(これは前者だった気がする)
あと、時折RTで流れてくる福谷さんのつぶやきやブログを読む度に「色んな意味でおもしろい人だなぁ」とも思っていた。最近の、アマサヒカエメのタカイさんとのTwitter上での喧嘩からのブログでの叫びからの『水の泡』出演発表という茶番に「やられた!!」って頭を抱えてしまったので。

いつ行こうか決め兼ねていたら初日の感想がTLに流れてきて、いつの間にか土曜のチケットが売り止めになっていて。えーい仕事帰りに行ってやる!と5/19(金)マチネを当日券で観劇。ホットドッグおいしかった。

『レモンキャンディ』

 

ここは落下する飛行船。

上空1000000000kmで、ついに故障した飛行船。

地面に到着するまでが、あと七日間の飛行船。

四人の女と四人の男。

何をして過ごそうか。

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 重力はどうなってんだとか10億キロとかありえないだろ(これは作中で答えが出る)とかそういう話は置いといて、7日後に死ぬけどどうするよ?という話。
宇宙という概念が通じないところ以外はそこまで日常から逸脱したものはなく、謎のアイドルソングもカルト宗教もドラッグも、わたしが知らないだけで存在しそうだった。
だからこそ、めっっっっちゃしんどかった。

ブログを読む度にすごいなと思う流れるような福谷さんの文章を、これまた流れるように台詞として話す劇団員のみなさんがうまくて、本当に皆7日後に死んでしまうような気がしてしんどい。綿雪が本当に快晴を殺しそうでしんどい。雨水の静かな怒りが伝わってきてしんどい。総じてしんどい。

ああいう極限状態でなくても、普段いる環境やお金の価値観の合わない人とは一生仲良くなれないんだろうなって思ったけどそういう話ではない?育ってきた環境が違うからセロリが好きだったりするんだし(例えが古い)

8人もいるのに声や見た目が全員見事に違うのって良いなー。誰も舞台上で埋もれないくらい個性豊か。
パッと見だけで快晴のホストとしての、砂嵐のオタクとしての説得力がすごい。でもやっぱり快晴は許さん。
砂嵐普段何描いてるんだろう…実際同人誌で儲けが出るレベルって男性向け18禁だけども(マジレス)
ああいう時にモテるのって雷鳴なんだなぁ。それは女としての本能ってことなのかな何だか癪。
最後まで特に曇天がいいとこなくて笑ってしまった。普通の人代表って感じなのかな。
綿雪の東さん、不思議な声をしている。口汚い言葉を吐くけど、ギャグシーンではあの巻き舌のおかげか嫌な感じがしない。
朝凪はただひたすら怖かったからずっとそうしてたんじゃないかなって思う。
夜霧も話は空振りばっかりだし殺されかけるしいいとこないけど、自殺未遂のシュールさが最高だった。
雨水はほんと怖い。あまりに自然に首に手をかけるから、何度か同じことしたことあるんじゃないかって。過去の話は聞きたくなかった。

話の内容としてはめちゃくちゃ苦手な部類に入るので、見ながらサクサクと小さいナイフで刺された気分になっていた。それでも「見ない方がよかった」とは微塵も思わない。おもしろかった。でも快晴は殺されてほしかった。
話のテンポも好きだし、あまりにも斜め過ぎる八百屋舞台(って言っていいのか?)で演じる身体能力はすごい。テーブルの上のものが全然落ちないのどういう工夫なんだろう気になる。オチのやるせない感じもよかった。

照明もカラフルでセットや衣装が基本白だからきれいだった…んだけど、帰り道に駅までの間に何軒かラブホがあって、道を照らしていたネオンの色が劇中のものとほぼ同じでとても微妙な気分になった。

次回公演も気にしておこうとは思うけど、きっとまた予約する決心はつかずに当日券飛び込みな気がする。

 

余談。

冒頭の唐揚げレモン論争であのドラマ思い出して笑っちゃったけど、あれも死にはしないけど4人があーだこーだ意味のない討論繰り広げる内容だったしめっちゃ好きだった。
それと、始まった瞬間に『ぼくの地球を守って』の月基地を思い出した。あれも男女数名が閉鎖空間で過ごしてて全員が白い服で今後死ぬことが確定していているからあらゆる事件が起こってしまうやつで、見てる間だけぼく地球の記憶を引っこ抜きたかった…○○に似てるって考えながら見るの好きじゃないんだけどしょうがなかった…くやしい…。

そんでこれは個人的な好みの話なんだけど、男同士の言い争いは好きだけどそれに女が混ざると苦手で、標準語だと倍率ドンで嫌になるので今回結構しんどかったのはそのへんが大きい。でも関西弁だったら身近でリアル過ぎてもっとしんどい気がして、じゃあなんだったらいいんだよって考えた結果が「武士言葉」だったので、わたしは現代劇を見るの本当に向いてないと気付いた。
あらすじだけで苦手だから避けるものはあるし、内容あまり知らずにいったら苦手でダメージ受けて帰ってきたものもいっぱいあるけど、「苦手だけど見たいもの」もあるから観劇って楽しいししんどいよなぁって思いました。

 

余談2。

会場に向かう時に豪快にスマホを落として画面が壊れて電源が切れなくなって、まずい…このままでは『観劇中にスマホ電源切る切らない論争』の当事者になってしまう…!って勝手に焦った。(開演前に受付に預けましたお手数かけましたすいません)客入れBGMを聞きながらチラシ見たりアンケ途中まで書いたりする開演前の時間も楽しいから、みんな電源は切ろう。
なので感想を書けたのが2時間後で(電車でちょっとメモ取ったりはしたんだけど)だいぶ頭も冷えた頃だったので、もしスマホが壊れてなければもっと荒々しいツイートをしていたかもしれない。その場の勢いって大事だしその時の気持ちは戻ってこないからちょっともったいなかった。