ぼちぼち観察記録

見た舞台の感想やオススメや自分語り。関西小劇場と推しさんとミュージカル。

匿名劇壇『レモンキャンディ』

匿名劇壇さんの本公演は今回が初めてでした。

匿名さん自体は中之島春の文化祭で見て、福谷さんの脚本で見たことがあるのはPatch8番勝負其の参『森ノ宮演出家連続殺害事件』と年明けにやってた環状線ドラマ2の鶴橋駅回だけかな?あと東さんは筋肉少女で見た。森ノ宮~には石畑さんも出ていた。

森ノ宮~』の感想をまだ書けてないけどすごく好きな作品で、でもそれはPatchが演じているからなのか福谷さんの脚本が自分に合うからなのかがわからなくて、本公演に行ってみないとなぁとは常々思っていた。(これは前者だった気がする)
あと、時折RTで流れてくる福谷さんのつぶやきやブログを読む度に「色んな意味でおもしろい人だなぁ」とも思っていた。最近の、アマサヒカエメのタカイさんとのTwitter上での喧嘩からのブログでの叫びからの『水の泡』出演発表という茶番に「やられた!!」って頭を抱えてしまったので。

いつ行こうか決め兼ねていたら初日の感想がTLに流れてきて、いつの間にか土曜のチケットが売り止めになっていて。えーい仕事帰りに行ってやる!と5/19(金)マチネを当日券で観劇。ホットドッグおいしかった。

『レモンキャンディ』

 

ここは落下する飛行船。

上空1000000000kmで、ついに故障した飛行船。

地面に到着するまでが、あと七日間の飛行船。

四人の女と四人の男。

何をして過ごそうか。

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 重力はどうなってんだとか10億キロとかありえないだろ(これは作中で答えが出る)とかそういう話は置いといて、7日後に死ぬけどどうするよ?という話。
宇宙という概念が通じないところ以外はそこまで日常から逸脱したものはなく、謎のアイドルソングもカルト宗教もドラッグも、わたしが知らないだけで存在しそうだった。
だからこそ、めっっっっちゃしんどかった。

ブログを読む度にすごいなと思う流れるような福谷さんの文章を、これまた流れるように台詞として話す劇団員のみなさんがうまくて、本当に皆7日後に死んでしまうような気がしてしんどい。綿雪が本当に快晴を殺しそうでしんどい。雨水の静かな怒りが伝わってきてしんどい。総じてしんどい。

ああいう極限状態でなくても、普段いる環境やお金の価値観の合わない人とは一生仲良くなれないんだろうなって思ったけどそういう話ではない?育ってきた環境が違うからセロリが好きだったりするんだし(例えが古い)

8人もいるのに声や見た目が全員見事に違うのって良いなー。誰も舞台上で埋もれないくらい個性豊か。
パッと見だけで快晴のホストとしての、砂嵐のオタクとしての説得力がすごい。でもやっぱり快晴は許さん。
砂嵐普段何描いてるんだろう…実際同人誌で儲けが出るレベルって男性向け18禁だけども(マジレス)
ああいう時にモテるのって雷鳴なんだなぁ。それは女としての本能ってことなのかな何だか癪。
最後まで特に曇天がいいとこなくて笑ってしまった。普通の人代表って感じなのかな。
綿雪の東さん、不思議な声をしている。口汚い言葉を吐くけど、ギャグシーンではあの巻き舌のおかげか嫌な感じがしない。
朝凪はただひたすら怖かったからずっとそうしてたんじゃないかなって思う。
夜霧も話は空振りばっかりだし殺されかけるしいいとこないけど、自殺未遂のシュールさが最高だった。
雨水はほんと怖い。あまりに自然に首に手をかけるから、何度か同じことしたことあるんじゃないかって。過去の話は聞きたくなかった。

話の内容としてはめちゃくちゃ苦手な部類に入るので、見ながらサクサクと小さいナイフで刺された気分になっていた。それでも「見ない方がよかった」とは微塵も思わない。おもしろかった。でも快晴は殺されてほしかった。
話のテンポも好きだし、あまりにも斜め過ぎる八百屋舞台(って言っていいのか?)で演じる身体能力はすごい。テーブルの上のものが全然落ちないのどういう工夫なんだろう気になる。オチのやるせない感じもよかった。

照明もカラフルでセットや衣装が基本白だからきれいだった…んだけど、帰り道に駅までの間に何軒かラブホがあって、道を照らしていたネオンの色が劇中のものとほぼ同じでとても微妙な気分になった。

次回公演も気にしておこうとは思うけど、きっとまた予約する決心はつかずに当日券飛び込みな気がする。

 

余談。

冒頭の唐揚げレモン論争であのドラマ思い出して笑っちゃったけど、あれも死にはしないけど4人があーだこーだ意味のない討論繰り広げる内容だったしめっちゃ好きだった。
それと、始まった瞬間に『ぼくの地球を守って』の月基地を思い出した。あれも男女数名が閉鎖空間で過ごしてて全員が白い服で今後死ぬことが確定していているからあらゆる事件が起こってしまうやつで、見てる間だけぼく地球の記憶を引っこ抜きたかった…○○に似てるって考えながら見るの好きじゃないんだけどしょうがなかった…くやしい…。

そんでこれは個人的な好みの話なんだけど、男同士の言い争いは好きだけどそれに女が混ざると苦手で、標準語だと倍率ドンで嫌になるので今回結構しんどかったのはそのへんが大きい。でも関西弁だったら身近でリアル過ぎてもっとしんどい気がして、じゃあなんだったらいいんだよって考えた結果が「武士言葉」だったので、わたしは現代劇を見るの本当に向いてないと気付いた。
あらすじだけで苦手だから避けるものはあるし、内容あまり知らずにいったら苦手でダメージ受けて帰ってきたものもいっぱいあるけど、「苦手だけど見たいもの」もあるから観劇って楽しいししんどいよなぁって思いました。

 

余談2。

会場に向かう時に豪快にスマホを落として画面が壊れて電源が切れなくなって、まずい…このままでは『観劇中にスマホ電源切る切らない論争』の当事者になってしまう…!って勝手に焦った。(開演前に受付に預けましたお手数かけましたすいません)客入れBGMを聞きながらチラシ見たりアンケ途中まで書いたりする開演前の時間も楽しいから、みんな電源は切ろう。
なので感想を書けたのが2時間後で(電車でちょっとメモ取ったりはしたんだけど)だいぶ頭も冷えた頃だったので、もしスマホが壊れてなければもっと荒々しいツイートをしていたかもしれない。その場の勢いって大事だしその時の気持ちは戻ってこないからちょっともったいなかった。

中之島春の文化祭2017感想

その日のうちに感想書ききれなかったせいで、下書きに保存されてる記事が5つくらいある。
そもそもここはtwitterで呟いた感想をまとめるために作ったブログなんだから、直脳でも雑でもいいからとりあえず先につぶやいとかないとなぁ。

という教訓をもとに、その日のうちにざざっとつぶやけた中之島春の文化祭2017の各団体の感想まとめをコピペしておきます。

 

中之島春の文化祭は、関西小劇場の縮図のような(関西外から参加される団体さんもいるのだけど)イベントです。1団体20分の一発勝負。その内容は、歌ダンス演劇コントなんでもあり。次回公演の導入部分だったり、逆に過去公演のダイジェストを演ったり、文化祭用に一本作って来たり、そもそも文化祭にしか出ない団体があったりととても多彩。普段は別の劇団に所属しているが今回は○○さんのところで、というゲスト出演は当たり前で、一人で何度も出る人も。

去年初めて行った時はPatch以外の出演団体は全部初見(DVDで見た団体や名前だけ知ってた方は結構いたけども)だったのに、今年はいくつか本公演に行った団体もあり、役者さんの顔もかなりわかるようになっていた。めっっちゃ楽しかった。

 

そんなわけで、以下感想。基本的にコピペですが、敬称略にしたのと一部誤字等訂正してます。

1日目

Aブロック

◆ダイナマイトしゃかりきサ~カス
相変わらず歌がめちゃくちゃうまい…大阪弁のあの歌、聞くの2回目のはずだけどすっかり覚えてしまった。ジャズからのボサノバなラジオ体操、本当に何の曲か5秒くらいわからなかった!かっこいい…

◆ABCアナウンス部です。
去年より良い意味での茶番感が増していて、おもしろかったし安心して笑えた。どんどん減っていく柴田アナの台詞w関西地方の例えすごくわかりやすかったから他の作品もああいう朗読してほしい

ヨーロッパ企画
抜群の安定感とゆるさ。開始数分でわかるサカイ先輩のサイコっぷりがすごい。放送部の先輩とのラブロマンスが始まるかと思ったら全然そんなことはなかった!

◆劇団空組
初見。以前からお名前は拝見してたけど、女性のみの劇団なのは今回初めて知った。王子めっちゃイケメン。かぐや姫見たことある気がしてたら筋肉少女のヒロミだ!全然違う!!

◆石原正一ショー
with澤田誠さん。そもそもアオイホノヲの時点でズルいわそりゃおもしろいわ!と思いつつも、ドラマとはまた違う熱さ&ゆるさがよかった。あのトン子さんすごく好きだわ…

 

Bブロック

◆いいむろなおきマイムカンパニー
去年よりも人数が増えてシリアスというかシュールに。後ろ4人の人ならざるもの感が、良い意味で不気味で全く目が離せない。人形操るの文楽みたいだったなぁ。早送りのとこすごかった…!

◆笑の内閣
初見。ハッシュタグの諸注意で、今年はPMC某さんおらんのにどういうことやろうと思ってたらここかー!めっちゃうまいしまとまってるし面白かった、のに感想が言えないの辛いし困る。喋り方うまくてどんどん本物に見えてきてた…ABCホールであの曲を聞くとは。

◆ムーンビームマシン
去年の人数多目のファンタジーイメージ強かったから会話劇にびっくり。ダンサーさんの衣装めちゃくちゃ可愛かったけどピアノの鍵盤モチーフなのに最後まで気付けなかった。思わず一緒に4分33秒について考えてしまった。

◆満員劇場御礼座
初見。伏線もあったけど全体的に微笑ましく最後はじんわりと。自分がペット飼ったことないので、なるほどこういうこと考えてるのか~って素で納得してしまった。ハッピーと一緒に真剣に聞いてたけど、何言ってるかはほぼわからず!

◆STAR☆JACKS
実は初見。タイジさんの土佐弁があまりにうまくて、それでも聞き取りやすくてすごい。難しいだろうに。たった20分で以蔵の心情が見事に描かれていて素晴らしかった。武市先生最期までクズかと思ったら救済あってちょっと安心(笑)

 

Cブロック

◆ビーフケーキ
一本目が普通に面白かったから油断してたら、そのあとがブラックユーモアというかほんとブラック!何回かヒェッって言っちゃった。でもなんかクセになるんだよな~好き~。「あっだから腕がなかったのか、」って呟きがよかった。

◆劇団ZTON
「そこ普通被る!?」という以蔵と武市先生被りにちょっと笑っちゃったけど内容はシリアス&殺陣殺陣そして殺陣。アレめっちゃびっくりしたけど何事もなかったならよかった。ああいうタイプの龍馬はきっと厄介。あと吉村寅太郎のその後を思ってちょっと悲しくなった。

◆十三クラブ
OPを思わず口ずさみそうになる(好きな曲)。しっかしよくミツバチネタだけで20分持つなすごいな?小ネタの数が多い。しつこいまでのアブ推しめっちゃ笑った。不祥事起こしてもちゃんと謝罪終わらせてて、あそこブラックなのかホワイトなのか…イエローか?

◆劇団壱劇屋
そこの空間を掌握する力がすごい。舞台が一気に壱劇屋のものになる。役所の職員さんの制服がとっても素敵。本公演の日取りを決めかねてたけどさっき決まりました、ゲスト含めめっちゃ楽しみです。智ちゃんが可愛かった。

◆ステージタイガー
去年もそうだったけど最高に後味が良い…熱さもベタもありつつも、最後はすっきり爽やか!大人の青春だなぁ。親父さんのシーンでじんわり。蔵元ゲーム、いいと思います。

 

 

2日目

Dブロック

スイス銀行
初見。奈良の良さの伝わるコント(?)。自分が半分奈良民みたいなもんだから石舞台で噴いた。後半のチアのああいう勢いだけで押していく感じ好きだった~どうにもならないOやRやE!

◆カヨコの大発明
初見。めっっっっちゃおもしろかった…曲選偏ってるなと思ったらまさかの本人。邦楽ラブソングの変遷の使い方がすごくうまいし、ああいう仰々しい演技が全員見事にハマってた。ユーミン好きやで!

オイスター
出オチ感がやばい。握力と床の心配をしてしまったお疲れ様です。どうやったらああいう発想が出てくるのか普通に感心する…からの、ダンスのクオリティの高さよ…

◆匿名劇壇
演目的には去年と一緒だったけど、某映画のヒットにより今年やる意味もあったなぁと。好きな演目を、改めてキャストの顔を把握した状態で見れて嬉しかった!あと去年も言ったけどハルヒから10年以上経つのやばい。

◆劇団赤鬼
事件の話が出た時点で察してしまって、ずっと堪えながら見てたけどお父さんパンチで完全に涙腺決壊した。帰ったら家族に感謝の言葉を言いたくなった。あと普通に通り魔さんが怖すぎ。方向は違うけど演出家役の田川さんもめっちゃ怖かった。

 

Eブロック

春野恵子
今年はロック浪曲!ただ曲に乗せてるだけでなく、元の歌詞の韻を踏んでいて面白かった!それでいて聞きやすいわかりやすい。衣装もロックで素敵。おさんと茂兵衛のその後をググってあぁ…って頭を抱えたけど近松が気に入るんだからそりゃそうなるか~

◆劇団レトルト内閣
今年もリーマン講座!というか文化祭でしか見れてないので本来の作風が未だに謎。共感できるようなできないようなラインが絶妙。スーツでのダンス見るのが好きなのでクライマックス(?)が眼福です

◆かっぱのドリームブラザーズ
初見。舞台を!!!使ってください!!もったいねぇ!ああいう客席巻き込み系の作品って久々に見た気がする…面白かった。今後すまたん見る度に謎の笑いが込み上げそうです

劇団Patch
キャラ配置も話のアホさも台詞のテンポも衣装も色々ツボだった…そして去年よりも確実に安心して見れたし面白かった。誰が書いたんだろうこれ…。
警備員の話かと思ったらセキュリティ破る側の話なの意外だったし、みんな良い意味で気持ち悪くて好き。最終的にツッコミ不在。交際期間が高1から・中3の冬期講習から・夏期講習から・小6からときて、高2の5月に15分だけという言葉の威力と悲しさよ…。
上でも言ってるけどスーツが大好きなので、推しメンのスーツありがとうございました。

◆N-Trance Fish
出番が控えてるはずの丈二さんがしっかり出ててびっくり。やっと踊ってる和田さんが見れた~!カップル4組それぞれタイプが違ってて、紺と赤の身長差カップルが素敵だった。全体的にスキルがめちゃくちゃ高いからどこを見ても楽しい。

 

Fブロック

◆Micro To Macro
初見。クレイジーフォーユーパロかと思ったら違ったし曲もオリジナルと聞いてびっくり。良い曲だった。こわもての編集さんめっちゃいい人。月子がヒステリー起こすとこ、胃の辺りにグリっと来た。

◆オパンポン創造社
基本が野村さん一人だから誰がどうくるか構えていたらハートフルな親子の物語が始ま…らなかった!!布面積の少なさが文化祭イチどころか今のとこ今年一番だわ!普通って、何だろうね…

◆THE ROB CARLTON
本当に安定しておもしろい…ただのじゃんけんをあれだけ広げるのすごいし、あの国籍も違うだろう3人がどう知り合ってどういう関係性で何でじゃんけんすることになったのかめちゃくちゃ気になった。ゴミ捨て当番だったりしないかな。

変ホ長調
今回もゆるおもしろかったけども、ワイドショーの時事小ネタが盛り沢山なので、好きな俳優さんになんかあった年は小さいカッターで心をサクサク刺された気分になるね…。突然のGENJI推しと出演者いじり笑った。M1また頑張ってほしいです。

◆MousePiece-ree
おもしろくないわけがない!3人なのに端から端まで駆けずり回って熱量がすごいけどやってることはアホらしいし話は何も進まない。それでいい。また変なゲーム(今回体操だったけど)始まってめちゃくちゃ笑った。どうやって考えてんだあれ…

 


◆田川さんのギャグ100連発
去年は、誰や!?あっジョルジュの人?ってびっくりしてたけど、今年は出てきただけでヤッター田川さんだーー!ってテンション上がった。照明効果がついたの笑った。
ソロライブ決定おめでとうございますなんとか予定合わせたいです!

◆エビシー
衣装チェンジ可愛かった。2日目のグッズ抽選、知人二人に当たって中身見せてもらったんだけどめっちゃ素敵だった~来年は当たるといいな。

 

総括

Cブロックにめっちゃ動けるとこ、Fブロックにめちゃくちゃ笑えるとこが固まってて、プログラム発表された時びっくりしたなと。
ブロックで好きだったのはDだな~満足感が半端なかった。
個人的お気に入りは1日目がSTAR☆JACKSさん、2日目がカヨコの大発明さん。

新たに本公演行ってみたいなと思ったのはスタジャさんと赤鬼さん。あと田川さんのソロライブ。


今年もぼちぼち小劇場ライフを楽しみたいです。

Patchを推し始めるまでに2年かかった話。

ハブレンお疲れ様でした、そして劇団Patch結成5周年おめでとうございます。

ハブレンの初日以降のちゃんとした感想(結局6公演行った)も書きたいんだけど、結成日ということで色々思い出してみたくなりまして。ただの自分語り。

 

ちょくちょくTwitterで言ってる話の繰り返しですが、わたしが劇団Patchを知ったのは2014年に開催されていた大坂の陣400年イベントでのPR武将『大坂RONIN5』の誕生のニュース。夏前くらいだったかな。
長宗我部盛親(岩崎くんがやっていた緑の子です)が元々推し武将で、大坂五人衆も大好きなのでこのニュースに大はしゃぎしていたら友人に「これ、Patchじゃない?」と言われた。大阪に住んでるしそこそこ若手舞台見てたはずなのに、この時までPatchの存在すら知らなかったんですよね。ごちそうさんもあんまりちゃんと見てなかった。

へー関西版Dボなんやと思いつつも、「若手にハマると怖いしなーそれに武将は好きだけど中の人は興味ないしなー」ってスルーしていました。これらは特撮から戦国鍋に駄々ハマってライブに何回も行ってたヤツの発言です。全く説得力がない。

RONIN5についてはいつか別口で語りたいです。

 

で、初お披露目イベントへ行ったり、大阪城行く度についでに演舞見て名刺もらったり、友人(戦国好き)を連れて行ったりと戦国オタクなりに楽しんでいたのだけど、イベント自体が一度終わり(冬の陣・夏の陣にわかれていたので)RONIN5に会えなくなった。そこでようやく、「そういえば役者さんなんだよな、普通の演技も見てみたいな」と思ったのが2014年冬。

8番勝負には間に合わず(画像ファイルを漁ったら8番のチラシを持った盛親の画像が普通に保存されていて、当時のわたし本当に中の人には興味なかったんだなと逆に感心する)、観音も見れず(でもいきなり観音から見てハマってたかどうかは謎)、その次に発表されていたのが『SPECTER』だった。

 

末満さんの作品は友人に『ステーシーズ』『我らジャンヌ』を見せてもらっていてどちらも好きだったので、末満さんなんだじゃあ見ようかな~と気軽に構えていたら全力で繭期の友人らに「待った!!!」をされて、D2版TRUMPとリリウムのDVDの角で殴られたのが2015年1月。何も知らずに飛び込むところだった危ない。

シリーズの予習もして、劇団員の顔と名前はRONIN5やってた4人(井上中山吉本岩崎)だけ覚えた状態で臨んだSPECTER。あの内容じゃないですか。次々と衝撃が襲ってくるじゃないですか。メイクも衣装もすごいじゃないですか。

ぜんっっぜん顔と名前覚えないまま帰ってきたよね!

さすがにメインだった中山三好と、正直盛親の時とほとんど変わらなかった岩崎を認識することはできたのだけどそれ以外はほぼわからない。単純に繭期を拗らせた。友人達がRTしてくる写真や末満さんの裏話もそこまで頭に入らず、ただただ衝撃のままわたしの初Patch stageは終わった。後夜祭とかやってたのあとから知った。

 

2015年春。再びRONIN5が動き出して、昨年ほどではないがまたちょこちょこ見に行く。このイベントが終わればわたしとPatchの繋がりはまた絶たれるはずだったのだけど、この頃友人から「夕陽伝のチケット余ってるんだけど行かない?」と声がかかる。名前はよく聞くDステ。出演者にも知ってる名前が多いが、その後ろの方にこないだ見た二人がいた。Patchからのスパイ、中山・三好。これも縁かな~とチケットを譲ってもらい見たのだけど、正直この二人(アンサンブルでした)のことはほとんど覚えていない。こうやって思い返すと色々と覚えてなさすぎるやろわたし…。

同時期に、出勤前に見ているZIPすまたんから聞き覚えのある甲高い叫び声が聞こえることにも気付く。だいたい過酷な祭りロケやってる吉本くんの叫び声でした。

 

こうやってちらほら縁があるのに決定的な機会がないまま、2015年冬にNU版TRUMPを見て再び繭期に陥る。以前は借りて見たリリウムを見直したくなって自分でポチりに行き、ついでにとSPECTERも買う。更に繭期を拗らせるつもりでの購入だったのだけど、SPECTER特典映像で、若い男子が関西弁でわいわいしゃべりながらご飯食べて酒飲んでる図の可愛さに撃ち抜かれた。今までの小さな縁は何だったんだよというくらい、これが決定打だった。

本編そっちのけで特典映像を見る日々が始まり、そういえばこれ見たっけ…?とパンフ特典DVDも見て、やっと顔と名前を覚えだした頃にちょうど『幽悲伝』の公演があった。これタイミング完璧すぎたんですよ…。
夕陽の方も見たしせっかくだからこっちも見るか、くらいのこれまた軽い気持ちで見に行ったらとても良かったし、因幡のキャラがずるすぎて座席で震えてた。そして偶然アフターイベント付きの回で、やっぱり関西弁のにーちゃん達に撃ち抜かれる。なんなん、可愛いやん君ら。

 

変なハマリ方したなという自覚はあるんですが、こんな感じで2016年明けくらいからぱっち箱推しをはじめました。とはいえまだまだ若手役者との接触イベや小劇場の距離の近さが怖くて2016年頭のファンイベは行かず、オンタマは一回行った(行けて本当によかった)けどフォアコンは行かず、アキパチvol.1も行ってないので、本格的に現場に顔を出し始めたのは3月末くらいかなぁ…。どっちもPatchの観覧も最後何回かは行った。

 

そんなわけで、知って3年ハマって1年。
末満さんが総合演出から離れられて、これからのPatchがどうなっていくか。正直、とても楽しみです。
6年目のPatchも楽しみにしています。

少年の透明感と「To be, or not to be」(4/20ハブレン初日感想)

※めちゃくちゃネタバレをしています。


以前アワベビの初日の率直な感想を残しておいたら、あとで見返した時に自分のじゃないみたいで面白かったのでハブレンでもやろうかと思いまして。
ちゃんとリンク貼ったりあれこれ注釈入れたりは千秋楽終わってからにしますね。

 

4/20初日(ソワレ)を観劇。
実は初めてのインディペンデントシアター2nd。仕事終わらせてそわそわしながら来たら、整理番号の前も横も知り合いみたいな状況に(パチ合戦後に最速で買ったから当たり前ではあるんだけど)笑った。いつの間にかPatchや小劇場関連の知り合いが増えました…ありがたい話です…。
客いじりがあったらどうしようとか思いながらも最前で。どっちが正面かわかんないっていうか舞台が円形だったので、とりあえず入って手前側(キャストが通路から来る方)に。明日は逆に座りたい。

原案のハムレット、ちょっと予習したら登場キャラほとんど死ぬよ!!って感じなので、作品内での殺し殺されが好きな私は「さー何人死ぬのかなー」って少しウキウキしながら行ったら客が田中亨に殺されるというまさかの事態に。マジかよ。

 

もちろんみんなすごく良かったんです。松井さんの闇を抱えた主人公力の高さ、藤戸くんのホストちゃん前後で培われた(松井さんの)舎弟感、らんくんは振り切っててキャラが濃すぎるし(ずっと千鳥足だしすごい声してるけど大丈夫かなあれ)、有馬くん尾形くんの普段から仲良し故のコンビネーション…からの演劇シーンでの空気の変わり方、実年齢差を見事に演技(と見た目)で埋めていたたかしくん、個人的におおっと思ったホルモン屋で客やってる時の山ちゃんの煙草のしぐさのかっこよさ、頑張ってるのに追い詰められていく星璃くんの苦悩に満ちた顔とアグレッシブな動き、真吾ママ…もといがんこちゃんは普通におかんに見えたしラストの展開めっちゃ良かった、トレンチを肩にかけびっこ引いて眼鏡かけてる竹下蛍原は正直ビジュアルから何からずるい!!!

と、ひとりひとりについていくらでも語れるほどしっかりキャラが立っていたし(これに関しては末満さんの脚本がさすがだよなぁ)、あのシーンが良かった!目が足りなかった!とも沢山思ったんだけど、でもやっぱり最初に思い出すのは、月に手を伸ばす少年、歩野親春(演:田中亨)の姿。

 

親春はちょっとメイクの方向性が違うのかな?ぱっつんが可愛いのはもちろん、目もぱっちりしていて唇もピンク。「なよなよしてて女みたいだな」と言われることに説得力がある。素直に可愛い。
青い照明の中で月に手を伸ばし、そのまま一歩、また一歩踏み出す。あまりの美しさに「絵画みたいだな…」って思ったのだけど、そういえば元キャラはオフィーリアなんだった。絵を描きたくなるのも当然か。青い照明に溶け込んでしまいそうで、亨くんこんなに雰囲気ある子だったっけと考えて、亨くんの演技はほとんど見ていないことに気付く。フォアコン行ってないので。

親春が亨くんだって発表された時に「もしたくちゃんがハブレン参加してたら親春ってたくちゃんがやってそう」という話をしたことがあって、でも実際見てそれは違うなと。少年キャラの得意な納谷くんももちろん違う。2年後の田中亨でもきっと違う。高校を卒業したばかりの若さと、まだあまり役のイメージがついていなくて何色にも染まっていない亨くんだからこそあの親春になったんだなぁ。

彼が最期に言った「月に手が届いた」というのは、空想の中の話だったのか。それとも、橋から落ちる時に目に入った「水面に映った月」だったのか。かくれんぼは、いつまでも続くのか。残りの公演も見守りたいです。

 

もうちょい全体の話をすると、ハブレンは「演劇を見た」っていう実感がとても強かったです。ぱちすては基本的に衣装が豪華・人数が多くて舞台上が満員・殺陣が多い等で「派手やなー」って思うことが多いんだけどその辺がそぎ落とされてて、誤魔化しの聞かない分とても演劇だった。アドリブっぽいネタや地のツッコミ等笑いはあったけどそのバランスも絶妙で。あれ以上無茶振りパートが長いとダレる。ギリギリ。

 

「To be, or not to be」の訳「どないせえっちゅうねん!」だけど、公演中に軽く膝を打った。心の中で「それな!!」って心のいいねボタンを連打した。予習で読んだハムレットの巻末にここの訳一覧が載っていて、どれもしっくり来ないなと思っていたのですっきりした…もちろんハブレン以外では使えないのだけど。
思ったより原作の流れを汲んでいたし、決闘シーンそう来たかー!って感心しながら泣いた。作中劇にそのままハムレットを持ってきて演じさせるくだりがすごく好き。

確実にぱっちの代表作になると思った…ら、思った以上に実際の商品名地名固有名詞既存曲のオンパレードで、これDVD化できるのか?許可取ってんのかもしれないけど。
キャパ150の小さな劇場であの距離で見る意味は確実にあるから、チケ無い方も譲渡とか当日券とかで見に来て欲しいなぁ…。

 

ところで日替わり蛍原さん、よしくんだと強すぎない?誰も勝てなくない??って思うので日曜日が楽しみです。

『髑髏城の七人season花』がなんかすごかった。

ネタバレ配慮してませんのでご注意下さい。ほとんど蘭兵衛の話しかしていない。
とりあえず一度見た感想なので、大楽後に追記するかもしれないです。

(5/31追記)※別に同じ公演何回でも感想かいてええやんって気付いたので書きました

yhforestmk.hateblo.jp

 

 

 

去年9月の『マハゴニー市の興亡』より約半年ぶりの推し舞台、『髑髏城の七人season花』見てきました。
出演発表自体は去年6月末だったから、1年近く楽しみにしてたのか…。

発表された時に耕史さんは絶対に天魔王役だと思っていて、「15年くらい前なら蘭兵衛役も有り得たんだろうなぁ見たかったな推しの蘭兵衛~!絶対美しかったよな~!でも前回の天魔王は森山未來君、今まで耕史さんが演った役を未來君が演じる(RENTのマークやヘドウィグ)ことがあったからその逆はアツいな!あと舞台でああいうぶっ飛んだ悪役見たことないから楽しみだな!」とか考えていたら、数カ月後に蘭兵衛役だとわかり驚きのあまり食べたばかりの昼ご飯を吐きそうになり、口と腹を押さえながら「この臓器売ったら全通できるのでは???」とか頭によぎったのが遠い昔のようです。売ってません。

 

4/7公演を観劇。髑髏城知識は数年前に友人にアオドクロのDVDを借りたのと、前日にざっくりとワカドクロを見直していったくらいです。いつか全部見たいけども、あの演出は何年版オマージュだよ!とかそういう解説があれば今度行くまでに勉強しときたい。
他の新感線作品はDVDで蛮幽鬼を。生で見たのが蒼の乱(ゲキシネも見た)WOWOWで色々やってたから適当に録ってまだ見てないのがいくつか。

◆大人な蘭兵衛

登場の仕方がかっこいいわ、いきなり口上を述べるわでちょっと笑っちゃったんですけど、でも総じて「落ち着いてるなぁ」って思った。太夫とも夫婦みたいだし、無界の里の管理もちゃんとしてそう。決めた掟に厳しそう。でもきっと女子衆には優しくて、里に来た女はみんな一度は蘭兵衛に惚れて、でも太夫とのやりとりを見て察して諦めてそう…。そういう想像のできる大人蘭兵衛。
数珠が殿の骨だという設定がなくなっているから、見た目からしてそこまで殿に執着してるイメージがないんですよね。特に一幕。殿が死んだことを悲しんでいるけれど、ちゃんと今を生きている。時折見せる淋しげな表情で、あぁこの人昔なんかあったんだなぁって思える感じ。

だからこそ後半落ちていくのが最高なんですけどね!

花蘭兵衛は「責任感」がめちゃくちゃ強い。天魔王の火傷や足は本能寺で負った傷だと聞いた時や「(天魔王を名乗って殿の無念を晴らすのは)あなたの仕事だ」って言われた時が一番ぐらぐらしてる。殿の傍で看取れなかったのが一緒に死ねなかったのが何よりの後悔。でももうそれは叶わないから諦めていたのに、仮面を渡されて殿と一緒に戦ってくれとか言われたらそりゃ落ちるよな…落ちるというか戻っただけって感じもするけど。

パンフの成河さんのコメントに夢見酒の口移しシーンの是非について少し書かれていたけど、確かに無理やり飲まされなくてももう蘭兵衛の意志は固まってたような気がする。あれは最後のひと押し。
ただ、夢見酒自体の説明があっさりで口移しも仮面で半分くらい隠れて一瞬だったせいで、口移しっていうかただキスしただけみたいになってて笑った…これで大楽までに口移しが長くなってたらどうしよう…無くなる可能性もあるよなぁ…

口説きながら殺陣するところで天魔王が蘭兵衛の足を切って「これで俺と同じだなぁ」って感じのことを言うのが正直めちゃくちゃ萌えだったんですけど、これ初日にはなかったって聞いてびっくり。新感線はよく追加演出するとは聞いてたけどこういうことか。そのあと蘭兵衛ずっと足引きずってたから動きづらくはなってたけど、内心ちょっと嬉しかったんじゃないかな…。

無界の里襲撃が『狸穴二郎右衛門の首を取るため』で、蘭兵衛からの提案だったのは良かった。その為に自分で作った里をぶっ壊していく冷酷さで、「あぁほんとに森蘭丸なんだな…あの信長に仕えてた人なんだな…この人マジで正気だわ説得とか無理なやつだわ」って実感したので。

最期はワカと同じく太夫に撃たれるわけだけど、お前あんだけ裏切っておいて最期だけ極楽行こうだなんて(極楽太夫の名前の由来)甘いぞ!?ってちょっと思ってしまった。でも里を襲ったのは「蘭丸」で、その蘭丸は太夫たちが来る直前に天魔王に殺されたようなものだから(騙されてたことに気付いて絶望しながら倒れる姿の美しいことよ…)極楽へ行ったのは蘭兵衛で、殿の待つ元へ行ったのは蘭丸かな。信長絶対極楽には居ないもんな。
夫婦のような太夫との関係と、最期の蘭兵衛が両手を広げて笑うもんだから「おいで」って言うかと思った。そんなことはなかった。

 

美しい殺陣もビジュアルも、最高!!さすが見たいものを見せてくれる!!って感じではあるんですけど、予想の範疇ではあった気がする。今まで耕史さんがやってきた時代劇の数々を総合して、きっとこういう蘭兵衛になるんだろうなっていう想像を越えてはいない。演出も変わってるようだし殺陣もまだまだ進化する(相手にめっちゃ合わせてるように見えた)だろうから、千秋楽までにどれほど進化していくかが楽しみです。次行くの前楽だけど…もっと行きたかった…。

◆他あれこれ

小栗捨之介めっちゃ足きれい…。フンチラとかいうレベルでない角度で見えてたけどいいのかこれって思った(めっちゃ見てた)。舞台では初見だったけどすらっとしていて、舞台映えするなぁ。ワカの時のあれこれは伝聞でしか知らないのでリベンジという点はよくわからないけど、THE少年漫画の主人公って感じで好き。

何気にタイミングがなくて初見だった成河さんだけど、ほんとなんで花は歌わないの!?成河天魔王と山本蘭兵衛で闇が広がる的なデュエットをしてほしかったぞ!?
…という願望はさておき、蘭丸を兄者と呼ぶ弟系天魔王めっちゃかわいかった…ハイトーンの笑い声も、片足引きずりながらぴょんぴょん跳ね回るのも良かった…。あの天魔王のキャラは成河さんが耕史さんになついてるとこからできたというので、中島かずきさんGJ過ぎるしほんと耕史さんとミュージカルで共演してほしい…

 ちっちゃい沙霧とでっかい兵庫が並んだ時の図が可愛い!沙霧は三五と髑髏城ウロウロしてる時も可愛くて、二次元の少女っぽい。後ろ回し蹴りがとてもきれいだった…強い沙霧いいなぁ。青木兵庫は思った以上に大型犬だった。

古田贋鉄斎はもう存在がずる過ぎる…あの見た目で声はめちゃくちゃイケボ、刀に村正はともかく大典太光世をチョイスするには一般的にはマイナーだろうから、あれはとうらぶネタでいいのかな?
蘭兵衛の最期のシーンの時に横で大量の刀をスタンバってて笑いが起きてて、「おもしろいけどあと3秒待って!!?」って思った。100人斬りのシーンあまりにシュール…足元があまり見えなくてしばらく何でそんなヌメヌメ動いてるのかわからなかったけど、ローラーブレード見えた瞬間に「佐藤アツヒロ呼んでこいよ!!」って心で叫んだ(そういう問題でもない)

蘭兵衛との出会いがめちゃくちゃ気になる太夫だけど、武装姿があまりにも将門御前…めっちゃ青い…元の名前が竜胆だからかなぁ。武装した女子衆のタスキが蛍光色だったりして何でその色!?って思うとこもちらほら。そういえば蘭兵衛の浅葱の衣装は写真だと鮮やかだけど実際に見るとそこまで浮いてはなかった。

そういえば思ったよりセットが簡素でびっくりした。動かさなくていいからもっと豪華絢爛な無界の里や、めっちゃギラギラした髑髏城が出来上がるんだと思ってたので。セットは今後も共通なのかな毎回新しいの作るのかな…。上手に伸びる階段のとこと下手への階段セットが真ん中で繋がってたのめっちゃテンション上がった。あれヒーローショーのセットだわ。

本水を使った演出は壮大だったけど、ラストの荒野は手前の池の位置が低すぎていいシーンが結構見えなかった。普通に悔しい。極限まで壁を開けるとあんなに広くなるんだな…ラストシーン、前列では兵庫・太夫と捨之介・沙霧を同時に見ることができなくてキョロキョロしてしまった。

すごいと評判のカーテンコールはすごかったです。アニメのEDみたいだった…蘭兵衛美しかったわ…。そのあと普通のカテコもあったけど、耕史さん一瞬だけ素に戻ってニコって笑うからヒエエって変な声が出かけた。

IHIステージアラウンド東京について

これについてはすでにかなりの詳細レポが出回ってるので、わたし個人の印象を。
アトラクションだと聞いてはいたけど、ユニバのターミネーターみたいだなって思いました。無機質な廊下を通った先に広がる、半円状のやっぱり無機質な舞台。そこに映される映像。あまりに普通に舞台上(客席と一体化してて回る部分)を歩いて客席に向かうし薄暗いので、何だこれバクステツアー??ってびびっていた。

三半規管激弱で、通勤電車でもスマホ触ったら酔うレベルのわたしですが回るのは全然問題なかった…席がドセンターだったのもあるかもしれんけど。映る映像はゲームのローディング画面のようなものなので見なくてもそこまで問題なし。髑髏城を進んでいく演出のとこはおもしろかったしわかりやすかった。

今回5列目センターっていう座席表で見るとめっちゃ良さげな席だったんですけど(推しFCはいつも素敵な席をくれる)、実際座ってみると舞台前方がほぼ見えず。沙霧の重心低いアクションとか見えんかった…。壁が動くことでサイドは見切れも発生するだろうから、一番見やすい席ってどこなんだろう。

そして、これ舞台か?って言われるとやっぱアトラクションだよなと。あとヒーローショー。もっと有効な使い方がまだまだありそうなので、今後の演出の進化に期待。

 

新感線作品は円盤になるしゲキシネもやるだろうし(耕史さんの出る舞台は9割5分円盤にならない)、遠征してまで何回も行かなくていいかなって思ったこともあったんですけど、やっぱ回るのは映像で見てもわからないだろうから行ってよかったです。

 

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蘭兵衛が夢見酒飲まされた後に玉座で殿の仮面を愛おしそうに撫でる姿があまりに美しくて素晴らしくて、手前の天魔王と沙霧の攻防そっちのけでそちらを見てしまった…でも自分の好きなところを注視できるのが生観劇のいいとこだ…収録されるかわからんしな、こういう後ろのシーン。

 

当日の折込にメンフィス再演のフライヤーが入っていて、「無界屋蘭兵衛役」って注釈入ってるのがあまりに雰囲気が違っておもしろかったんですけど、でも今回初めて舞台の耕史さんを見た人がメンフィス見たら150%落ちると思うから是非来て欲しいと思いました。メンフィスもよろしくね!

劇団ショウダウン『ドラゴンカルト』

外部での星璃君を見るタイミングがやっとできたので行ってきましたドラゴンカルト。26日マチネ(前楽)を観劇。

他の出演者の方はお名前をtwitterやチラシでよく見かけるけど、おそらく舞台で拝見するのは初めて。どなたがショウダウンの劇団員さんかもあまりわからず、役者によるネタバレ(あの人がただの端役のわけじゃないとか)もなくまっさらな状態で見た。
芸術創造館も初めてでした。駅から遠いとは聞いていたけど確かに地味に距離があった…。
運良く駅で友人にあったのでぐだぐだ喋りながら歩いて会場へ。

人狼ゲームを基にしていると聞いてたけど、私自身人狼は友人らとちょっとやったことあるくらいでルールもうろ覚え。
作中で簡単に説明はしてくれていたけど、役職のことはそこまで触れてなかった(気がする)から、明らかに変な「霊媒師」が出てきたり最後らへんで財前が「狂人」って言われてもしばらく役職と結びつかなかった…もうちょっと予習していくべきだったかな。
っていうか人狼の役職に赤ずきんなんかあんの!?って見終わってすぐググった。色んなパターンあるんですよね人狼

ゲームマスターの正体についてはそこまでびっくりはしなかった。主人公(仁科)の横にいる女は疑えってばっちゃが言ってたので(言ってない)。
こういう作品で犯人はサイコパスだって断言されると、何だかな~すぐサイコパスを便利屋にするな~とか思いやすいんだけど、丁寧に生い立ちや心情(?)が描写されていて良かった。そしてしんどかった。こどもの訴えは聞いててほんと辛い。
志賀先生の人狼理論はわからなくもないけど、それを押し付けちゃってるのがアウトだなぁ。子ども達の為を思って言ってるところも大きいんだろうけど、全ての元凶お前やないかい!ってツッコんだ。いやまぁ、本当の元凶は子どもたちを捨てた親だけど。

キャラの話。

・仁科も暁も没個性で、冒頭とか人がごちゃごちゃしてるシーンであれっ君そこにいたのか?って何度か思った。でもこれはわざとっぽい気もする。人狼は人に擬態して紛れる。仁科のショートダッフルコートが大学生みたいだった。
・東北訛りも長過ぎる話も、もうちょっと聞いてみたかった愉快な(でも優秀な)比良坂。東京ではキャストが違ったと聞いてびっくり。あんなキャラ濃いのに。
・明らかに興味を惹く見た目をしている財前。軽く結んだ金髪、細身の身体。あと特徴のある話し方。キャラ造形がずるい。雰囲気ある役者さんだな…。
・FBIのプロファイラー、アーロン。出オチか!助っ人ほか二人が愉快なイロモノだったのでアーロンもそういう系かと思ったら、真面目にプロファイルしてた。以前星璃君がラジオで、色々研究してるけどどう頑張ってもホストになるって言ってたの思い出して微笑ましくなった。
・ところで刑事長こと勅使河原さんがとても好きです。車内での会話で良いなって思った瞬間に死んだのでだいぶ絶望した(いつも好きキャラがすぐに死ぬ)んだけど生きててよかったです。
・古都さんと生島さんのコンビもよかったし、その二人と勅使河原さん大鳥さんとアーロンの年長組(…でいいんかなキャラ的に)がアイコンタクト取ったりこそこそ話していたのが素敵だった。かっこよかった。古都さんの起こした事件あたりの話がもっと詳しく見たかった。

○○っぽい、という感想は微妙なことはわかってるんだけど思っちゃったし元がマイナーなので言うと、設定とオチ自体は清涼院流水の『カーニバル』を思い出したりして。同時殺人はやっぱり大勢の同志がいないと成り立たない。

総じて、2時間半の壮大なミステリ映画を見た気分になった。集中力の持ちはギリギリアウトだったのでどこかで休憩が欲しかった…やっぱ1時間半くらいが限界。これは個人の見解だけど。
もう一度見たいか、というと、一週間くらい空けてなら見たい。マチソワとか二日連続はしんどい。オチまでわかった状態で見るとわかるネタってどのくらいあるんですかね。冒頭と終盤の襲撃シーンの繰り返しだけでもかなり違いが見えて(松井アナとか)充分面白かった。
もう終わってしまったし、東京公演との違いもあるだろうから明日からネタバレ感想探そう~。
キャラビジュアルが好きな人が沢山いるので、簡単にイラストも描けたらいいな(希望)

牛丼とラーメンと『筋肉少女17』

石原正一ショー『筋肉少女17』
2/23(木)18:29開演の回を見てきました。

この作品、発表された時に「これアレか、Patchがやってたらしい舞台の元の作品か!」っていうのはわかっていたんです。2016年に関西小劇場に片足をつけただけの私でもわかるキャスト陣が半分以上(というかSPECTERに出てる人が四人)いて、石原正一ショーは中之島文化祭で見て勢いが気に入っていたので「行こうかな…?」と思った覚えもあります、が。

お恥ずかしい話ですが、「へぇ~筋肉少女って今回17回目なのか。息の長いシリーズなんだな~今から行ってもわからんかな~」という雑な勘違いをし続けていました。実際は『2017年版』の『17』で、読み方はモーニング娘。よろしく『ワンセブン』(もしかしたら大鉄人17もかかっているのかな?)だった。なるほど。
この雑な勘違いは先週まで続いていて、ABCラジオ『劇場に行こう』の中でこの作品が紹介されていなければ、きっとわたしは見に行こうとも思わなかった…危ない危ない。

そんなこんなで、結局チケット取ったのは当日の朝。
23日の朝に通勤電車が止まって、時間だけが流れていく中でTLに楽しそうな初日レポと当日券情報が流れてきたので、そのまま勢いで取りました。

そんなギリギリセーフみたいな飛び込み方をしたのですが、結果的にめちゃくちゃ楽しかったので行ってよかったー!!って思っています。

 

以下、ざっくりした感想。

 

あらすじとしては、キン肉マンの隠し子らしい主人公の高野ひろみが、超人の娘達が通う学園でプロレスする話。

わたし自身はキン肉マン世代ではないです。ジャンプは2000年頭から去年くらいまでの約15年は読んでたので、少年漫画のノリはわかるし大好きだけど。
なので、ラジオで初めてこの作品が超人の娘達による学園バトルモノだと知ったけどそれは見に行く決め手にはならなかった。アニメの再放送とかやってたし、パロディネタとしてよく見るからふんわりと知ってたくらい。

それくらいのふんわり超人知識のわたしでも、見た目だけで誰の娘かわかる衣装とキャラ作りは良かったなー。小橋(バッファローマンの娘)のロングホーンとか、丸藤のブロッケンJrっぽい帽子とか。ラーメンマンの娘はきっと三つ編みチャイナ娘なんだろうと思って楽しみにしてたら奥さんしか出てこなかった。惜しい。でも中野さん素敵だった。
忍者っ子の鈴木が可愛くて目を奪われっぱなしだったんだけど、これはわたしがザ・ニンジャを全然知らなかったのもあると思う。
渡の見た目には全然ピンと来てなくて、アシュラマンの名前が出てきた時に「あー知ってる!と思う!手がいっぱいあるやつ!?」っていう驚き方をしたんだけどこの楽しみ方は合っているのか?

そんな感じだったので原作通りであろう超人ネタは全然拾えなかった(帰りの電車でめっちゃwiki見た)んだけど、特撮ネタもいっぱい散りばめられていてそれはわかったのが嬉しい。馬場ふみかは…いいよね…EXCITEを吉野家の店内有線という形で聞くとは。

あ、プロレス知識もほぼ皆無です。(名字がプロレス縛りなのはなんとなく気付いた)

 

セットが一切無いのに、教室の扉も吉野家もラーメン屋も池もリングロープも全部見えたのがすごいなって思った。
あまり小劇場慣れをしていないので後ろでのんびり見るかな、と思ってたんだけどありがたいことに同じ回に知り合いがいて、そこそこ前方で見たけどこれは大正解。後ろで見てたら何回も冷静になって「なんだこれは…?」って思っちゃってるかもしれないので、前で勢いに飲み込まれて世界観に入り込めてよかった。いきなり必殺技を叫び出すのも、主人公補正でパワーアップするのも、誰かに操られてたライバルと一緒にラスボスを倒すのも少年漫画あるあるだよなぁ。ほんとキン肉マンの原作知らないのでこのへん原作ネタだったりしたらすいません。

何も考えずに見れたし、最後の決め技でいつの間にか泣いていた。小劇場って、少人数でリアリティのある作品で見てたら胸が締め付けられてちょっとしんどくなるような作品が多いイメージだったんだけどこういうのもアリなんだなぁ。

 

キャストさんの話も少し。
あれだけ叫び続けて声量が落ちない丹下さん本当にすごかった…パワフルと可愛らしさが共存している。
永津さん東さんの足の長さに釘付け。でもお二人ともオープニングでは制服だったのに、そこからずっとズボンとジャージだったのちょっとだけ惜しい。永津さんのポニテ女子高生めっちゃ好みだった…。
出てきただけで全部持ってく美津乃あわさんが素敵だわ…。あれだけ女性が多いと声のトーンも被ってしまうんだけど、誰とも被らないあの声は耳に残る。
山浦さんは相変わらずのゆるさ。餌付けされました。
お名前はよく見るsun!!さん、そういえばお顔知らないかも…って思ってたけどダンスで一発でわかりました。 かっこいい…!
美少女というか美少年っぽいなと思った真壁さん、どこかで見た気がしてたけど以前壱劇屋さんで少年役をされていた。おそらく他の初めて見たと思ってた方々も、きっとどこかで拝見していると思う…主に中之島文化祭で…。

で、今回キャスト一覧見て一番「おっ」と思ったのは劇団SOLAの高安智美さん。以前『アワーベイビー』で見た時にお顔も声も印象的で、他の役だとどうなるのかちょっと気になっていて。
そしたらもう可愛すぎて殺されるかと思ったので絵にしました!

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 絵だけじゃ魅力を伝えきれなくて文字で説明したらくどい。可愛い忍者をありがとうございました。
ちなみに牛丼と迷った末に家帰ってからラーメン食べました。
 
 
ところで今日『筋肉少年』のDVDを見たのですが、尺やキャラをざくざく削っているのに何故このシーンを残した!?ってとこが多くてめっちゃツッコミいれてしまった。台詞もそのままのとこが多くて一人称が違うくらいだったので、Wヒロミがかなり似ていておもしろかったです。
そっちはそっちでまた改めて感想書くと思うんだけど、ちょっと見る順番ミスったかもしれない。手元にあったんだし先に少年を見て、「何これwwどういうことww」ってノリのまま少女を見て答え合わせするのもアリだったな!まぁいっか!