ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

ミュージカル『HEADS UP!』感想「チケットを売ったってことは、約束したってこと」

togetter.com

 わたしがヘッズアップのことを知ったのは、このニュースを見たからだった。
昨年春の「てるみくらぶ」や記憶に新しすぎる「はれのひ」と同じパターンの倒産で、ひどい話だな…とは思っていたのだけど、「よりによってHEADS UP!の公演中止とは…!」というつぶやきが目についた。
どゆこと?へぇ、バックステージミュージカルなのか。っていうか再演か。うわっキャストみんな知ってる人ばっかりやん!気になる!と、興味を持つ。 

この件は主催が「被害者の方を東京公演に招待する」という形で決着が着いたようで、東京公演自体はまだなのだけど、今度はこういうつぶやきをたくさん見た。

 

「チケットを売ったってことは約束したってことですよ。良い芝居をしますって」

 

 まだ内容を知らないなりに、あぁいい台詞だなぁ…きっと良い作品なんだろうなと思って見に行ったら、その台詞から始まるM9『チケットは売れている』で、号泣することになる。

 

ミュージカル『HEADS UP!』

www.m-headsup.com

ミュージカルファンなら誰もが知る "あの名作" が1000回目の公演を迎え、華々しく終了したはず…だった。が、ベテラン主演俳優は某地方都市の古い劇場で1001回目を上演することを要求。誰も鶴の一声には逆らえず、上演することになったが、舞台美術は廃棄済み、キャストのスケジュールも押さえていない、スタッフも人手不足、演出家は理想のプランを頑として譲らず…。しかも、舞台監督はメインをはるのが初めての新人!

それでも、スタッフたちは、幕を開けようと必死に知恵を絞って奔走する。幸か不幸か、チケットは完売!観劇のために必死に都合を付けた観客たちが、期待に胸ふくらませて待っている!!

果たして幕は無事に開けられるのか…!?そして、主演俳優が「1001回目」にこだわった理由とは…?

 ミュージカル「HEADS UP!/ヘッズ・アップ!」公式ホームページ

 この日曜まで大阪公演があってそのあと名古屋・東京と続くので、演劇を愛する全ての人に見てほしい作品。ミュージカル俳優ばかりではなく、哀川翔さん・青木さやかさん・芋洗坂係長さん等普段はテレビで活躍されてる方もいるので、あまりミュージカル詳しくないし…って方にもオススメしやすい。

キャラクター名は設定されているけれど、作中ではあまり意味をなさない。「舞台監督」「制作」「演出部」「音響」「照明」「小道具」「衣装」等々それぞれのプロが真摯に仕事をこなす。ちょっとシンゴジラ思い出したのでシンゴジ好きな人は好きだと思うなー(マーケティングが雑)

 

あらすじにあるように舞台裏でドタバタするコメディミュージカルで、あーこういうの好きだわー三谷幸喜みあるなーと思ったりして(あとで調べたらミタニンもそういった作品やってたんですね、ショー・マスト・ゴー・オン。)、唯一演出家である海老沢にイラッとくることはあるけども基本的には楽しく見れる。演劇の裏方経験のある方が見たら、胃にクるようなシーンがいっぱいあるのかもしれない…。

女性関係だとかの揉め事も、ちょこちょこ挟まれるけどサラッと流される。小道具の桃子が「私の夢は、女『で』舞台監督!」と明るく宣言するのだけど、その一言だけで「あー、女性の舞監ってあまりいないんだな…大変そうだな…」ってわかる。この辺が絶妙で、これ以上舞台裏で起こっている人間関係や予算周りの実情をアリアリと見せつけられていたらわたしには辛かった。そういう「裏側」と、リノリウムを敷いてガムテで止めて、照明を設置してセットを組むという「裏側」のバランスがちょうどよかった。

そうやってのんびり見ていたのだけど、急遽セットを作り人を用意しなんとか公演を打てそうだ、というタイミングで口を出し公演中止を要請する演出家に、制作が声を荒げて抗議をする。

「公演は絶対やります、死んでもやる!」

「だって私たちはもうチケットを売ったんだもの」

「チケットを売ったってことは約束したってことなんですよ、良い芝居をしますって!」

この台詞を聞いた瞬間、冒頭の公演中止騒動を思い出し目が潤んだ。あぁなるほどそういうことだったのか。そりゃ初演を見ている人にとってはこの作品の公演中止の辛さも、その後の対応への賛辞も頷ける。被害者の方々、東京公演楽しんでほしいな…って、他人事に対しての涙であったのだけど。

そこから展開する歌に、心を打たれすぎた。

 

M9『チケットは売れている』

 

朝から晩までルーチンワーク みんな 暮らしに疲れてる

ランチの食費を切り詰めて チケットを買ってくれる人がいる(ありがとう)

カレンダーに印をつけて その日来るのを待ちわびて

朝から少しおめかしして みんな劇場に向かう

 

ミュージカル『HEADS UP!』パンフレット内歌詞より一部抜粋

私やん!!!!

公演が金曜日だったのでまさに仕事に疲れた週末、ランチ以外も色々と切り詰めてチケットを買って、職場のデスクのカレンダーには本当に印がしてあって…最近買った服を着て…そうなんですよ……

舞台上も明るくアップテンポなナンバー。そんな中で号泣(するわけにはいかないから声をこらえプルプル)していたので、多分周りのおばさま方に「泣くポイントどこ!?」って思われてたかもしれない。ごめんやで。

 

舞台って、なかなか博打な趣味じゃないですか。時折ネットで議論にもなるけどフライヤーだけじゃどんな作品かさっぱりとか、地方公演がなくて遠征するしかないけど自分の好みの作品かわからないとか。わたしの観劇歴はまだせいぜい5年ほどだけど、合わなかった作品だっていくつもある。半年先の予定は埋まるしチケット代は今飛んでいくから、友人との旅行は何年も先延ばし。そんなんでいいのかな、このまま観劇を趣味にしていいのかなと思う時もある。

でもヘッズアップを見て、あぁそうだわたしは舞台が好きなんだ、そうやって楽しみにして劇場へ行くのが好きなんだ。自分の席を探して座って、周りの雑談やオケピから聞こえてくる音出しでざわざわした開演前から全てが愛おしいんだ!ということを思い出せた。

順番が前後するけども、序盤でアッキーさん演じる熊川よっしーの言う「舞台上と客席は共犯関係」という言葉が好きだ。大掛かりなセットや映像技術がなくても、役者が言えばそこに海がある砦がある。寒いし暑い。舞台のそういうところが大好きだ。

浅学ながら裏方の仕事のこともそこそこ知ったつもりでいたが、作中には耳慣れない言葉もいっぱい出てきた。パンフの用語集や舞台ができるまでの工程が興味深い。まだまだ知らないことがたくさんあるということは、楽しい。

 

数少ない日本オリジナルミュージカルなので、パンフには全ての歌詞も載っている。(海外版権色々めんどくさいね!)日本語のために作られた歌で、日本人向けの話。神には祈らない。誰も銃を持ち出さない。セクシーなシーン…は少しあったけど(笑)現代ものだから前知識も特にいらない。本当に見やすい。こういう作品がもっとあればいいなぁって思った。

 

もっぺん言うけど、演劇を愛する全ての人に見てほしいです!!あとパンフレットの読み応えがすごいから買ってほしい。

 

 

ここから何人かキャラについての感想です。ネタバレあるよ!

 

 

最新の相葉裕樹がアンジョルラスだったので忘れかけていたんだけど、彼めちゃくちゃ可愛いんだった…可愛い…。レミゼは歌オンリーなのでしゃべるばっち久々に見ましたそういう声だったわ!かわいい!!顔がきれい!!新人の舞監・新藤の成長物語だと思って見始めたんですけどそんなこともなかったですね。作中でも言われていたけど、周りに助けられていた。彼はまだ、ここからだ。搬出が終わったあとに紙切れを拾い、一人深々と舞台に向かって礼をする姿、美しかったです。

いけじゅん!!ゴーカイの鎧以外で見るの実は初めてだったんですけど、役柄的にちょっと態度の悪い鎧で笑った。ヒーロー好きに悪いやつはいねぇ。回想シーン本当に子どもに見えた。ちょこちょこ動くしダンスの振りがでかい!色んなところで見たい役者ではあるんだけど出てる作品の傾向的に機会がなかったので、見れてよかった。ここ二人で戦隊ヒーローの話をするところ、さすがにテンション上がった特オタです。こういうヒーロー話、仮面ライダーっぽいものでやることが多いんだけど戦隊なの嬉しい。

桃子役のエツ子さん!こんなに出番のある役だと思って無くて、えっあれエツ子さんだよな…髪赤いもんな…って何度か目を疑った。新藤に対する扱いの慣れが微笑ましい。同期だったりするのかな作中でなんか言われてたっけ?普段挿入歌で聞くことの多いエツ子さんの生歌、いっぱい聞けて嬉しかったー!

陰山泰さん、いつも事前のキャストチェックでは何故か見逃してて出てきてから「あれっ!?」って気付く。安心感のある声。見るのは嵐が丘グランギニョルと来て三作目かな?いつもいいポジションの役で見守ってくださる。あのシーン、思わず敬礼したくなった笑

じゅんさんの声、なんか馴染みありすぎるんだけどそんな言うほど見てるっけ?って思ったら、風髑髏の贋鉄斎……ではなく、この印象は確実に蒼の乱の黒馬鬼。めっちゃしゃべるもんなあれ。終盤の「馬のシーンはどうする!?」って流れ、そこに馬いる馬!!って変な笑いが出てしまった。去年大河やってレミゼやって風髑髏やってからのヘッズアップですよね?まだあったのかな…お疲れ様です久さんかっこよかったよ…めっちゃ自然な職人だった…。

実は初アッキーさん。普段あまり東宝系行かないからタイミングなかったんだよ…歌はロックオペラの方のモーツァルトのCDでずっと聞いていたけど、やっと見れた。導入の、客席の心をつかむ台詞回しは見事。一気に掴まれたし「あっこの作品絶対楽しい」って確信した。
劇場の妖精さんだとふわっと聞いていて、新藤以外と会話してないのには気付いていたし自撮りするのがインスタントカメラ!最近また流行ってるとは聞くけどやっぱあのフィルム巻く音懐かしいな!あぁ現代の人ではないなというか人じゃないな、って思いながら見てたけどもその正体はだいぶ壮絶だったし、でも本人の雰囲気は柔らかい。劇場の気、わかる。二幕を最後まで見れてよかった、と涙ぐむ熊川さんにもらい泣き。
いっぱい歌う作品も見たいし、改めてアッキーさんの歌に酔いしれたい。

今さんの歌唱力圧倒的すぎて逆に笑った。今回の座組レミゼプリンシパル三人もいるんですね。うち二人は初演から再演の間に出た人だけど。アンサンブルも含めたらもっといるかな。
オーシャンズ11以来だった芋洗坂係長とか、パンフ見るまで気づかなかったけどホイッスル!出てた森内さんとか、隅から隅まで色んな気付きがあって楽しかった。アニキ25年ぶりのCDリリースおめでとうございます。

 

M9以外の曲の話全然してない!ということで追記。
みんな言ってるけどドルガンチェの馬の中毒性やばすぎるでしょ。馬でも靴でもいいけど、あのキレッキレの動きと一緒に脳内でリピートされてやばい。あまりに馴染み過ぎて、小さな頃に見たアニソンかの如く蘇ってくる。初めて聞いたのに。
何度もリプライズされるから耳に残る曲が多い。歌詞が全部パンフに載ってるので、一度しか見れてないけど稽古場映像やダイジェストで一フレーズでも聞けばだいたい思い出せる。

ただ新歌舞伎座二階、イマイチ音響がよくなかったのか時折まじで何言ってるのかわからなくて、パンフ見て「そうだっけ…?」って思うこともちょっとあった。新歌舞伎座初めて行って二階席の近さにびっくりしたりしてたんですが、仕様なのかな…。あの会場でフランス革命やるのめっちゃおもしろいですね1789行きたい。

 

余談だけど落ちてきた靴に対して「靴が主役みたいになっちゃった!」「キンキーブーツか!!」にめっちゃ笑ってしまった。キンキーもまた見たいなぁ。

 

f:id:yhforestmk:20180203173850j:plain

花の書き方に年代を感じる気がする。

『髑髏城の七人season月』上弦・下弦ライビュ感想

12月にあれだけ東京に行ったのに、全くスケジュール合わなくて関東荒野にたどり着けなかったのでライビュに行きました。どちらもソワレのみ。定時ダッシュが成功してよかった。

 

結局風髑髏の感想が書けていない…!一応こっち↓

yhforestmk.hateblo.jpの真ん中あたりにざっくりとは書いていますが、もっと色々言いたいことあったはずなのに。ゲキシネはよ。

花からの感想は髑髏城カテゴリからどうぞ。アカ・アオ・ワカはDVDやゲキシネで見ていて、97(と初演ダイジェスト)は近いうちに友人に借りたい。

月のキャスト発表の時の反応↓

yhforestmk.hateblo.jp

上下それぞれ一回ずつで、細かい台詞の言い回し等は曖昧。あとライビュカメラ、アップが多くて見えてないとこがいっぱいある。無界屋襲撃とか。
だいぶふんわりした感想です。まとまらないので思ったこと全部書いときます。長い。花の話をちょこちょこ挟んでいます。

あともう開幕から2ヶ月経ってて色んな感想も出てるから、月並みな感想しか出てこない…月どくろだけに…(?)

 

◆『髑髏城の七人season月』上弦・下弦ライビュ感想

一息で言うと、

「そこから始まるのずるくない!?えっうらやましい…うわ花だめっちゃ花!あぁそこそうなるのねなるほど……いや風だ!?鳥だーーーーー!?うわっあっやばい月!!めっちゃ月!!!!最高!!!!」

って感じでした。わかって。アカアオワカもあちこちで浮かんだけど、やっぱステアラの劇場ぢからがわたしを花の亡霊にする。

 

安土城始まりいいですね…人の男が天となる瞬間…。天魔王というキャラのインパクトを開幕一で物理的にド正面から受ける。わかりやすい。お着替え中の甲冑ダンスちょっとシュールで笑った。六欲天の文字、スクリーンに映ってたみたいだけどライビュだとあまり見えないので真ん中らへん忘れててあとでググった。
これ何回も言ってるけど、太一さんの絶叫が好きなのでウハウハしました。わたしのテンションがいきなり上がりすぎたせいかもしれないけどところどころなんて言ってるのかわかんなくて、次の日の下弦で補完したところはある。マントさばき最高やね…魅せ方が素晴らしくて魅了されまくった。
鈴木拡樹さん、そこそこ色んなキャラを見ているのですがどれも声が全然違って驚く。今回に至ってはメイクと表情が拡樹くんのイメージでなさすぎて、配役知ってたのに何回も「えっ誰」って思ってた…表情筋どうなっているの。鈴木天魔、台詞のテンポがちょうど良くて話を聞きやすい。そのへんはさすが。

「髑髏城で待っている」で〆るの、来たよー!ってレスポンスしたくなる。花が敦盛始まりでここの台詞はだいたい同じなので、一周回って帰ってきた感がある。

 

その後の荒野~タイトルバックまでの懐かしさ。荒野なんにもセットがない。花だ…。
最初から荒武者隊と手を組んでる霧丸、良い。上弦の兵庫と並ぶと二人とも身長一緒ぐらいで、言い争いしててもこどもっぽさが勝って可愛かった。

平間の壮ちゃん、見るのは2015年RENTぶりかな?相変わらず可愛いけどかっこいい。天使~!って思ってたらほんとに髑髏城の合間にTENTHでエンジェルやってて笑った。お疲れ様です。平間霧丸の声の感じが終盤の花沙霧っぽくて、衣装も藍色ベースだからちょこちょこ花沙霧を思い出す。松岡くんは初演NARUTO以来だと思う。平間霧丸よりもよく吠えるというかめっちゃ熱かった。がむしゃら感がマシマシ。

兵庫はどちらも勝地兵庫を思い出しつつも、須賀兵庫は更にこどもっぽく、木村兵庫はもうちょい頭良さそうで。最後のシーンも台詞全然違ってびっくりした。このへんは後述。

捨之介、「血の雨涙雨に傘をさす男」とか中盤らへんの「それらを川に流してやるのが大地の役目だ」とか、そう来たか…!って唸った。福士くんの性質もあるんだろうけどめちゃめちゃ陽。圧倒的陽キャラ。口ではそう言いつつも過去を捨てられない男はどこへ行った。天魔王のことも止める、っていうし、見た目はオーソドックスなのに新しい捨之介だった。ヒーローっぽくて好きだけど、往年の捨之介ファン的には思えば遠くへ来たもんだ…って感じなのかな…。

福士捨、時々めちゃくちゃ小栗捨に声が似ていてびっくりした。ライビュの段階ではだいぶこなれてたのかな?初舞台だとは思えないほど堂々として、少し余裕も見えた。あと顔が圧倒的に良い。ライビュありがとう存分に良い顔を堪能させてもらった。そういえば思ったよりフォーゼの弦ちゃんを思い出すことはなかった。
宮野捨な~いい声だな~!当たり前だけど抑揚の付け方が素晴らしい。映像に映ってないとこでもちょっとした声が聞こえる。宮野捨の髪型、天パか?って思ってたけど後半どんどん乱れていくにつれセクシーでとても良い。

 

無界屋に歌と踊りがあるとやっぱり華やかでいいな~って思うし、ここで売るのは春じゃない、そう夢!のくだりも好きなんだけどちょっと平形源右衛門が恋しくなってきた。あの一騒動、無界の里のポリシーがわかりやすくて好き。

わたし最初に見た髑髏城がアオのDVDなので、上弦の高田太夫見てあーっこの太夫知ってる!!!って嬉しくなった。そして兵庫が若いからオカンみがすごかった。網タイツ最高。
羽野太夫可愛すぎて思わず幕間で年齢を確認した(すいません)。ああいうキャピキャピとした太夫久々で可愛い~アカ~!って思ってたけど初演太夫あんな感じなのかな調べてみよう。高田太夫同様オカンではあったけど、お子さんまだ小学生くらいですかね?って感じ。

 

ご飯を食べたあとに抜け出す霧丸のシーン、とても良い。いつもの森が無界屋の裏手にあるっていうのがどんどんわかりやすくなっていく。
助けてもらった礼を言わない霧丸。荒野では荒武者隊見捨てようとしてたし、結構自分勝手というか余裕がない感じ。刃が過去を向いている…。

 

蘭兵衛さんの登場と殺陣。口上ここで言うのに戻っちゃった!

三浦蘭兵衛、顔が強い。イケメン。全然月夜なんか気にしてないし口調がヤンキー系でびっくりした。他の人の感想で花蘭を思い出すと聞いてたんだけどわかるなぁ。若い頃に、それころ新選組!のすぐあとくらいに耕史さんが蘭兵衛を演っていたら、アテガキも含めてこういう蘭兵衛になっていた気がする。翔平さん殺陣初挑戦ってマジで?全然そんな感じがしないすごい。
廣瀬ちゃんとも蘭兵衛…ずるくない?廣瀬蘭は服の色味や髪型、メイクが花蘭を思い出す感じなのに、太夫に対するアプローチがあまりに違いすぎる…。そんなに柔らかく微笑む蘭兵衛さん何なの。現れた狸穴さんにびっくりして捨に話しかけてるところ、ちょっと微笑ましい。アオ蘭っぽいとこあるよね廣瀬蘭。

天魔王との邂逅からのバトル。蘭丸って名前呼ばれただけでぐらついておちそうになってるのどういうことや…早い…。天魔王が去ってから刀投げてしまうしものすごく感情的。あとこれ上弦下弦どっちでも思ったけど、月の蘭兵衛さんたちめちゃめちゃ暴れるね?迫力はすごいしスピードも早いけど、いやアンタら今着流し着てんねんで!?って思ってしまうほどの大暴れ。アクティブ蘭。

 

霧丸が逃げ回って無界屋裏手に戻ってきてるの何でやねんって思ったけど、あの場所で争うことによって荒武者隊や女衆が駆けつけてくる速さは納得だし、そのあと無界屋に戻って落ち着いて会話するのがすごく良かった。ずっと何もない荒野で話し続けてるのに場が持つのすごいなぁ、でもギリギリだなって思ってたくらいだし。

そういえば渡京さん前髪作ったの?やだ~そっちも可愛い~!メッシュもおしゃれ~!粟根さん以外の渡京ってどうするんだろうと思ってたら伊達渡京さんそもそも眼鏡が無い!し、ちょっとアホそう。ローテンション渡京。メッシュ色違いなの可愛い。遠近法を無視笑った。

沙霧でなく霧丸だと鉄騎兵も渡京も蹴散らせそうじゃない?って謎の心配をしていたけどほんとに結構勝てそうだった気がする。だいぶギャグで押し切っていた。

 

兄さ~じゃなくておっとう!ですよね!!鳥の逆バージョン。じん平の安定感、はともかくいん平ほっそ!!メイク含めてきもちわる!!ライビュの時にいん平にツボってた人がいて何をやっても笑ってて、釣られてめっちゃ笑ってしまった。腹を空かせた豚と病気の猿って言い得て妙にもほどがある。ダンスもまた気持ち悪さがすごい…。

霧丸の正体判明あたり、うわ男の子だ…って思った。天魔王を殺す、絵図面を秀吉に渡せば天魔王なんて簡単に、って考えてて荒武者隊は囮にするつもりで。前向きに後ろ向き。完全に復讐に囚われて、濁ってる。沙霧だとこうはならないよなぁ…。

捨之介が玉ころがしでない今、沙霧が女である必要性(って言ってしまうのも何だけど)はそこまでないし、霧丸になってもそんなに変わらないのでは?と思ったら冒頭からは本当に変わらなかったんだけど、じわじわとその違いが現れてきて最後で爆発する感じがやばかった。きりちゃん、すごく好き。

そして蘭兵衛ですよ…廣瀬蘭…ずるくない…?(二回目)三日で戻ってくる、と捨に頭を撫でられてしまうの普通にびっくりしたし、顔を下げて太夫の顔を覗き込みしっかり目を見て微笑む蘭兵衛って…すごいな…手も握るし…。なまじパッと見で花蘭を思い出すだけに、太夫とのシーンで違いが際立っていた。花蘭が太夫に触れなさ過ぎるとも言う。
その後無界屋を後にする時も(というかここのステアラの使い方最高。花の走馬灯演出を彷彿とさせつつその中に蘭兵衛本人を置くの最高。沙霧が気付いて追いかけるカットを入れるのも最高…かつめっちゃわかりやすい…)裏手の上手端で無界屋を見上げ、愛おしそうに微笑み、ゆっくりと一礼…って何事????はぁ???

今までの蘭兵衛がやりたかった、でもできなかった(かもしれない)ことをじゃんじゃんやってのける廣瀬蘭、すごい。わかりやすさ重視といえばそれまでかもだけど。いやーずるい。

 

贋鉄斎は、もうこの話何回目かわからないけど「よくもまぁこんなに毎回違った変態を生み出せるな!?」です。庵が襲撃されるパターン、あの狭さだと無理かと思ってたから嬉しかった。あんま戦ってないけど。怖がる生駒かわいいよ生駒!!生駒おこ!!
福士捨は突然喘ぎ出すし台詞先に取られるし、下弦での抜けなくなった刀はアクシデントなのか?って思ったら何回かやってるんですね!?アドリブかい!一幕終盤で見てる方も疲れてるのにめちゃくちゃ笑ってしまうからつらい。斬鎧剣が捨のアイディアなのいいなぁ。

 

曼珠沙華は据え置きでなく斜面に設置になったんですね(カテコでようやく気付いた)。ここのBGMに歌があるとアニメ感マシマシですごく好き。キレイに整えられた階段ではなくゴツゴツとした斜面を上って闇に消える姿に「あっ風だ…」と思い、笛分割したままで戦ったことに「あれっ…鳥では…?」と気付き、ずっと花花言ってたところに他の要素を垣間見たところで一幕終わり。

 

天魔王の間、から漂う風と鳥っぽさ。\ココハドクロジョー/って始まるかと思ったしむしろちょっと幻聴が聞こえていた。
月の口説きめちゃくちゃいいですね…今までの良いとこ全部詰めつつも月MIX。テンポも良い。ベースは鳥でいいのかな。歌でやってたところを直接台詞でぶつけるからうわっ…ってなった。めっちゃ好きなんですよ、「そして私には死ねと」あたりのくだり。あと手を差し伸べる天魔王とその手を取る蘭兵衛とても良い。

ここで先に霧丸が飛び込んでくるのびっくりした。ちょっとそこの二人!霧ちゃんの前で何してんの!霧丸が見てる!!でも、ああやって見られてるのに手を取って夢見酒を飲んでしまうの、確信犯だ…悪いと思ってない意味の方の…。

夢見酒のとこ当たり前のようにカメラが顔ドアップで抜いてたのですが、その時の手とか霧丸の表情とかめっちゃ気になるからもうちょいひいて!いやひかないで!という謎の葛藤があったのでやはり現地が最強。

このへん上弦カメラは天魔中心だった気がするんですけど、下弦は蘭兵衛めっちゃ映ってましたね…。後ろでうっとりしている血まみれの蘭兵衛、骨を撫でたり口付けたりしている…身体あるのいいな…(椅子しかなかったから仮面を愛でていた花蘭。)このシーンガン見しちゃうよねぇ、ここの蘭兵衛だけを見続けたくて花に通った日々を思い出す。

エゲレスからの知らせで生駒に甘える早乙女天何事だ。っていうか生駒というキャラ、いいですよね…。髑髏党幹部の人選も人数も毎回違うけど、花がめちゃくちゃ手薄っぽかったの幹部三人な上に生駒がいないからだよなぁ。ここぞという天蘭シーンに幹部が居ない。

 

剣布へのセクハラ!ちょっとあかんやろ!時代がどうこうというより、捨之介がああいう攻撃をやらなさそうっていう点で気になった。人見さんも肘井さんもとても良かっただけに。

物置での言い争いすっごく良くて、これも霧丸になったことによる違いだなぁと。沙霧だと落ち着かせるためにわざと刺される捨。相手が霧丸だと、刀を持てなくなるまで避けて避け続けて押さえる。ぶつかり合い。お前の刃は過去に向いてる、復讐に囚われている奴を放っておけない。だから彼は天魔王を止めにいく…んだよなぁ…。

天蘭と幹部勢揃いのところ、蘭がすでに途中まで(?)着替えているけど髪は結っていない。改めて、花だけ白の着流しのままだったのは何故なんだ…?って見ながら思ってた。場所の問題だったのかな。あれっ着替えてる!?…あっ違うわそれが普通だわ、あれっじゃあポニテは!?…いやこのあとにするわ!みたいな謎の混乱に襲われた。
「捨之介、お前にはわからんよ」って台詞大好きなので上下どちらも堪能できてまんぞく。

 

一輪車とスケボーに噴いた。すごいスピードに見えたけど、これキャラの進行方向と客席の回転が逆なのかな?ものすごい距離を逃げてる感じはしたけども一輪車危なくない!?両渡京がすごい。

荒武者隊の歌いいなーー!!兵庫を抜いて5人のフォーメーション、色もあいまってとてもスーパー戦隊!もしくは白浪五人男!元は一緒だ!傘持ってんのは捨之介だけど!
でも夕食の支度に取り掛かりまーす!って言ってはけちゃうから、次におにぎり持って出てきた時の「いやお前らご飯担当なんかい!」っていうツッコミができなくなるのはちょっと惜しい。襲撃前の、戦国なのに男女逆転してる感じが好き。
そういえば下弦の黄平次をやっている小池亮介さん、何だか字面に見覚えがあると思ったら戦国鍋のももいろゴタイローヒデリンだった。衝撃。お蘭(もしくは吉良)(鈴木拡樹くん)に襲撃されるヒデリン……って言おうとしたけど黄平次一番最初に死にますね……今回の蘭兵衛の武器、ボーガンって。唐突やな。

蘭丸は今回もとても美しい。顔めちゃくちゃ白くてちょっと怖い。廣瀬蘭の目の下がかなり赤くて、やだ~うさぎメイク可愛い~!って一瞬思ったけどやってること全然可愛くないからな。
女衆を斬りながら「楽しい」って自分で言っちゃう蘭丸ありかよ!天に楽しいなぁ、って言われて気付くわけでなく、自分から…。びっくり通り越してドン引きだわ。口説きのあとくらいからそうだったけど、月蘭めちゃめちゃ口開けて高笑いするよね…。でも廣瀬蘭の声が蘭兵衛より更に優しくなってるのが…なんてこった…。刀の血を拭ってあれこれしてたよね?改めて下弦ライビュは蘭兵衛を映しすぎだな?

無界屋が横に広すぎてカメラが全然追いつかなくて、あんまり見えてないので襲撃の細かいとこは割愛。荒武者隊一人一人にズームかかるとこ、ベタだけどかっこいいよね。

混乱する兵庫は頬を張るけども、狸穴を殴らない太夫。良い。このへんのシーンだけは何回見ても確実に泣くんですけど、須賀兵庫の「お前らよくやった!」の叫びがめっっちゃ好き!!!

そういえば唯一の(多分)上下同キャスト、服部半蔵安田桃太郎さん。出てくると待ってました!って思うけどほんとあの動きを全公演やってるんです?どういうことだよ…。あと上下別れてるけどおかゆ・おでん・おきりが花の無界屋ガールズと同じ方かな?もっとアンサンブルさんにも注目したかった。やはり現地か…。

狸穴さん、いっけいさんの可愛らしい感じと千葉さんの隠しきれない大御所みがそれぞれ好き。成仏してくれ、の言い方や姿勢も結構違うよねぇ。

 

輪胴豪雷筒が出て来る位置が今回も下手の灯籠。花の、奥から引っ張り出してきた丸太の中っていうまさに隠してます!!感が好きだったけどやっぱわかりづらいかアレ。
兵庫に面構えが変わったって言われる霧丸、絵面も含めて熱い!少年漫画!!!って感じだったので、この二人のコンビがもっと見たかったなと思った。タッグバトルとか。

劇中曲を背負って髑髏城に攻め込むシーン、黄泉笛でも言ったけどアニメ感あってめちゃくちゃかっこいい…。歌詞が完全に霧丸のことなのも良い。っていうか歌詞知りたい。

 

熊木は大坂城の普請にも関わっていて、のところで髑髏党と一緒に「た、確かに!」って一瞬でも思ってしまって悔しかった。部下の前でツイスターやらされて自滅しちゃう剣布ちゃん良いとこなしやな!松岡霧丸の棒読み演技が可愛かったです。うまいな棒読み!

兵庫を応援する羽野太夫がめちゃめちゃキュート。運動部のマネージャーだあれ!羽野太夫、全体的に90年台のヒロインみを全面に押し出してきてたので可愛い声で「もう!」とか言っちゃうの最高でした。

おっとうVS爪月の鎌かぶせからの鍬、めっちゃ不意打ちで噴いた。研がれ過ぎた刀が短くて届かない、って茶番なかったなって思ったら鎌でやるんかーい!農具は友達!ってやかましいわ!あとでアオの時の仁平が鍬遣いだったの思い出しました。

 

捨に天魔の鎧を着せるとこめっちゃ丁寧。鳥で盛大にかっ飛ばされてたので。霧丸が捨に気付くのが「苦しんでたから」なのも、殴って「お前が人殺しになってどうすんだ!」っていう言葉もよかった。霧丸なら、周りが頑張って押さえつけなくても斬鎧剣を持ち上げて仮面を割れるんだな…。非力(でもなさそうだけど)な沙霧が重い刀を必死で持ち上げるのも、女の勘で気付くのも熱い展開ではあるんだけども、この辺いきなり女の子なのを強調されるからたまに気になる。

 

天蘭のバトルは何はともあれ生駒。生駒の衝撃でそのあとの台詞いくつか頭に入らなかった。どちらも自害する、とは聞いていたのだけどそれぞれ怖い。上弦の美しさも、下弦の狂気も。下弦、最後に伸ばした手が届かないんですね…。

殿の最期の言葉を伝える天魔王。このへんも丸っと鳥なんだけど、テンションがどんどん上がっていく上弦天が何故か蘭兵衛に見えてくる。混ざってる混ざってる。過去に二度蘭兵衛を演じた太一さんが天魔王にという、月キャスト発表の時に私はまだそこまでピンと来ていなかった業をビシビシ感じる。「そんなのは殿じゃない!」の叫びが心に刺さって抜けない。

「来い、太夫」はどちらも叫ぶ。あれを静かに囁くようにいうのは花蘭だけなのか。倒れた蘭兵衛に泣きつき、手を取り胸の前で合わせる羽野太夫、ほんっとヒロイン…。ライビュカメラ、上弦は捨が蘭の目を伏せるところしっかり映してくれてありがたい。やはり仰向けに倒れるの…いいな…(花蘭は死に顔が見えない)

百人斬りに向かう捨に「このままじゃマズい」っていう贋鉄斎、何がまずいのかわからなかったけど捨のメンタル的な意味で、ってことでいいのかな…。そこに霧丸が名乗り出てくれるのありがたいし、笑いのない百人斬りいいな!毎回趣向を凝らしているけど、シンプルなのもいいな!ライビュカメラさんがんばってほしかったけどお疲れ様です!!全然わっかんねぇ!

 

天魔王とのラストバトル、下からの照明はアカを思い出す(曖昧だけど)感じ。二枚刃どころか六枚刃の斬鎧剣、先に噂だけ聞いてたけどかっこいいー!!必殺技感が半端ない!ドン!ドン!ドン!って画面に漢字が出るやつだ!!!ってはしゃいでたんですけど、鎧が剥がれていくにつれて「えっ……えげつない……」って思ってしまった。序盤の天魔王爆誕があったからこそ映える技だけど、全てを無くした「人の男」は太一さんも拡樹くんも身長一緒くらいだしパッと見だと細いから、目を覆いたくなるくらい哀れで。早乙女天は身体を抱きしめるし。あんなに悲しい天魔王は初めて見た。
推しが蘭兵衛をやる、ってすごくうらやましいと思っていたしいざ自分がその立場になるとうろたえまくって臓器売りそうになって(ません)、すごくすごく嬉しかったけど、推しの天魔王、めっちゃええやん…。いつか見たい、推しさんの天魔王。なさそう。

月の捨は天を救おうとしている。自由になればいいって言う。だけどそんなのは捨之介のエゴだし、天魔王が秀吉の前に膝をつくわけがない。あんな姿にされてまで、生きようと思わないだろ…。若さ故のエゴ。月捨、絶対こっちのが楽しいって!ってパーティーに誘うリア充というか…(もうちょい良い例えなかったんかい)小さい頃からの付き合いっぽいのに、天の性格を理解してなかったのか天が変わってしまったのか、すれ違ってる。普通にまだ友達の感覚だったのかな…結局月捨も、昔の縁を全然捨てられてない。もし落ちる天に手が届いてその命を救えてたとしても、自由に行きられるとは思えない…。

 

天魔王を倒したことに絶望する捨を奮い立たせる霧丸かっこいい。太夫の言う「あんた『だけ』でも生きなきゃ」って、天と蘭の分も…って言うとなんか陳腐なんだけど、月ならではって感じ。
そんで霧丸に支えられながら脱出するのがもうーーーー最高!!沙霧が男になった甲斐がある!ああやって全身で捨を支えられるのは男だからこそだよな…体格差はあるけども、霧丸めちゃくちゃ頼もしい。いっそ捨背負ってチャチャッと脱出してほしいくらい。
逃げながらの戦いも荒野でも、捨が沙霧を助けながら戦うのがいいなぁって思っていたけど月はお互いを助けている。肩を組んで、支え合いながら。めっちゃ…いい…。端的に言うと萌え。

 

家康との対峙、あんなに足掻いて暴れて家康の目前まで詰め寄ってから、諦めそうになる捨が辛い…。川の中での見得、「天に誓ったこの俺の、」なんですよね…そう来るかぁ…。
空っぽの仮面を堂々と渡し、解放された捨に駆け寄る霧丸が本当にかっこいい。あと捨(とくに宮野捨)のボロボロ具合、いっそヒロイン。なんかすごかった…霧丸が居てくれてよかったなぁ…。

それぞれが荒野から去っていく時に拍手するのが好きすぎて、去年は他の舞台でもやりたくなってしまって困っていた。映画館からだけどめっちゃ拍手した!

そして兵庫のプロポーズ、あまりに最高すぎて最後に全部持って行かれた!!上弦が特別なのかと思ったら戯曲は上弦ベースなんですかね?(まだ買えてない)細かい言い回し忘れてしまったけどとにかく最高。須賀くんのまーーーっっすぐなところを全身で浴びてしまって、眩しすぎて燃え尽きるかと思った。
下弦はほぼ花かな?うまいもん食ったら~のやつ。何回でも言うけど羽野太夫の可愛さ~!木村兵庫の誠実さが伝わってきて、君なら太夫を幸せにできるよ年の差なんか関係ない!!って心から思ったのですけど多少中の人の印象が混ざっている気がする。

最後にお礼をいうきりちゃん最高かよ!!フラグだったのか最初の太夫との会話!!

福士捨の「ガラじゃねぇや!」、完璧でした福士君ほんとうに捨やってくれてありがとうございました…!また舞台でも見たいぞ…。
宮野捨の感情の振れ幅がすごくて、捨の台詞一つ一つをこんなに考えながら聞いたのは初めてかもしれないなぁと思った。いやーマモ、15年前くらいに大阪のアニメイトでサイン会だかをやっていて人混みの隙間から見て「色んなとこが長い」っていう雑な感想を抱いたのを何故か今でも覚えているのだけど、かっこよかったしちょっとかわいかった。

最初らへんで霧丸の色合いや声の感じが花沙霧っぽいと言ったけど、最後の「もう、決めたんだ」で完全に花の千穐楽を思い出して勝手に泣いてた。他髑髏もだけど、あの台詞で髑髏城が終わるのがあまりに尊い。BGMがまた劇中曲で、最後の「明日~」のところでキレイに霧丸が走っていくの完璧。

 

カテコの立ち位置変わったとは聞いてたけど、天蘭同じところなのビビるやん…。曼珠沙華の花畑がなくなったのはかなーーり寂しいけど、相変わらず壮大なカーテンコールでした。
ライビュカメラにしっかりアピールしていく、ライビュに慣れた下弦勢ちょっと笑った。太夫をエスコートする廣瀬蘭、罪深い。宮野捨のはけ方に90年代アニメを感じた。

 

ライビュカメラ基準でしか見れないのでかなり偏りがあるのが悔しい。やっぱり登城したかったよーーー!!なんでステアラちゃんあんな場所にあるの!極も行けそうで行けなさそう!(はしご相手がKAAT)スクリーンの破損や体調不良による役者交代、やっぱり冬って演る側も大変なんだなぁとしみじみ思ったのでキャスト・スタッフの皆様もステアラちゃんも頑張って欲しい。

 

花髑髏開幕が3月末だったので、もうすぐ一年なんですね…。まさか一年経たずに「花ベース」って単語を使いながら感想を書ける日が来るなんて。月の混ざりっぷり好きだし、そういうベースがあったからか追加シーンで話のわかりやすさが増してて、初心者にも優しいってこういうことか。

月で初めて新感線を、初めて髑髏城を見たという友人がたっっくさんいるので、今後一緒に髑髏の話ができるのうれしい!花のゲキシネが始まったおりにはオススメしてまわるのでよろしくね!いつだろうねゲキシネ!!

 

f:id:yhforestmk:20180127223344j:plain

このフライヤー、一枚しか持ってないんだけどどこで配ってたのかな…風でもらった気がする…。

 

 

 

 

 

ゆく年く・る年 冬の陣 ~『正解』と『理想』~

2年ぶりの祭シリーズ!
わたしはどりじゃんから観ていて(大江戸はDVD、新春は未履修)、「史実のアレンジ具合や逸話のチョイスがうまい…解釈が合う…」という視点で楽しんでいる歴史おたくです。殺陣芝居もミュージカルも若手俳優も好きなのでWIN-WINすぎる。
祭シリーズ以外のるひま作品はあまり見れていません。ぼくとしょはいくつか見てる。

 

今回は大好きな大坂の陣がテーマということではりきってチケット取ったらなんだかすごい席で、二部めちゃめちゃ盛り上がれました。人生で初めてキンブレ振ったり(貸してくれた友人ありがとうそのうち自分で買います)、うちわへのファンサに撃ち抜かれる知人を目の当たりにしてびびったりした。うちわ効果ってこんな感じなんだ…しゅごい…

二部は完全に真弾推し。内藤みりんぼし大希さん(この呼び方そろそろどうにかしたいんだけど呼びやすいから困る)と大山のまさしのエピソードが微笑ましくて良いなぁレミゼ出演めでたいなぁ、とふわっとお名前と顔を覚えた矢先にるひまに放り込まれててびっくりしました。いっぱい歌ってくれるだろうしるひまより先にちゃんと見とこう、とレミゼを一回増やしました。みりマリめっちゃ好き。過去のインタビューとか読んでたら何だか推しさんみがあるなと思ったら、実際推しさんと共演したいって言ってくださってるそうで。ありがとうございます見たいです。

大坂の陣だけども肝心の推し武将(長宗我部盛親公です)は登場せず。普段は大坂方を贔屓に見ているけどる年はキャスト的に徳川が気になるし…と、推しは決めないまま見に行きました。るひま常連組だ龍くんが好きだけど、そういえばまだるひま以外で見てない。

 

結果。作中で言われていた『正解』と『理想』について重長とは全然違う意味で悩んだ。楽しいところもいっぱいあったのだけど、全体的に見ると悔しい。

シンプルにいうとところどころで解釈違い起こしました。

 

ゆく年く・る年 冬の陣 師走明治座時代劇祭

www.rutoshi.com

事前に提示される情報がいつも多いので、詳しくは公式サイトにて。

今回、開幕一番の茶番短かった?簡単に軍勢の紹介したけど、うち何名、楽屋待機!のおかげですぐに本編に入ってた印象。テンポも良くて見やすかった。(茶番は茶番で好きです)

専用ペンラが光るのおもしろい。これ二階から見たらキレイだろうなー!あと盆がぐるんぐるん回りながらの殺陣すごかった。同モチーフの舞台真田十勇士中村勘九郎主演の)がああいう感じでグルグル回ってるとこを駆け回ってたなって思い出した。
メインのステージ、照明機材全く隠す気なくて出てきた時笑った。大砲みたいなんあちこちに置いたまんまやん!

 

ちょっと話の順番が曖昧なとこ多いのでキャラ(軍勢)ごとのざっくりした感想を。一度しか見れなかったので細かい間違いや勘違いがあったらすいません。順不同。

 

◆楽しい本多一家

原田さんまたかっちとペア(納祭)だ!って思ったら衣装めっちゃマリメッコ。二人ともギャル。むしろパパの方がギャル。何だあの髪型。兜イメージ?
時期的に忠勝死んでない?って思ったら死んだことにはなってましたね。忠勝のわりには猛将のイメージが全くなくて、むしろブレイン的なポジションだったので本多正信が混ざってた感じがした。本多ミックス。
相変わらず歌はめっちゃ上手いし、新マリウス君もとい信之お兄ちゃんとのシーンが多いから完全に梅芸が帝国劇場と化していた…いや大阪のレミゼは梅芸(今年はフェスティバルホールだったけど)でやるから合ってるんだけど…。
原田さんすっかりるひまの大御所ポジションなのにまだ35歳なのほんと感覚が狂う。今後も見たい。

かっち今回めちゃめちゃかわいかったですね!変ないじりもなく(ブスとは言われてたけど)素直にヒロイン!たまにドスのきいた声出してたけど、それも地が出たというか怖いお姉さんって感じ。新喜劇で言う未知やすえ姉さん。それも小松姫という人物を思うと自然なのが良かった。こまっちゃん、強い。

小松が信之に助け(?)られて、一度成実に託されるシーン。大坂城内にいる徳川の姫が助けられるのめっちゃ千姫っぽいなって思ったんです。もしくは、幸村の娘が伊達に託されるところ。そのへん全部混ざってる~!!全員は出せないもんなうまいな~!ってテンション上がってたんですけど小松ちゃん一瞬で成実蹴散らしてしまったし、最後に重長の嫁として幸村娘の名前出てきてずっこけました。出るんかい!じゃあ伏線か名前だけでも出しといて!

信之お兄ちゃん。眼鏡とても良い。嫁の家が強くて本音は歌でしか表せない、とはいいつつ小松とは普通に仲良さそうだったし、愉快な義父ともそのうちうまくやっていけそうな強さを感じた。夏の陣に信之が参加してるのレアなので、あの結末には「そう来るかー!!」って唸りつつ、でも最善だったんだなぁあの世界では。一回だけ弟を「源次郎」って呼ぶの最高。今回生き残ったことで辛い人no.1ではあるけど、隣に小松がいるから大丈夫だよ…死んでいった者たちを思って歌ってくれ………いやこれマリウスでは?大切な人が腕の中で息を引き取るの9月に見たぞ?

とにかく徳川組の歌をずっと楽しみにしてたのでいっぱい歌ってくれて嬉しかったです!

 

 ◆幸村と愉快な仲間たち+亡霊

やっぱ多いな十勇士!というのが素直な印象。八犬伝とか十勇士とか、よく舞台化されるし見ることも多いのだけど、多い…!スーパー戦隊の五人ってやっぱちょうどいいんだな。納祭の蝦夷たちと同じように、別に見分けがつかなくても話的には問題ないんだけど十勇士はみんな赤い分衣装で差が付けづらいのも大変そう。小沼くんの絶対領域めっちゃ見ちゃったわ。

今回るひま初出演の、主にラケット振ってた若手はだいたい初見なんだけど(DVDで見た子もいる)みんな上手いよなぁ…。声で見分けてた子もいる。

佐奈田幸村。配役知った時出オチかよと思ったけどとても良かった。きれいな顔に低めの声。落ち着いた真田幸村って最近よく見かけるようになってきて嬉しいんだけど、落ち着いたを越えて悟り開いてたな?村長というか教祖だな?
重長に課された「真田の本音を聞き出す」という使命が全然果たされないために最後までイマイチ行動原理の読めないキャラではあったのだけど、最期の兄弟の会話で信之にとっては普通の弟だったんだろうなぁと。昌幸パパとどういうテンションで会話するのか、どんな犬伏の別れだったのか気になるのだけど、リーディングでやるかな…。なんでもリーディングで補完するもんじゃないよ!と思わなくもない。やるのかな。

一幕ラストで幸村と十勇士と並び立つシーンめっちゃかっこよかった。無害な村人が実は凄腕の傭兵で虎視眈々とチャンスを狙っているパターン好き。

十勇士の◯◯して死にたい、絶対フラグじゃねーか!って覚えてたら案の定そうだったんだけど、相変わらず先陣切って死んでいく白又よ………。るひま、いつか白又が死なない(そして三上真史が死ぬ)シリーズを作ってほしい。

そういえば今回のキャスト発表の段階で、唯一名前すら知らなかったのが小原悠輝さんだけだったのですが、ジャンクション所属の俳優さんなんですね。年末るひまに一ジャンクション。真弾でも前列にいるのでお顔覚えた。歌うま若手枠。

若手と、そこにいるだけでおもしろいし安心するさと兄と、するどいツッコミが流石すぎる宮下さんとみんなの兄貴龍くん、いいバランスだったなと思います十勇士。もっと活躍を見たかった。

真っ白な亡霊昌幸パパ。存在が出オチ。歌以外に台詞あった!?ってみんな言ってたけどなかったよね?真田家の歌で台詞パートみたいなのはあったけど。政宗が亡霊見える云々言ってたから政宗とあれこれ絡みあるのかと思ったらそんなことはなかった。時期的に亡霊なのはしょうがないけど、信之小松の輿入れあたりで忠勝パパと歌でバトったりしてほしかったー!歌で「娘さんを僕に下さい!」をやってほしかった。

 

大坂城の方々

相関図にある淀殿と大野の「不倫」の文字、そりゃ色んな意味で流行りだけど、あの二人の関係を不倫と言い切ってほしくねーなー!って思っていたら(大野治長淀殿は幼馴染のようなものなので)、意外とそんな空気はなくて有難かった。見た目のファンキー具合とはやしつよしみが強いところを含めても、思ったよりちゃんと(?)大野治長だった。最後に秀頼に刀を向けて追い出すところ、子どもを叱る親だった。父親なのは明かさないし、「ええんですよ」と淀殿の全てを肯定する。彼が居たから淀殿が救われたところはいっぱいあるんだろうなぁと、あの言葉だけでわかるの良かった。

淀殿はよく見るタイプのキャラだけど、ふくれっ面してスネたりするの可愛い。まさに「るひま作品」で見たい「紫吹さん」の「淀殿」って感じ。安心と安定。年末るひまは奇をてらったキャラが多めなのでこういうポジションありがたいです。突然のヨガ笑ったけど大野の体幹ぶれぶれやな!
どりじゃんの亡霊だから、るーブロで紫吹さんがつじちゃんタッキーあたりとしゃべってたり姫様って呼ばれてるのただひたすらに可愛い。二部の雨に唄えば最高でしたありがとうございました。

秀頼。永田くん、ハイステ以外でようやく見れたけど台詞回しが軽快。こちらも比較的テンプレの「愚鈍な秀頼」だったけど、時々台詞から垣間見える闇が良かった。ゲームだとか猫狩りはハイキューネタと見ていいのだろうか…。本人も気に入ってたけど髪型可愛かった。

 

木村重成

今回のベストオブ「そうなってしまったか大賞」を受賞です。
木村重成の世間での知名度ってどんな感じなんでしょう。真田丸に出たことで飛躍的に上がったと信じてるんですけども。あまりドラマや漫画にも登場しない分世間的なイメージがまだついていない重成をるひまがどう描くのか、今回の気になるポイントだったんですけど裏切る側かーーそっちかーーー!!

余談ですが大阪公演マチネの家康の台詞で、重成の家族を殺したのが「家康」になってて(秀次事件を操ってたのは家康ってことにするのか…ひねってくるな…)って思ったのですがただの言い間違いだった模様。いやそこ重要!その後の展開見てたらわかる話だけど!

逸話から感じる木村重成の印象は爽やかな好青年で、幸村を初めとした牢人衆と共に戦い、大坂の陣の最中に結婚をし、最期は戦場で華々しく討死する。秀頼とは乳兄弟で仲良し。というイメージがわたしの中にはあって、キャストが杉江くんということもあり完全にこういう重成を期待していた。

秀次事件の連座で家族を亡くしたため、ずっと豊臣を恨み続けていた重成。それは本心(重成の家族については諸説あるけども)だろうし、る年の秀頼の頼りなさに心から仕えることができなかったという想いはわかる。この辺は「あと一歩が足りなかった重長」ってことでいいのかな。政宗と重長、秀頼と重成、景勝と兼続が、主君に命をかけられない信用できないともがく主従の対比。

重成が秀頼を見限った(って言い方も悲しいけども)のはどの辺りだったのだろう、二条城?もっと前?と本編で描かれるはずもない過去を勝手に補完してしまう。る年の重成は悪女として描かれる淀殿のポジションに近い気がして、それも悲しい。秀頼を大坂に閉じ込めて外の影響受けないようにしてるのとか。選択肢を奪っている。重成自身が復讐に囚われてしまっていたから、牢人衆に…まぁる年の場合幸村しかいないから(できればる年の世界に又兵衛を放り込みたい)、せめて幸村ともっと会って話していたら彼も変わったかもしれないなぁ。おかえりなさいって言ってほしいよね。

兄のように慕われていた割には秀頼から「木村」呼びだったの、名前の知名度以外にも重成だと重長と被るからかなって思ってたのだけど、どうせなら長門呼びを聞きたかった(個人の趣味です)重成は骨喰藤四郎を持ってたかもしれないのに、演じたのは鯰尾やってた杉江くんなのは面白いズレ。

見てる最中の自分はどうしても好青年な重成を諦められなかったらしく、実は裏切ってるとわかった時にも「あぁなるほどね、愛する秀頼様と淀殿を無傷で救うための策略ねなるほどね~」とか考えてた。そんなことはなかった。最期に秀頼を庇って死んでいったのは良かったんだけどもな…。

るひま作品の少し他と違うひねったキャラ作りは好きなのだけども、重成はまだ他であまり見れない分、ストレートにオーソドックスな重成像として見たかったんだなわたしは…ということに気付いて、そんなんただの『理想』だなと。歴史上の人物ってよほど近代史でない限り『正解』がわからないから、解釈違いも何もないのに。ただの作り上げた『理想』なのに。ううむ。

 

◆上杉主従

ベストオブ「なんでそうなった大賞」。

先の重成と真逆で、大河ドラマの主人公になるくらいメジャーな人物。戦国主従の中でも人気が高く、世間でのイメージが概ね統一されてる。

だからこそ崩そう、新しい上杉主従を作ろうというのはめっちゃわかる。大坂の陣あたりの上杉家にアクティブなイメージがなかったので普通に九度山に来てるの笑ったし、口の立つ兼続の口をあえて封じたのはおもしろかった。スケブ芸。いざ口を開くとボキャ貧で頭悪そうなのも新鮮だった…けど、兼続が景勝を裏切るとか嘘だろ?!!!

あまりの事態になんで兼続がそんなに怒ってるのか全然頭に入ってこなくて、あとで友人に教えてもらった。めっっっちゃショックだった。そこまでショックうけてる自分にもびっくりした。覚えておこう、景勝を裏切る兼続は地雷。そうそう見ることもなさそうだけどな…!?(景勝をあまりよく思っていない兼続はたまに小説とかで見るけどさすがに刀は向けない)

上でも書いたけど政宗と重長、秀頼と重成、景勝と兼続が、主君に命をかけられない信用できないともがく主従の対比、だとすると兼続が一番タチ悪いと思ってしまう。
重長と重成はまだあまり戦を経験してない「子ども」ポジションだと思うんですが、兼続…お前…御館の乱関ヶ原も他の危機も一緒に乗り越えて来たんちゃうんか…とか考えてしまう。ただしる年の上杉家にそれらの危機があったとは限らないよな…と感想書くためにパンフ改めて見たら兼続が小姓になってた。マジかよ。マジ…

えっ 小姓!?

びっくり。この項で何回びっくりするねん。思わず他の人たちの関係性確認したけどだいたい「側近」になってるわ…ええ…これは完全にわたしの思い込み&確認不足だけども、マジか…。ということは、子どもポジションでいいのか兼続。それなら真田に肩入れする景勝に怒るのも、わかる…か…!?うーん、これはこの設定を頭に入れた状態でもう一度見ないとわからない。兼続の話をきっちり聞かないと。でもなんで小姓に…いい年齢の人物がいなかったのか、って言われるとあの辺りには確かにいないけども。

定説と真逆のことをするキャラ設定ってうまくやってくれたらめちゃめちゃ楽しいんだけども、それ相応の説得力が要ると思うんですよね。る典の宇宙人信長とそれを虐げる光秀に当時めっちゃ驚いたけど、あの関係性は好きだったな…。

稽古場で松村さんの話を膝立ちで聞く陣くん、というエピソードがあまりに良すぎたので陣くんまた時代劇で従者やってください。動ける子だとは聞いていたけど殺陣もすごかった。

 

◆徳川さん達

タッキーの家康あまりにもタッキー。アテガキだそうで。ひたすらにチャラい雰囲気が一瞬で冷たくなる声色と表情、好きです。誰も信じてなさそうな家康。正信がミックスされた忠勝のことさえも信用してなさげで、最近あまり見ない「悪役家康」だったなぁ。あとやっぱり月代姿がめちゃくちゃ似合いますね…顔がきれい…大河に出よう…?売れる売れないネタはそろそろおなかいっぱいです。

へい兄の半蔵…の印象めちゃくちゃ薄いんですけども何回出てきたっけ!?擬音全部口で言うの可愛かったし歌はうまかった。安心のこけしヘアーがウィッグだったのびっくりだ。DVD出たら注目したい。

お天気おじさん天海、キャラも衣装も予想外だったけどいいアクセントになってた。あの富士山衣装どうなってんの…肩辺りにワイヤーパニエ入ってんの…?大坂の陣をそれぞれ天気で表すのゾクッとしたし、〆が天海だったのよかった。啓さんの台詞回し好きだなぁ。るひまの不老不死といえば海尊くんだけども、謎の怪僧(しかも長寿)といえば天海だったと思い出した。

 

◆伊達さん達

正直言うと、あまり片倉重長についての知識がないのでここはすんなり入ってきた。重長って言いづらそうだなー小十郎じゃ駄目だったのかとかは思ってたくらいで。あっ本多の項で書いたけど突然の幸村娘にはおいおいって思ったから、あのオチになるならなにか伏線欲しかったな!いっそ結婚しなくてもよかったのでは!
三成、綿麻呂と頭いいキャラが続いたのに重長が清々しいほどに馬鹿で笑った。あの小十郎の子どもがそんなアホでいいんか…?とは思ったんだけどその辺の話は伊達クラスタさんたちにおまかせします。

そんでW座長ではあるんだけど、つじちゃん政宗の印象は正直薄い。わたしが基本的に大坂方贔屓で見てるからだったら申し訳ない。エクストリーム謝罪や人を食ったような笑顔は勿論素晴らしかったけど、なんだか消化不良気味なんだよなー二回見たらまた違った気がする…。他で見る政宗像が豪快過ぎる気もする。殺陣はとてもよかったです。伊達政宗人形の人形っぷり好き。
亡霊の見える右目の話もラストもちょっと唐突な気がして、台本カットでもあったのかなぁ。義姫様のお名前出たけどその辺もリーディング案件です?

小十郎こと景綱。大坂の陣ということは出ないのか!?と心配してたけど出ててよかった…死んだけど…。ここの二人は本当に主従として理想形ですね。兼ちゃんの背が高いから重長と並ぶとほんとに親子感があったのもよかった。政宗様より先に子ができて、のくだりやると思ってなかったからちょっと驚いたけど、あの世界の秀宗どんな感じの子なんだろう…。

ベリーさんこと成実、なんでそんな不思議なあだ名ついてんだと思ってたけど、重長と名前かぶるからかもな?重長・重成・成実。時代劇あるあるだけど名前被りが多い。
客席降りるし客席の女の子を口説くし、最初から自由で笑った。今回どちらかというとツッコミだし、そこまで気持ち悪い要素はなかった気がしますね?なんか動きがおかしいところはあった。成実色んなところで頑張っていたのでどのシーンでどこに居たかちょっとわからなくなってるのだけど、いい仕事してんなぁと思った記憶はある。

思い返すと伊達家は全体的にDVD待ちなところがある…。元々伊達が好きな友人が首をひねっていたので、そういう方々の率直な感想も聞いてみたい。

 

十勇士をひとまとめにしたので細かく触れられていない人もいるけど、だいたいこんな感じですかね。

 

重成や上杉主従ショックがあり、それ以外でもいろいろと本編に直接関係ない過去や出てない人物の補完をして勝手に「あっそうくるのか…」と思ってしまったところも多々あった。今までのるひま作品でここまでは思わなかったのは、好きな時代詳しい人物に直撃してなかっただけだったのかなと。もしくは脚本の好みかな?同じ戦国のる典は好きだから穴吹さんの脚本が好きなのかも。

史実のイメージ引っこ抜いて見たい、でも知ってるとニヤリとできるシーンや台詞が必ずあるのが歴史作品。『理想』の人物に出会うために手当たり次第に歴史作品に触れていた時期もあるのだけど、もう自分の中での『理想』が出来上がっていることに気付いた。重成の項で書いたけど、歴史人物の『正解』はタイムスリップでもしない限りわからない。正解なんてない、理想だ。作中で使われていたのとは全然違うけども、る年を見てからこの言葉がずっと渦巻いている。

とりあえず、しばらく新しい歴史ものに触れるのはちょっと考えよう、今年の観劇予定を見直そうと思った。

 

そんなわけで、なんだか色々考えさせられた観劇初めでした。
でもるひまのノリは本当に好きだから、来年もし満を持しての幕末が来たら見に行っちゃうだろうし似たような感想書いてる気がする。

でも太平記とかもっと古代の話も見たいなぁ。るひまさん、物部VS蘇我とかやりません?

 

 

f:id:yhforestmk:20180117014544j:plain
真田家最高!真田家再興!

 

 

 

観劇まとめ2017下半期

上半期分はこっち。

yhforestmk.hateblo.jpいやほんまに…一旦上半期でまとめた6月の自分ありがとう…ってくらい下半期が怒涛でした。演目数は余り変わらないんだけど、チケット枚数が…!

感想書いてるものはリンクを、そうでないものはtwitterでつぶやいたのを簡単にまとめています。基本的に見た順だけど、複数回見て月をまたいでるやつが多いので一部だけ前後してます。
書きかけの感想は年内…は無理だけど、1月中をめどになんとかしたい。

 

◆7/7(初日)・7/9 Building303『水の泡』(ブラックチェンバー)

yhforestmk.hateblo.jp

◆7/17(千穐楽) 舞台「黒子のバスケ」OVER-DRIVE(森ノ宮ピロティホール

くろステ、ノータッチで来てたんだけども原作では木吉が大好きで、ステに木吉が来たら行きたいな…と思ってたらまさかの河合さんだったし、おまけに松井さんまで出るんかい!と勢いで申し込んだら千穐楽が取れた。ありがたい。河合さんが好きな友人と行きました。牧田さんも好きなのでブロマイドがセット的に買いやすかった。
続投キャストの熱演も、舞台でのバスケの表現の仕方も好きなタイプでとても見やすかった。2.5を見る本数を徐々に減らしているけども、河合さん牧田さんが続投するなら次も行きたい、と思っていたら続投だし紫原鮎川さんだし氷室が秀翼さん…絵面が強い…気になる…。

 

◆7/31(ライビュ)・8/3 劇団☆新感線『髑髏城の七人』season鳥(IHIステージアラウンド東京)

yhforestmk.hateblo.jp

◆8/3・18-20 ピースピット『グランギニョル』(サンシャイン劇場・シアタードラマシティ)

yhforestmk.hateblo.jp

yhforestmk.hateblo.jp計4ステ。

 

◆8/4・9/2・10 ミュージカル『にんじん』(新橋演舞場大阪松竹座) 

yhforestmk.hateblo.jp

yhforestmk.hateblo.jp計3ステ。

 

◆8/26 劇団壱劇屋 五彩の神楽『憫笑姫』(HEP HALL

yhforestmk.hateblo.jp

 

◆9/5 『パッチこーい!!vol.2』~今年初めて全員揃いますねんSP!~(ABCホール

昼夜両方参加。あんなに笑いっぱなしで腹が捩れるかと思ったのは久々だった…
ジャー忍追加チケも買えたしフォロワーさんにも沢山会えたし、何より全員揃ったぱっちはめちゃくちゃ可愛い。輝いている。準劇団員のお披露目もあったのだけど若さ溢れすぎて眩しくて直視できない。

行った人にしか伝わらない自分メモ↓

ぱっちこーいvol2書きかけレポ - Privatter

 

◆9/3・13 ミュージカル『レ・ミゼラブル』(フェスティバルホール

「原作読んでからレミゼ見に行ったらとても楽しかった話」という書きかけ記事があります。6月に帝国劇場で見て↓

yhforestmk.hateblo.jpここから9月の大阪公演までに、原作(岩波版)・ゲッサンコミカライズ・映画版で予習復習しまくってレミゼそのものにハマってしまい。9/13はあとから見切れ席で無理やり増やした。

 

 まとまってないけどそれぞれの日の感想はここからスレッドにしてます。自分で読み返すのも不便だから記事にまとめたい!
上半期と跨いでしまったけど、計3ステ。

 

◆9/16 『ニコニコで"歌ってみた"10周年!同窓会ライブ』(吉祥寺CLUB SEATA)

yhforestmk.hateblo.jp

 

◆9/23 劇団壱劇屋 五彩の神楽『賊義賊』(HEP HALL

yhforestmk.hateblo.jp

 

◆10/1 仮面ライダーエグゼイドファイナルステージ(オリックス劇場

ファイナル特有のスクリーンを使った演出が、エグゼイドの作風とあまりにマッチしていて「テレビで見たやつだ!」という感動がすごい。キャストの安定感もすごかったな~。生で見るレベル1たちめっちゃ可愛かった。神は神だった。

 

 

◆9/29・30・10/5・6・8・22 Patch stage vol.11『JOURNEY-浪花忍法帖-』(インディペンデントシアター2nd・シアターモリエール

yhforestmk.hateblo.jp

yhforestmk.hateblo.jp計8ステ。公演期間的にも帰りの新幹線的にも長かったー!と感じた1ヶ月だった。細かい感想が書けてないな~。でもハブレンもそうだったしぱちすての感想をまとめるのが下手。
改めて東京進出おめでとうございました、次の特別公演も本公演の情報も楽しみにしてる!!

 

◆10/17 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」SPECIAL SHOW(NHK大阪ホール

ヘドウィグは推しさんの代表作なので、次に日本で公演があったら誰が演じてても絶対見に行こう…って決めてたらまさかのブロードウェイご本家ご本人!?客席のノリ(コスプレいっぱいいたし革ジャン率が高い)も内容も今まで自分が見てきた作品とは違って、なんだこれ…すごい…って口が開きっぱなしだった。乳首ドリルするJCMに笑った。日本キャストでも見たい!

 

◆10/21 劇団☆新感線『髑髏城の七人』season風(IHIステージアラウンド東京)

これもちゃんと感想書きたかったんだけど、ライビュ見れなかったしジャー忍に挟まれてしまったし、台風に巻き込まれたりして色々感想がすっ飛んでいる…。season風だからってほんまに台風呼ばなくても!

無界屋襲撃が今までで一番しんどかった…。捨と天の同じ顔は、蘭兵衛や沙霧相手だけでなく無界屋での効力がしんどい…。むかいり蘭兵衛の冷たさがまた凄惨さを増す。口移しの前に一度普通にキスされるの笑ってしまった、愛されてんな蘭兵衛。

そんな中、登場BGMがただのレミゼだったりくろまきに乗ってきたじゅんさんの贋鉄斎の存在がありがたかった。三五ちゃんは今回も可愛かったし、狸もふもふで良かった。

やっぱり何回も(せめてライビュ)見たかったー!ゲキシネはよ!ネタバレを避ける、ってほどではなかったんだけどあまり見ずにいたら、入れ替わりを見事に見逃した。

あと天魔王の最期に脳内の花捨蘭天が「あっ…」ってつぶやいたよね…何あれ…。

そういえば今回元Patch二期生の棚橋麗音くんがいる(新感線に何度か出てる)と聞いてたので探してみよ~って思ったら、まぁめっちゃわかりやすい!動きが力強くも可憐で足がキレイで普通に目で追っちゃったよ白介!カテコのお辞儀まで完璧だった。皆色んなところで頑張ってるな~。

 

◆10/28 劇団壱劇屋 五彩の神楽『心踏音』(HEP HALL

yhforestmk.hateblo.jp

◆10/29 ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』”進化の夏”(ライビュ)

関西公演の日程が見事に合わなくて今回はライビュ。人数が多いしみんな自由だから、カメラに写ってないところで行われる何かに会場で笑いが起こっていて、ぐぬぬ…見えない…って歯ぎしり。
ハイステ、ステとしてどんどん進化していく分どうしても原作のキャラからズレて行きがちなところがあるのだけど、2.5舞台って原作の完全再現だけをするものではないからアレはアレでいいんだよなぁって思ったりした。

若いなぁ青いなぁ青春いいなぁとか、皆うるせぇwwでも高校生の部活ってこんなもんだわwwっていうリアルさに胸を押し潰されそうな時もあれば、しっかりしたセットいいなぁとか演出すごいさすがだなぁとかすごく客観的に見てる時もあって目も脳も忙しい。そろそろ原作読み返さないと忘れている。
次も決まっているし気にはなるけど、どうしよっかなー。

 

◆11/15 ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』(梅田芸術劇場

初演の時も若手俳優いっぱい出るよ!って情報は見てたんだけど、今回は最近レミゼにはまったから同じ時代の他の作品見よう+理生さんがロベピなの面白すぎるだろ革命家俳優すごい+とんちゃんとレイフジタおるやん行くか!ってノリで見た。レミゼハマったよ!って記事を上げてからちゃんと感想書こうとしてたのだけど、そっちが完成しないせいで書けずじまい…。

ギロチンとロベスピエール出てくるってことはフランス革命あたりだな!っていうのに気付けるようになったのすら最近の世界史音痴なので、話わかるかな…って心配してたけどなーんにも問題なかった!というか予想の5倍くらいゆるかった。みんな死ぬのかと思ってたけどそういえばこれ宝塚作品だったわ。ハッピーエンドだわ。

ギロチンの機構が気になると噂に聞いてたのでめっちゃオペラでガン見した。川口さん、あの姿勢であれだけ歌えるってすごいな…。

ピンパーネル団みんな知ってる顔で名前も結構呼んでくれてたので事なきを得た。見分けつかんでも問題ないタイプではあるよねレミゼの学生的な。見分けさせる気もない気がした。初演とキャラ位置シャッフルしてるそうですね?

ああいう格好すると、とんちゃん(ハル)の腰の高さが異常で目の錯覚かと思った。モブに紛れてても縦に長いからわかっちゃって、ピン団としての変装なのかアンサンブルなのかどっち!?って混乱したりした。たわちゃん(エルトン)も背高いし顔立ちはっきりしてるからめっちゃ見つけやすい。

ロベピ出てきた瞬間に、わたしレミゼでしか理生さん見てないから普通の台詞聞くの初めてだな…!?って気付いて何だか笑ってしまった(レミゼは基本的に全部歌) 。二幕冒頭めちゃくちゃかっこいい…からの早着替えと爽やかな笑顔よ…。

続投のメインお三方、全員初見かと思いきや安蘭さんをアリスで見てたのを梅芸に入ってから思い出す。石丸さんよう口回るな~あと三角関係な話だと思ってなかったから昼ドラ感にびっくりした(楽挨拶で石丸さんが「大人のドロドロを~」って言ってはったけど笑)

 

◆11/25 劇団壱劇屋 五彩の神楽『戰御史』(HEP HALL

yhforestmk.hateblo.jp

◆12/2・7・16・17 ミュージカル『メンフィス』(新国立劇場中劇場)

yhforestmk.hateblo.jp

yhforestmk.hateblo.jp計5ステ。

一曲ずつ、アンサンブルさん含めキャスト全員それぞれ、全ての感想を書きたい………大好きです……三週連続で東京行ったの初めてで身体もお財布も息をしていないけど、まっっったく後悔していないしむしろもっと見たかった、どんどん記憶が薄れていくのが悲しくてしょうがない。感想書きます。

 

◆12/23・25 劇団壱劇屋 五彩の神楽『荒人神』(HEP HALL

観劇納めにふさわしすぎた。他4ヶ月の感想書けてるのでこれも書きますね。とにかく最高過ぎた…。

 

ゲキシネでアカドクロとアオドクロ見たのですが、作品自体がだいぶ前のだし映画の通常料金なのでカウント外。どちらもおもしろかったです。映画はあと美女と野獣を見ただけ…かな?

 

ライブとイベントが混ざっているけど、20演目。レミゼ2回(+上半期に1回)、にんじん3回、グランギニョル4回、ジャー忍8回、メンフィス5回等、複数回見たものが多すぎてチケット枚数は41枚。2回見たのも結構あるな…。

上半期と合わせると、38演目、69枚。ちなみに去年は28演目40枚だったそうで、一昨年(2015年)より倍近いと。倍々とまでは行かないがチケ枚数が増えすぎ。

 

でも、もう今年はしょうがない。推しさんとぱっち関連と繭期作品以外は複数回見ない、って決めてるんですけど全部あったもんね今年。よしくんがあんな大きな舞台に立つとはね。メンフィスの再演が年内とはね。レミゼ3回行っちゃったけど、円盤にならないしバルジャベマリが全員見れたしレミゼ30周年だったから良いことにする)

毎度毎度、推しさんが関西公演やってくれないと嘆いているのですが、その代わりその劇場でしかできないものばかり(回るステアラ、一幕セリで二幕盆の新国立劇場)なのでしょうがないか、とも思ってきた。しばらく舞台情報がなさそうなので舞台での推しカツはお休みです。

今年の本命だった花髑髏とメンフィスが終わって、去年から楽しみにしていた五彩の神楽も終わったので全体的に燃え尽きちゃって、今チケットケースに入っているのは1月のるひまと、3月の大阪ドンキホーテのみ。抽選待ちなのが月ライビュと5DAYS。1789とM!等のグランドミュージカルにも行きたいけども今のとこ未定。

主に遠征費がかさんで下半期はほぼ関西小劇場に行けなかったので、来年はもうちょっとのんびりしたい。近いのに行けないのも悔しいし、12月はメンフィスに捧げる!っていう予定を組んでいたらどんどんぱっちの客演が増えていって、結局ほとんど行けなかったんですよね。推しさん関連とぱっち、劇場の場所やチケット単価もだけど、発表されるタイミングも違うので兼ね合いが難しい!と実感した2017年だった。ハブレンと花髑髏を天秤にかけることになったの分身したくてしょうがなかった…。

 

garnetstar.hatenablog.com

よく読ませて頂いているブログを勝手に紹介させて頂きますが、

 

人間とは不思議なもので、結局のところスキになれる物事の定量は決まっているようだ。舞台にお金を遣うようになって、自然とアニメグッズからは遠のいた。スキになれる定量は、自分のお財布と連動していると言えなくもないが、正直実生活での恋愛沙汰があった時には舞台もグッズもどうでも良かったので、わたしとしては心のキャパの問題だと考える。

楽しいフリをし続けていると楽しいのかもしれない - 明日がくれば忘れてしまうから

 心のキャパ、めっちゃわかる。これ以上は無理なんじゃないかなぁと思う瞬間が今年はあった。実際、観劇以外の趣味をいくつかやらなくなったし。
もしわたしがもっと高収入で、東京に住んでいて、体力も時間もあって色んな舞台に行ける状況だったとしても、心のキャパを優先して行こうと思いました。そんな状況にはならない?わかっとるわーい!

 

 

「山本耕史=時代劇」という人に観て欲しい、ミュージカル『メンフィス』

突然ですがわたしの「推し」は俳優の山本耕史さんです。今年の10/31に41歳になられまして、それと同時に芸歴も41年という、文字だけ見るとめっちゃ大御所みたいな方です。推しを推すようになったきっかけってエントリもいつか書きたい。

 

ところで、世間的な耕史さんのイメージって

・『ひとつ屋根の下』の柏木文也

・『新選組!』の土方歳三(そして香取慎吾さんの親友)

・『真田丸』の石田三成

堀北真希さんと結婚した方

ほぼこの四つのどれかじゃないかなと思います。(※個人的な印象です)最近の「植木等とのぼせもん」「トットちゃん」で初めてしっかり見た、という方も居たようで嬉しい!

他にも数多くの映像作品・舞台作品に出演されていますし、最後に至ってはドラマの話ではないですが、

もっとざっくりしたイメージをひとつだけ上げるとなると

山本耕史=時代劇の人

じゃないです?

上に挙げている二作品以外にも、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』の坂崎磐音、『平清盛』の藤原頼長、『薄桜記』の丹下典膳、『戦国疾風伝二人の軍師』で竹中半兵衛、『影武者徳川家康』で徳川秀忠…と、メインでない作品も書き出すとキリがないのであとは

山本耕史 - Wikipedia

を参照して頂きたい。
とにかく、時代劇の人というイメージが強いって方がたくさんいると思うんです。

 

そして何より極め付けは、今年春の『髑髏城の七人 season花』の無界屋蘭兵衛。全85ステージという長丁場と、客席が回るという新しい会場のこけら落し公演、そして何より劇団☆新感線作品。ほんっっとに沢山の方が「初めて生で山本耕史を見た」と思います。
「蘭兵衛が美しかった」「殺陣がすごかった」という感想を見かける度に嬉しくて浮足立っていたのですが、その中で

「やっぱり山本耕史って時代劇が一番似合うんだな」

「時代モノでしか山本耕史見たこと無いけど合ってるよな」

「THE・時代劇役者だよね」

と言われているのを見ると、せやろ!!と、ちゃうねん!!という気持ちが同時に襲ってきて勝手に苦しんでいました。
そうなんです、時代劇の耕史さんめちゃめちゃかっこいいんです!殺陣のうまさや所作の美しさは勿論、何より主君に先立たれた未亡人元従者の哀愁の表現が…最高…。

だけどもそうじゃない、いやそれだけじゃない、

山本耕史の真髄は『ミュージカル』での『外国人役』なんだ!!

 

ということで、これはつい三年前までまさに「山本耕史=時代劇」だと思ってたうえに海外ミュージカルに一切興味がなかったのに、舞台上で生きる彼を見た瞬間恋におちたニワカファンによるゴリ推しマーケティング記事です。前置きが長い。

 

◆ミュージカル『メンフィス』

hpot.jp

 

 

山本耕史・・・ヒューイ・カルフーン
濱田めぐみ・・・フェリシア・ファレル
ジェロ・・・デルレイ
米倉利紀・・・ゲーター
伊礼彼方・・・ボビー
栗原英雄・・・シモンズ
根岸季衣・・・グラディス

 

ICHI、風間由次郎、上條 駿、当銀大輔、遠山裕介、富永雄翔、水野栄治、渡辺崇人
飯野めぐみ、岩崎ルリ子、ダンドイ舞莉花、増田朱紀、森 加織、吉田理恵

 

この作品にはミュージカル俳優としての耕史さんの良さが詰まっているので、少しでも彼が気になっている方全てに観て頂きたい…のですが、普段ミュージカルや舞台をあまり観ない層には情報が届きづらい作品だよなと思います。三年前のわたしならきっと観に行かなかった。

その理由ってこの辺りなんですね。

・耕史さん以外のキャストを全く知らない。
・曲も全然わからないし、ミュージカルはいきなり歌い出すのがちょっと…。
・人種差別を扱う作品って重いのでは?勉強しないとわからない?

 これらが気になって悩んでる方には「私もそうだったけど、つべこべ言わず見て!!!」って言いたい。

そんな私の、初演時の気持ちがこちら。

yhforestmk.hateblo.jp

無駄に長いんだけど、ここから下に色々書き連ねることよりこれを読んでもらえたら一番わかりやすい気もする。

 

あらすじはこんな感じです。

 

人種差別が色濃く残る1950年代、テネシー州メンフィス。

黒人専用のナイトクラブを訪れたブラックミュージック好きな冴えない白人青年ヒューイ・カルフーン(山本耕史)は、瞬く間にそこで歌うフェリシア・ファレル(濱田めぐみ)の歌声の虜になる。

しかしクラブの経営者でフェリシアの兄デルレイ(ジェロ)も従業員のゲーター(米倉利紀)も白人である彼のことを快く思っていない。

ある日、デパートで働くヒューイがレコード売り場で、禁じられているブラックミュージックを流したところ、レコードが面白いように売れる。

この騒動で仕事はクビに。しかし音楽が人の心を動かす様を見たヒューイはラジオ局に乗り込み、そこで働くボビー(伊礼彼方)の制止を振り切り、メンフィスの町中にブラックミュージックを流してしまう。

これが思わぬ反響を呼び、気を良くしたプロデューサーのシモンズ(栗原英雄)は、ヒューイをラジオDJとして採用する。

一方、歌手としての成功を夢見ていたフェリシアも、ヒューイのラジオ番組に出演したことで、スターダムへの階段を上り始める。

ヒューイとフェリシアの間には愛が芽生えはじめるが、デルレイ達だけでなくヒューイの母グラディス(根岸季衣)も二人の関係に理解を示さない。

周囲の反対を押し切って愛を貫こうとする二人は街で暴漢に襲われ・・・。

 

STORY | ホリプロ オンライン チケット

 

まずキャスト。知ってても知らなくても全く問題ないんですが、一つ言えるのは全員ハチャメチャに歌が上手い。ダンスもめちゃめちゃ上手い。
そんな人たちがコーラスでどんどん増えていくもんだから、舞台からの圧がやっばい。
特にヒロイン:フェリシア役の濱田めぐみさんの歌声を全身で浴び続けられます。めぐさんずっと歌っているから…贅沢かよ…!

そんで内容。初演の時にラジオDJの話と聞いて全くピンと来なかったんですけど、とてもわかりやすい話です。あらすじをそのまま受け取っていい。
ブラックミュージックが好きな白人DJ、それがどういう風に異質で、異端で、反逆的なことなのかは見ているとよくわかる。ヒューイはデューイ・フィリップスという実在の人物がモデルになっているのですが、特に事前に調べたりはせずに見ました。

人種差別の表現については要所要所の台詞に表されているし、あるシーンだけは直接的で目を覆いたくなる。 ちくちくと胸が痛む。でもこれって人種云々ではなく、現代の日本の、普段生活で身近なところにある差別問題と同じなんですよね。作品とはまた別に、色々考え込んでしまいます。

曲はどれもすっごく良い!飛びつきサイコーのR&Bボン・ジョヴィのデヴィッド・ブライアンが音楽を作っているのでかっこいいし耳に残る。こんなに、こんなに良いのに今のところCD化もDVD化も予定がありません…(海外版権作品だからね!)(でもアンケートは書こう!)

そして、普段あまりミュージカル見ない人にオススメなんですメンフィス。
全員歌がうまいので聞く楽しさもあれば歌詞も聞き取りやすいし、「いきなり歌う」に対しての抵抗感があまり無い気がする。黒人の集まるクラブ・ヒューイが流すラジオ・教会のゴスペル・テレビ・フェリシアのライブと日常的な音楽が中心だから、「歌うこと」に違和感がない。勿論会話の途中から歌になるシーンもあるんだけども、耕史さんって「話すように歌う」「歌うように話す」ので、そのへんもすんなり入ってくると思う…。あとで思い返すと、あれっあのシーン歌だっけ台詞だっけ?とわからなくなったりするくらいには自然なんですよね。

で。
そんなメンフィスにおける山本耕史めっちゃ可愛いんです。
時代劇をやっている時の冷静沈着さ、融通のきかない堅物っぷり、どこか儚げな繊細な雰囲気…は、どこへ仕舞った!?!?ってくらい、ちょこちょこ動き回り舞台上を駆け巡り歌って踊る。衣装がなんだか芋っぽくて、ダンスが妙にダサくて、しゃべり方も変わっている(ただし歌はめちゃくちゃ上手い)。すぐ人にちょっかいをかける落ち着きの無さはまるで子どものよう。どの仕草もあまりに自然で、素はこういう人なのか?と思ってしまいそうになるけども、全て演技なんですよね…。テレビや時代ものだとまず見ることはないそんな彼の姿がもう、可愛い。

そんな中、どれだけ周りに批判されようと「好きなもの」を「好きだ」と言う、一本の芯は一切揺るがない。そんなところはめちゃくちゃかっこいいし、胸を打たれる。好きなものを好きって言えるのって、幸せなことなんだなぁと。

歌う、踊る。ちょっとだけどピアノも弾く、笑って泣いて怒って恋をして、ヒューイという人物が舞台上で生きている。それがたまらなく愛しいんです。是非劇場で見てほしい。

 

再演、ということでかなりブラッシュアップされ、演出もガラリと一新。とても見やすくわかりやすくテンポよく、とてもパワーアップしています。

公演後のリピーターチケット売り場に長蛇の列ができるなど、口コミでどんどん評判が広がっているので、良い席取るなら今のうち!

 

公演日は12/2(土)~12/17(日)二週間しかないよ!
会場は新国立劇場京王新線初台駅直結、新宿駅からなら歩いて20分強)
各プレイガイドでまだまだチケット取扱中です!ぴあe+なら座席選択ができるのですが、今回の演出的に後方や二階席もおすすめ!

そしてなんと!U-25チケットは5500円!!数に限りがあるのでもう買えない日もあるのですが、これめちゃくちゃうらやましい……わたしも25歳になるまでにもっと色んな舞台をお安く見たかった…!!!

地方公演はありません(なのでわたしは今月必死こいて遠征をしています。)が、その分新国立劇場の機構で色々な挑戦をしているので、それも見てほしいポイントです。

 

わたしはこの作品が本当に大好きで、今回再演が決まってからずっとウキウキしていて、それと同時に初演が好き過ぎる故の不安もあったのですが初日で全部ふっとばされて。初演千穐楽以上に泣きました。
耕史さんが好きなのでどうしてもヒューイメインの話になってしまうのだけれど、どの登場人物もとても愛おしい素晴らしい作品です。

毎日でも行きたい、ずっとメンフィスの世界に浸っていたい。関西在住という身ではそれも叶わないので、せめて私の代わりに、いや私のことはどうでもいいからこの素晴らしい作品を見てくれ!というゴリ押しマーケティング記事でした。

 

ところで耕史さん、そろそろ関西での公演しません?(約3年間無い)

 

『メンフィス』を見に行く。

ハッカドゥー!!!

メンフィス再演の幕が上がる。私のまだまだ短い観劇人生の中で、再演を心待ちにしていた作品の一つである。

新幹線が暇なので、思い出話をします。

 

 初演の製作が発表されたのは2014年6月。舞台『オーシャンズ11』を見て、推し推し始めた矢先だ。

元々組!からの10年来のにわかファンではあったのだけど、彼の出る舞台にあまり興味がわかず(海外作品を敬遠していた)ずっと見ずにいたのだが、オーシャンズは何といっても局長と副長の共演。これは見るっきゃないなと軽い気持ちでいたら、踊る姿を見た瞬間マジで燃える太陽の矢が胸に飛び込んだ。(マリウス、君の気持ちがよくわかった。)

推し舞台はそのほとんどがDVD化されていない。今まで逃した魚があまりにも大きかったことに気付いた私は、食わず嫌いはやめて今後彼の出る作品は全て見ようと決めた。そんな頃に発表された『メンフィス』(次作品はLost Memory Theaterだったけど。)ブラックミュージックを愛する白人のラジオDJが、黒人の歌姫と恋に落ちる話。

 

いやもう、ぜんっっっぜん興味がなかったんですわ。申し訳ないくらいに。

 

 大阪公演がある・原作を知ってる2.5作品・日本が舞台の時代劇(できればバリバリの殺陣!)・キャストの半分を知っている、が当時の私の見る作品を選ぶ基準で、どれにも当てはまらなかったんですよメンフィス。オーシャンズは例外で。

幸い別のイベント予定が公演期間と被っていたので、とりあえず一公演を取った。DVDにならないならもう一回見とくか?とあまり乗り気でないままその前日のチケットも増やす。内容には興味が湧かないしキャストも推しさん以外はジェロさんしかわからない。評判を聞いても、私はこれでいいのか??という疑問がずっと心の底にへばりついていた。のだが。

終演後、「ヒューイ…可愛い…可愛い…ほんま可愛い…」と繰り返すだけのポンコツと化し、一緒に見てくれた友人は「おもしろいから、何回可愛いっていうかをカウントする野鳥の会やってた」らしい。ごめんな…。ちなみに彼女は花髑髏感想にも出てきた早乙女太一さん推しの友人で、「推し推し、共演しないかなぁ…新感線で…」という話はこの時にしていた。可愛い発言カウントをされながら。

 休憩中に二階後方に空席を見つけては「こんなに素晴らしい推しを全世界に見てもらえてないなんて…!!」とありがちな絶望をしたりしていたのだけど、ホテルに帰ってからいやいやこれはあと一回では足りない、っていうか何回でも見たい!!空席は自分で埋めればいい!!とその場で博多千秋楽のチケットを取った。東京滞在は仕事の関係上延ばせなかったので。

 

メンフィスを見て、人生で初めてブロードウェイに行きたいと思った。洋楽にも興味をもったことがなかったのに、英語の曲を聞くようになった。原曲の歌詞を調べてみて、訳詞という仕事の素晴らしさを知った。翻訳ミュージカルのおもしろさを知った。

人種差別というものに、学生ぶりに触れた。それらについてめちゃくちゃ考えた。身近な差別問題にも敏感になって、ちょっとしんどくなった時期もあった。

アンサンブルさんたちの名前や顔を覚えた。他のミュージカルのフライヤーに知ってる名前を見つけるのが楽しくなった。敬遠していた海外ミュージカルを見るようになった。あれだけ推しさんが原点としているRENTだって、きっとメンフィスに出会わなければ見なかった。

 

キャスト、音楽、衣装、セット。メンフィスの何もかもが好きで、再演がもしあるなら全てそのままでと願っていたのだけど、さすがにそううまくはいかない。それでも、メイン二人を始め続投キャストもいて、しかも演出:山本耕史!!!推しさんを更に大好きになった作品の再演の演出が推しさん!嬉しい!

彼の演出はまだ見たことがないけれど、前の『髑髏城の七人』で360度回転する客席、という機構に興味津々だった彼の作り出すものがどうなっているのか、単純に楽しみだ。

 

いつも感想ブログを書く時は、始めにどういった経緯でその作品を見たのかを毎回記録しているのだが、今回はさすがに長くなりそうだったのでこうして先に一つ記事を作ってみた。こんなに思い入れのある作品の再演は初めてなので、少しこわいところもある。もしかしたら、初演が好きすぎて今回の観劇後の私はしょんぼりしているのかもしれない。それも含めて、『再演』だ。

 

初日の開演まであと、3時間半。

 


f:id:yhforestmk:20171202140052j:image

初演で買ったメンフィストートバッグ、それ以来わたしの観劇バッグになっているのだけどそろそろくたびれてしまったので、今回もあったらいいなぁ。

劇団壱劇屋 『五彩の神楽 戰御史~Ikusaonsi~』

五彩の神楽、ノンバーバルという特性上早く感想書かないとこの思いが霧散する!みたいな焦りが強いのか、見てすぐにブログ書きたくなります。9月はちょっと遅くなっちゃったけど。そして今回長めです。

 

『憫笑姫』感想

yhforestmk.hateblo.jp

『賊義賊』感想

yhforestmk.hateblo.jp

『心踏音』感想

yhforestmk.hateblo.jp

そんなこんなで今月も見てきました。
満を持して登場の壱劇屋座長・大熊さん。そして自分の周りにもファンが多く、始まる前からみんながそわそわしてた赤星さん。わたしは初演TRUMP(DVD)と赤坂3作品(配信)を見たのと、昨年の東京物語を見に行ったので生で見るのはまだ2回目?ですね。赤星さんが殺陣されるところが見たかったので嬉しいキャスティング。

今回ちょっと自分的に面白いことになったので、感想の方向性が他と違うかも。

 

『戰御史~Ikusaonsi~』

これは“戰”の物語

 

ある夜男は嵐に襲われる
駆け込んだ屋敷で男は男に出会う

 

床には不規則に並べられた数多の刀
微笑みながら男は男を見つめる

 

男はその光景に見覚えがあった
男は語り始める
男の物語を

 

これは“戰場”の物語
この記憶の主は、果たして


  

劇団壱劇屋 番外公演「五彩の神楽」特設サイト

 最初にあらすじを見た時に「おっ何だ何だ剣豪将軍足利義輝か?」って思ったけど特にそんなことはなかった(最終決戦はちょっとそれっぽいところもあった)。 ピンと来ない人は足利義輝の最期をググってみよう、後世の創作だと言われようとテンション上がるもんは上がるし好き。

閑話休題

ノンバーバルシリーズ、「ここはこういう意味かな」「この二人はこういう関係かな」という疑問をぽんぽん頭の上に浮かべたまま見ていて、話が進むにつれて違うなこうだな、と修正していくので最終的に台本と大きなズレはなかったんです。この三ヶ月(と独鬼)は。細かいキャラの行動原理が想像と違ったのはちょこちょこあったけど。

でも今回おもしろいくらい大外れで、いっそ外れすぎて自分の中で物語が一本出来上がったくらいの勢い。台本は存在するけどもあくまでノンバーバルだから、お客さんが思ったこと感じたことが正解なので、それで構わないんですけどね。

なのでここからしばらくは感想じゃなくて、見ながら考えてたことを書き残しておきます。お前の妄想どうでもええねんって方は適当に飛ばしてね。
台本読む前に考えてたので役名でなくキャスト名です。あと他作品名がちょこちょこ出る。

----------

あらすじの最後の「この記憶の主は、果たして」がずっと気になっていたので、『人』の記憶じゃないかもしれない、『屋敷』の記憶か『武器』の記憶。どっちかというと後者と仮定。ろうそくの記憶かな?とも思った。

列を組む敗戦兵がどんどん減っていくほどの激しい戦いなのに平然と歩く大熊さん。いや平然というには動きが奇妙で、「これただの人じゃないな?そもそも人間ですらないかもしれない」と思った。色んな武器の記憶を、戦いの記録を埋め込んだアンドロイドのような…戦う度に強くなっていくみたいな…時代背景(いつだよ)に合わないか。じゃああらゆる戦いを飲み込んだ化物。継ぎ接ぎ。鵺か。

最初に考えちゃったもんだからその印象が抜けなかったので、とりあえず機械じゃないにしてもアンドロイド的な、人工的な何かをされてるモノとする。撃たれてもなんか生き返ってるし、不死?(それは赤星さん(と山浦さん…)のイメージだけど。)殺される度に人格がリセットされる系アンドロイド。なので大熊さんには過去の記憶がなくて(このへんEqualを引きずっている)自分が誰だかわからなくなる。武器を持つと思い出す。あくまで武器の記憶なので、自分の味方も殺していくし自分の知らないことも多い。混乱と精神的な攻撃。

動きがおかしいので、段々バグが生じてきて暴走するようになったから処分されそうになってるとか?友達っぽい黄色い人(伊藤さん)が管理してる(博士的なやつ?)。隊列のシーンは本当は全部違う状況だけど伊藤さんがわざと(リセットされた)大熊さんに合わせてて、同じシーンの繰り返しに見えてる。毎回処分に失敗してはやり直してる。黒幕かな。

赤星さんは伊藤さんに見えてないなら幽霊か幻覚だよなぁ。最初に殺した人の人格(記憶)が表に出てきちゃってる?もしくは大熊さんはもとは赤星さんだったのに色々混ざっていくうちに変わってしまったとかで、元の人格で身体を取り戻そうとしてる。こっちかな。

今まで自分(大熊さん)が倒してきた敵の武器をわざと持たせてフラッシュバックさせることで、大熊さんの人格はほとんど崩壊しかけてたのに、自分の知らないところでおかしな行動をしていた伊藤さんに気付いてしまう。それから繰り返す度に伊藤さんを気にするようになる。

繰り返しの隊列シーンが赤星さんになった。一番最初の記憶?かと思ったら屋敷に入って大熊さん出てきたわ違うわ。見た目ひっくり返ってるから身体取り戻せた?おめでとう?(この辺の考察が雑、というか段々考えるのやめかけてるのがよくわかる)どっちがどっちかが段々わからなくなってきてますますEqual。

自分VS自分やべー最高なんだこれ!(考えるのをやめた)このへん剣豪将軍感あるけど思ったより物理VS物理!!

最終的に伊藤さんの武器を触っちゃってそっちの考えが全部読めて、自分の正体を知って絶望する。取り囲まれてしまって逃げられない。自殺しようと頭を撃つが勿論死なない。混乱する意識の中で赤星さんに語りかけられる。「二人なら倒せる」プリキュアか!?(そういえば公式もそんな感じのこと言ってたな)(※これツイ見直したら大熊さんと伊藤さんのことだったから違った)

入れ替わりながらの戦い、今までの武器の持ち主を憑依させてる感じ。スタンドっぽいな?鵺でもアンドロイドでもなくスタンド使いが一番しっくりくるなこれ??そっかースタンドならしょうがない!(何が)

黒幕伊藤さんを倒して、めでたしめでたし…かと思えばまた繰り返し。伊藤さんがいない。これで未来が変わる(でもタイムパラドックス系ではないよなぁ)と思ったら同じ屋敷へ。そこにいるのは…。

これ最終的な黒幕、屋敷じゃないか?引き寄せられる魔窟みたいな。過去の武器が出てくるのも、元の人格が現れるのも考えてみればおかしいし。双亡亭か、牙狼っぽいところもある。作演は竹村さんだけど、大熊さんメインだと世にも奇妙なエンターテイメントになるんだなぁ。

 

----------

 

と、まぁこんなこと考えてたわけですが。合ってるところもあるんだけど方向性が盛大に違う。
・大熊さんの人間離れしたマイム
・赤星さんの過去の役のイメージ
に引っ張られまくったらこうなった!って感じですね。何やねんアンドロイドって。博士って。シンプルに二重人格やないか。
あと何度も伊藤さんが打ってたのが麻酔銃だと気付かなかったのも原因かな…。死なない+変な動き=人じゃない!って結論づいてそれが最後まで抜けなかった。おかげでスペクタクルな近未来作品になった。

こうやって自分の中でほぼストーリーが出来上がって見てたので、疑問だらけで終わったわけではなかったのは良かったです。これもノンバーバルの楽しみ方だなー。

でも今回の台本、そこまで「答え合わせ」感はないんですよね。結局何故あの屋敷に武器があったのかろうそく男が現れたのか(全部幻覚かもしれない)。なぜ武器を持つと意識が飛ぶのか。そもそもどうして表助は二重人格(しかもろうそく男めちゃめちゃ強い)なのか。そんな表助を飼い慣らしていた後助の目的は。っていうかあの軍、何。全部わからんまま。わたしが読み解けてないだけだったらすいません。

でも今回は殺陣重視!!!ってのはわかったし、五ヶ月もあるのだからこういう回があってもいいんだなって思いました。

 

ここから普通に感想です。

 

赤星さんかっるいな…体重がない。セットに飛び乗る動きが身軽すぎて、大熊さんと違う意味でこの人人間か??って思ってた。役名がろうそく男って尚更人外感。美女と野獣かな(あれは燭台)

そして山浦さんや坂口さんや今回の大熊さんとの、誰とも顔や体格が似ているわけではないのにこうやって同一人物を演れるというか、混ざるのがうまいってこの人は一体何なんだ。親和性が高い?でも赤星さん個人の印象はめっちゃ強い。どういうこっちゃ。
笑いながら人をさくさく殺していく感じ、全オタクが推しにやってほしい戦闘狂だ!ずるい!!みたいなアホな感想を抱いた。猩獣の配信だとわからなかった(うちのPCの問題)ので生で見れてよかったな…。自分VS自分のところ、ああいう手練同士の殺し合いだーいすき♥なので二人とも大口開けて笑いながら戦ってるの最高に最高すぎてニヤニヤしながら息止まってた。めっちゃ不審者。

何月かの感想でも書いたけどわたしは御歌頭さんのファンなので推しを描いてもらえるのうらやましいな!?ってずっと思っているのだけど、今月もめちゃくちゃかっこよかったですね…。

 

そういえば赤星さんの殺陣もだけど、大熊さんのマイムも生で見るの初めてだったんですよ。独鬼は殺陣だし新しい~には出てなかったので。Twitter感想で「前説おじさんがあんなに動けるとは」っての見かけたけどわたしもそれに近いものがあった。DVDとかでは見てるけど。首締められるマイムとかさすがに人生で初めて見たわ…。

入れ替わり殺陣、やっぱり席位置で見え方が変わると思うんですけど、わたしの席からは壇上から飛び降りてきた赤星さんが寸分の狂いもなく下にいた大熊さんの位置に立って(るように見えて)、布もないし瞬きもしなかったのに人が入れ替わる瞬間を見てしまった…!!って感動してた。その少し前のろうそく男が狂人に変わるところもキレイに入れ替わっててすごかった。
見てて一番「キャーー!!」ってなったのは、女頭領を憑依(?)させたろうそく男の一斉掃射。構図が完璧すぎ。ぴょんぴょん跳ねるのも姿勢の低い回転も好きだなー。

 

っていうかあの殺陣考える方もすごいし実現させてしまうのもすごい。竹村さんがお二人の技量をわかっていてどれだけ尊敬し信頼しているのかがわかる。
そんな竹村さんは今回メインでの出番が少なめでしたね?作演やってるんだからこれくらいが普通だろうに、ようやく減った笑 その分来月大暴れなんでしょうね楽しみ~!顔を剥がれる『顔無』というところは気付けなかったのだけど、人の良さそうな男、に微笑ましくなったし、男一人抱えてあの動きはやはりすごい。

 

出ずっぱりで色んな表情が意味ありげだった後助の伊藤さん。何気に色んな所で見るけど上手いなぁ…。怪しさ満載だったけど小物感はなくて。
見た目からしてずるいのは満腹さん。いやーずるい。斧が小さく見える。それでいて優しそう。表助が入ってない状態の大男ってどういう人物だったのか気になる。ロブカールトン好きなんですよね~前回公演に行けなかったので次は行く。
サリngさんは初見。お名前はかねがね。もうかっこよすぎてファッションも髪型も真似したい!とりあえず髪切りにいこう!っていう謎の決意をした。女だけの武装集団の雑賀衆っぷりがすごくてやっぱりこの舞台戦国なのでは?って思ったり。撃たれたい。
狂人、動きもメイクもすごいからしばらく誰かわかってなくて「まだゲストいたっけ…」って考えてた。河原さんだった。狂人VSろうそく男の殺陣のスピード速すぎて息が詰まる。

 

セットがあんなに動くと思ってなくてびっくり。アクションモブメインの殺陣があってテンションあがりました。こんなにめちゃめちゃ動ける人しか出てない作品を見れている贅沢さやばい。熱量にぶん殴られ続けた65分だった。

 

残すは来月ですね!開演前に流れる予告PVに力が入りまくっていた。安達さんや新団員高安さん(入団おめでとうございます!)も出られるし、総力戦!!って感じですね。今までの全部見てるとわかるらしい仕掛けが楽しみ。そんな中に参戦する田中亨君、あまりにも期待度が高い。楽しみ過ぎるわ。

ここまで全て一回(見る回も席もほぼ一緒)で来たのは、台本読んだ後に見ると確実に見方が変わるけど二回見れない月があるから不公平だな、と勝手に考えてのことだったのですが、ラストはさすがにな…と千穐楽も行くことにしました。

五ヶ月の集大成、そして(十周年チラシが楽しそうな)壱劇屋十年分の力、存分に見せてください!

 

f:id:yhforestmk:20170908235915j:plain

何回見てもこの赤星さんかっこよすぎる。